『ソロモンの偽証 前篇・事件』

 もともと観たい映画リストに入っていない作品でしたが、『わたしの星』で素晴らしい演技を見せてくれた西田心さんが出演しているとのことで急遽観に行ってきました。まあ、全員熱演。主役に抜擢された新人の藤野涼子さんの瞳の強さが美しいです。そこまで対極的に描かれているわけではないけど、善が藤野さんだとすると悪として不穏な空気を漂わせているのが石井杏奈さんがとにかくすごかった。いじめられてコンプレックスまみれの女の子を鬼気迫る表情で怪演していました。本当に怖かった。ただ先生が味方になってくれたり、途中から話が上手く運びすぎるのはどうかなと。裁判という人を裁く重大な儀式なのに、なんだか文化祭のような軽さも感じられます。それでもすべてを通じて貫かれているのは藤野さんのまっすぐな視線で、彼女のわからないことを知りたいという真摯な姿勢が空気を引き締めているので、最後まで緊張感が切れることなく観られます。


 話は重く、笑えるわけでもないし、ひたすら熱のこもった演技で引き込ませる力技に、観ているこちらも時間の忘れさせます。前篇終わってすぐにでも後篇観たくなりましたもん。結末が気になりすぎる。早く後篇観ないと。



映画『ソロモンの偽証 前篇・事件』『ソロモンの偽証 後篇・裁判』第2弾予告編 - YouTube