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劇団ハーベスト第9回公演『起死回生スウィングバイ』@下北沢・小劇場B1

惑星探査機「ボイジャー2号」は、木星を探査したあと土星天王星海王星へと飛行しました。はじめに木星の重力圏(じゅうりょくけん)に入ったボイジャーは、木星の重力を利用して軌道(きどう)を変更し、次の土星へ、さらに天王星へと向かう軌道にのりました。このように、惑星の重力を利用して軌道を変更する方法を「スイングバイ」といいます。この航法の特徴は、探査機の進行方向を変えるだけでなく、加速したり減速したりすることができることです。ボイジャーは、地球を出たときは、木星まで行ける速度しかありませんでしたが、スイングバイで加速することによってそれ以上の飛行が可能になりました。


http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/swingby_navigation.html

ある事がきっかけで自分の言葉を飲み込むようになった高校生・春の夢は、女優になること。
春はある日、オーディションで出会った仁夏に誘われ、仁夏の劇団を見学することに。
しかし、その「劇団スターシップ」は、メンバーの脱退、作家のスランプでグラッグラ!
さらに負けたら解散の劇団デスマッチまで申し込まれ、もはや崩壊寸前!?
それにどうやら稽古場の図書館には、言葉好きで不思議なメンバーたちもいるようで・・・。
強がりとごまかしと優しさのメッキをはがしながら、もがいて走り出した彼女たち!
交わせなくって、ぶつかりながらのダイヤローグ&モノローグ!
果たして劇団スターシップは、起死回生できるのか?
そして春は自分の言葉を見つけられるのか?


http://her-best.net/event.html#live-8683


 過去最高傑作です!!!!!


 そう断言出来るほど素晴らしく、私はこの作品が大好きです!!!!!


 公演名は『起死回生スウィングバイ』。どこかへ力一杯放り投げられるような遠心力、あるいは求心力のあるタイトルが名付けられた本公演は、主演こそ青山美郷さんだが、ステージの全員がスウィングバイして未来へ飛び出していく公演だった。プロデューサーの山本萌花さんらしい非常に疾走感のある舞台。山本さんに後悔は似合わないよね。


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 言葉を飲み込みがちな主人公春は偶然オーディションで会った山本萌花さん演じる仁夏に誘われ小さな劇団に迷い込む。そこから始まるドタバタストーリー。図書館の本から飛び出た本の神様? 妖精? 妖怪? に助けられて本当の自分の言葉を吐き出す春。心から言いたい言葉を口にすると降ってくる言の葉。考えるよりも早く行動する仁夏と振り回される面々。離ればなれになりそうな劇団はひとつにまとまれるのか。


 人が言葉で引き合い、スウィングバイしていく。その遊泳感が素晴らしい。


 古典名著を彷徨い、言葉の海を泳ぎながら春の成長を見つめていくストーリーは、とても他人の話のようには思えず、それは私のための話だった。主人公の春ではないけれど、私も小さい頃から今に至るまで言葉を飲み込みがちな性格なので春の気持ちがすごくわかるし、そうやって自分を解き放つことの出来た春を頼って自分もスウィングバイさせられた。


 全員素晴らしかった。公演アンケートで初めて全員良かったと書いたよ。しかし中でも青山美郷さんと山本萌花さんが素晴らしかった。この二人の引力が劇団ハーベストを果てのない宇宙へとスウィングバイしているように思う。青山さんの静かな、それでいて何か得体の知れないものを秘めている星雲のような佇まい、山本さんの生まれたばかりの星のような熱く燃えさかる気合い、この二者が引き合うことで遠くよりもさらに遠くへと跳躍していく途方もなさが感じられた。


 最後、密に密に空間を満たしていくかの如く放たれる言葉の数々は、耳よりも全身で受け止めねばならず、しかもそれは受け止めようにも吹き飛ばされるほどの強さがあった。


 冷静になるととても小劇場っぽさがある作品だった。物語の中心に劇団があることも関係あるのか、青山さんの衣装なども小劇場の作品らしさがあったし、いかにも演劇らしい台詞回しなどこれまで以上に小劇場っぽさがあった。それは劇団ハーベストが進む道を暗示しているように思えたのは思考の早とちりだろうか。今回の作品は役が主に20代前半(妖怪は数えない)。大学を出てどうするかとか、夢と現実の折り合いをどうつけるか、ストーリーの中に将来についての不安をかなり織り交ぜていて、それはつまり劇団ハーベストとしての将来も不安なのかなと考えてしまった(考えすぎです)。当たり前だけど不安だよね。学生なりなんなり守られた年代の外に出たとき、私達はどう進むべきなのか。迷いつつもそれに一筋の希望を与えようとしていたのが本作であると思う。そこでプロデューサー山本萌花さんの勢いの良さが活かされていたように感じた。山本さんが本公演のテーマに掲げた『青い炎』。その熱さが皆を遠くへスウィングバイさせていた。


