演劇女子部ミュージカル『Week End Survivor』@池袋シアターグリーンBIG TREE THEATER

 またこの季節がやってきました。春といえば池袋はシアターグリーンハロプロの舞台です。去年は可憐な合唱団で何度も泣きました。あの8人はそれぞれ決めた道を今は突き進んでいます。今年もハロプロ研修生。いや、研修生ではないのかな。ハロプロ研修生から新しくデビューした、こぶしファクトリーのミュージカルです。名前かっこよすぎるよね。何度でも言いたくなるこぶしファクトリー。


(^o^ ∋ )卍ドゥルルル


 ストーリーは、記憶を無くしているがそれぞれ関係のある8人の男子女子が密室に閉じ込められて1人ずつ消されていくもの。ネタばれすると、密室はその中のひとりの女の子の脳内で、その子はいじめられた過去を持っていて、8人は同級生というお話なんですね。多重人格とも違うのかな。夢オチにも似た、結末で実は…的なネタばらしがあり、そういう話によくある救いの無い物語です。救いも無いし、笑いも無い。常々、ハロプロの演劇は客に媚びるように提供されるあまり面白くもないギャグが多く、それに辟易していたのですが、そんなつまらないギャグさえ無い。ここまで笑いが消え去ると逆に恋しくなる始末。


 リリウムのような荘厳さが生み出す美しさも感じられず、ただ陰鬱なだけなので観ていて厳しくなるのですが、ミュージカル部分は見応えありました。そして、僕にとってこの作品ははまちゃんの作品でした。やっぱはまちゃんだわ。はまちゃんのソロ素晴らしかったです。唯一2年連続の出演であるはまちゃんを見ているといろいろ甦ってきます(野村みなみなも一昨年の℃-uteの舞台でシアターグリーンに出ていましたが)。はまちゃんを見ていると、可憐な合唱団も思い出すし、こぶしファクトリーとしてデビューすることを知らされたときの泣き崩れた姿も思い出します。劇中、可憐な合唱団をフラッシュバックさせる台詞があり、ハッとしてしまいました。しかも、その台詞を言ったのがはまちゃん。去年の春を忘れてないんだと思わせる、暗い空間に一筋の光が射し込んだようでした。


 あと、井上玲音さん大好きです。ハロプロらしくないスタイルで、ただ立っているだけだとTPDあたりにいてもおかしくないビジュアルなのに、歌うとやっぱりハロプロというそのギャップが最高です。井上れいれいは劇中で三つ編みをほどくシーンがあるのですが、ほどけて髪がふわりと広がる空気感が素晴らしく、春の匂いが届くようでした。


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 どうしても可憐な合唱団を思い出してしまうダメなオタクだけど、こぶしファクトリーはこぶしファクトリーとして進んでいくんだという決意が感じられたミュージカルでした。可憐な合唱団はハロプロ研修生としてがんばっている出演者とストーリーが重なって、その感情移入が大きな感動となったのですが、今回はこぶしファクトリーと重なるような場面が無かったのが残念(僕が鈍感だっただけなのかな)。


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 毎年のように、シアターグリーンで舞台を観終わると、僕は近くの雑司ヶ谷をぶらぶら散歩します。今年はこぶしファクトリーの勢いある爽やかさと春の空気が混じり合い、とても清々しい気持ちで歩きました。カントリーガールズに押され気味だけど、こぶしファクトリーも期待してますよ。


(^o^ ∋ )卍ドゥルルル