ハコイリ♡ムスメ『Kawaiian TV LIVE』@スタジオアルタ(20150315)

 久しぶりのハコイリムスメでした。2週間前の3月1日にもライブがありましたが諸事情で行かなかったし、最後に会ったのがバレンタインのイベントだから、約1ヶ月ぶりです。僕がハコムスに入れ込むようになってからこんなに長い期間会わなかったのは初めてで、2月に見た劇団ハコムスからの『はじまり』が最後の別れとなり、もうハコムスの皆さんと出会えることはないのかもと思ったりもしましたが、それは勝手な脳内物語でしかなく、3月の定期公演は予告されてる通りやってくるわけで、おそらくそれに合わせた肩慣らしっぽい対バンライブに行ってまいりました。


 この日は神岡実希さんはお休み。神岡さんは個人のお仕事が忙しそうでそちらも楽しみです。6人でのハコムスのセットリストは、

でした。


 何が理由かはわからないけど、途中までぼんやりした輪郭で、なんとも湯気を掴むような朧げな雰囲気がありました。久しぶりのライブすぎて、受け手のアンテナが鈍っていたのかもしれません。ようやく『Be My Diamond』辺りから見えてくる解像度が高くなってきて、と同時に透明感も高まっていったように思います。そして『はじまり』です。最後の曲が始まる前の告知で内山珠希さんの口から「尋常じゃない」という単語が飛び出し、笑いで場を和ませたところから一気にシリアスな局面です。先月の初披露を見たときも、その別れと未来の情景に胸打たれたのですが、この日は全然違いました。カルチャーズ最前の端っこから見るのと、真ん中で見るのでは曲が見せる世界がまったく異なることに気づいて、先月の自分を叱りたい気分です。これはど真ん中から門前亜里さんを見るべきだったわ…。



ハコイリムスメ3/22定期公演、第一章終了 - YouTube


 『はじまり』を見たら、門前亜里さんがハコムスを卒業するのは確定ではと思わざるをえないほど、その曲の世界に嘘が無いように見えました。そこに演技は無いのではないか。だから女優なのか。それまでの3曲で徐々に高まっていったハコムスの琴線の周波数が、『はじまり』で頂点に達し、心でしか聞こえない音が響いてくるのです。そのクライマックスが門前亜里さんの大サビでした。間奏で皆に別れを告げ、ひとり後方で歌う門前さんの、どうしようもなく震えている、不安定といってもよい歌声が、その緊張と覚悟と共に耳に届いてきます。まるで少女の初めての演奏会に立ち会っているようで、バイオリンよりも繊細で、衣擦れすら騒音になりそうな儚さがありました。大切に受け止めなければいけないものがそこにあり、今この瞬間をしっかり胸に刻んでおかなくてはと一瞬も目を離せなかったです。目の前には歌いながらどんどん透きとおっていく門前さんがいて、門前さんの存在が歌に乗って春に溶け込んでいくようで、歌い終わった頃には暖かい光に包まれた誰もいない校庭にいました。もう春はそこなんですね。笑顔で春を迎えられるかな…。


 ライブ後に司会を交えてのトークがあって、そこでは楽屋がうるさいことで定評のあるハコムスの賑やかな感じがよく出ていました。劇団四季風のレッスン号令からの出番前の緊張をほぐす体操をやったハコムスは、そこだけ切り取れば全然箱入りじゃないですね。手足をぶらぶらさせるハコムスみんな可愛い。


 ライブ後の握手会では、特に話すネタを用意せずに行ったら、当たり前というかお久しぶりですねみたいな話に終始してしまい、それでもひとりひとり挨拶出来てホッとしてしまいました。本当、久しぶりに話せたことへの安堵感がやばいのです。初めての一人暮らしでホームシックのところ、母親から電話掛かってきたときのような気持ち。なにそれ。門前亜里さんに3月1日はいなかったですよねと言われましたが、なんでもかんでもハコムス現場に行くわけではないですよ…。でも来てくれるものと思ってくれてるのはうれしい…。


 1週間後、次の日曜日は定期公演です。メンバーが口々に言う大切な発表の控えている定期公演は、来てほしいような来てほしくないような、心待ちでもあり不安でもあります。というか、『はじまり』を見たら不安しかありません。怖い。だから祈る。平穏に静かな決意を受け入れられるように祈ります。アイドルお宝くじで必死に祈るハコムスを思い出して、それと同じぐらい一途に切実に。よい報せでありますように。




追記
 門前亜里さん以外もしっかり見ていたはずなのに、記憶にまったく無いの何故なんだ……。