 以下、ストーリーの流れに沿っているようで順不同な感想。

  • ステージは正方形で、その2辺に面して客席がある。なので厳密な正面というのが無い。
  • 青山美郷さん演じる主人公の春の衣装が小劇場っぽい。小劇場っぽいというのも上手く説明出来ないけど。小劇場っぽいというか演劇っぽい??
  • 劇団ハーベスト最年長の青山さんが最年少を演じるというプロデューサー山本萌花さんの配役の素晴らしさよ。
  • 開演時のステージには言葉が上から吊られていて、赤黒大小の文字からなるその言葉達も演劇っぽさがあった。
  • 全員で姿勢を低くして走るシーンの足が床をすうーっと滑る音を聞いて舞台を観てるんだ! という臨場感があった。
  • 劇中内劇団である劇団スターシップの脚本家千佳、演じる松永ミチルさんがベージュのタイトスカートにボーダーシャツ、カールを効かせたちょっと長めのボブにお洒落よりも知的さを感じさせる眼鏡と、完璧にコーディネートされていて、さすが松永ミチルさんだなと。松永さんのコーディネート大好きだよ。自前コーディネートでの松永さんのポートレート撮りたさがある。あと今回のパンフレットもすごく良かった。裏表紙はUnionオマージュですよね?
  • ミラクル8からの松永さんの脚本家キャラは定着したのかな。
  • 望月瑠菜さんの役も合コン行ったりと、そういうキャラを演じがちですよね。
  • 台詞にも出てきた珉亭に千秋楽が終わってから行こうとしたら満席だったよ残念。
  • 突然の本能寺の変にびっくりしたけど(ここで本能寺の変と書いているときでさえその唐突さにびっくりする)、その驚きを超えて高橋紗良さんの織田信長に笑ってしまった。目をかっぴらいた織田信長最高でしょ。
  • 演技に酔う川畑光瑠さんは演劇あるあるということなのかな。
  • スターシップの劇団員を巻き込んでの妖怪達の殺陣の、もうぐちゃぐちゃでわけわかんない感じ最高だった。
  • 劇団と妖怪の両方の接点である天野(客演の吉村京太さん)の立ち回りが本当素晴らしい。
  • 本の妖怪ではなくて図書分類の妖怪なのね。図書館の背表紙に貼ってある番号のシールみたいなのが妖怪の背中にある。
  • おっさんという命名の身も蓋もなさ。
  • 何度でも言いたくなるジョバちゃんの語感。
  • ブンガクはたまにYOSHIKIになる。PSYCHEDELIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK
  • いろいろなシーン、演技の節々に、過去の作品の影を見出してしまい、そこに今の成長を実感して、こうやって素晴らしい作品となっていることに見続けてきた幸福を感じる。
  • 劇団スターシップを辞めた咲。咲の劇団脱退はまだ保留しているつもりの仁夏が、春について咲に似ているから放っておけなくて劇団に誘ったと言っているのはやはり既に諦めているよね。
  • 客演の小野木里奈さん演じる咲と新メンバーの葛岡有さん井上結愛さんが劇団デスマッチを申し込むライバル劇団である劇団リリカルハンターのメンバー。よし、言葉狩りだ!
  • 新メンバーの葛岡さん堂々としてると思ったら元アイドルなのね。
  • 思い出してみたら、冬の特別公演千秋楽も行ってないし、5周年記念イベントも行ってないので新メンバー初見だったわ。
  • 劇団デスマッチは負けたほうが劇団を解散させなければいけないルール。相手は人気劇団で勝ち目は無さそうなのになんとかなるっしょと楽観的なところがいかにも山本さんプロデュース作品らしい。
  • この作品では山本さんがいつも以上に山本さんらしかった。山本さんが山本さんを演じているようにさえ思えた。
  • 妖怪達と会話しているときや本について話しているときの春のいきいきとしている表情が良い。
  • ブンガクとのロミジュリの完璧な演技に、だからこそ春は演劇未経験なのに時代劇版ロミジュリのオーディションに応募したのね。
  • 裏設定としてちゃんと時代劇版ロミジュリも作り込んであるはず。どこかで見たい。
  • 弓木菜生さんの演技にときたまハッとする瞬間がある。今作ではカムという妖怪役だが、弓木さんは非現実の存在を演じるのが上手そうというかこれは褒め言葉になってないかも。
  • おっさんが肩に青い鳥を乗せているのをかなり引っ張ってからネタにするの笑えた。
  • 布施日花梨さん演じる先生がダンスレッスンを開いているときのブンガクのやる気の無さが最高。
  • 加藤梨里香さんの歌が素晴らしすぎた。下北沢の地下が帝国劇場に早変わり。これが大女優だと圧倒してくる歌。合わせる布施ちゃんのダンスもその柔らかさが良かった。
  • 銀河鉄道の夜』のジョバンニとカムパネルラが仁夏と咲の関係と対応するということなのかな。
  • 春と仁夏の物語のようで、咲と仁夏の物語でもある。
  • 自分本位なところの多い妖怪の中にあって、ジョバちゃんはジョバンニに感情移入しているのが感情豊かな宮武佳央さんらしくて良かった。
  • 結構みんな当て書きですよね。
  • 弓木さんの「ジョバちゃん」という呼び方に愛おしさしか感じない。
  • 自分の本心が出た言葉を発すると降ってくる言の葉。最初言の葉が見えない人もいたということは降らした人にしか見えないということなのかな。
  • 妖怪達に助けられて自分の言葉を探す春。しかし妖怪のおっさんはニーチェフロイトなどの他人の名言ばかり引用する面白さ。図書館の妖怪だからね。
  • 春が下北沢駅から劇場までの道を早口で言うのが、ただ道順を言うだけなのに不思議な感動があった。
  • 春のガラの悪い言い掛かりが静かに狂気を含んでそうな青山さんらしさがあって最高。
  • 馬鹿馬鹿言い合って、最後に春がワンテンポ遅れて馬鹿って言うのが愛おしい。もうみんな涙〜
  • 仁夏を除く劇団スターシップ4人で本音で話し合った後にひょっこり仁夏がやってきて、春が「今いい感じだったのに!」と捲したてるのが、その場面で既に泣いてはいたけれど完全に泣きに持っていかなくて泣き笑いのように仕立てあげてたのが素晴らしかった。
  • 山本さんを相手に青山加藤望月松永さんが並んで対峙しているフォーメーションが今の劇団ハーベストの中心となる存在を表現しているようで、今はそこに望月さん松永さんも加わっていていることが成長だよね。
  • ステージの2辺の客席の真ん中の角に演者が立って意識的に背中を向けて演技していることが多くて、その見えない表情を想像しながら見るのが面白かった。
  • 新メンバー2人にも見せ場あったー。言の葉降ってきたー
  • 後唐突に劇中劇が始まるけど、難なく状況が理解出来てしまうのはそれまでの話の運び方が上手かったからだろうなと思う。
  • 主に『走れメロス』と『竹取物語』が下敷きになってるのかな。
  • かぐや姫役の山本さんマジでキュートなんですが。可愛くしようとするときの山本さんマジで可愛い。今回はウザさ成分少なめ。
  • 巫女さん的な衣装にはこれまで興味ないなと思ってたけど、かぐや姫イメージな衣装の山本加藤望月さんマジでキュートなんですが。
  • 近くで見てないからわからないけど、衣装の生地が薄い感じで、その透明感が好きだったのかもしれない。
  • 翁みたいなたかさらは一体誰なんだ。
  • 長刀を逆手で持ってひた走る加藤さんかっこよすぎ。
  • いやでも望月さんもただ走ってるだけで凛々しすぎでしょ。
  • 登場の仕方が超ガーリーでハートがキュンキュンにデコられてそうな山本かぐや姫も走る姿はかっこいい。
  • 女傑感たっぷりでイメージ通りの悪役な布施ちゃんの妖艶さが最高。
  • 山本加藤望月 対 布施松永川畑 の殺陣がクライマックス(だと思ってた)。
  • 殺陣がやばいくらいかっこいい。
  • 狭いステージで殺陣を繰り広げるから後ろの席でも迫力あった。
  • 加藤さんと望月さんの太刀捌きかっこよかった!! そのかっこよさを引き出していた松永さん川畑さんの悪役も素晴らしい。
  • 加藤さんの刀を持ちながら側転最高でしょ。
  • 山本かぐや姫が二刀流で戦うの最高でしょ。
  • 山本かぐや姫の二刀流が舞いのようだった。
  • 満を持して布施ちゃんが襲いかかるの最高でしょ。
  • 山本かぐや姫のピンチに宮武さんが銃を持って出てきたときの世界観がぎゅいんと歪んだ感じ、『トレインマジック』での常磐線のVを思い出してしまった。これだけかっこいい殺陣を見せつけておいて最強の武器が銃なの最高でしょ。
  • 萩尾望都的というか古いSF少女漫画の雰囲気をすごく感じた。竹取物語自体そうか。
  • 月が舞台だと思ってたけど実際どこなんでしょうね。
  • たかさら翁がいるってことは地球なのか!?
  • 「帰りも走れ〜」最高〜
  • 山本かぐや姫が春と向き合って話しながら実は春を通して咲と話しているような演出素晴らしかった。
  • 「劇団名決めたときのこと覚えてる?」と懐かしむように言う仁夏の言葉に『わたしの星』のナナホとスピカを思い出してしまい、それはもううわーっという感覚になった。
  • 仁夏「星に手が届きそう!」のいかにも演劇らしさがこれは高度なギャグなのかと不安になるよりも速くエモさ爆発。こういうのに自分は弱い。
  • 劇団が舞台のストーリーだから当然だけど、とても演劇っぽかった。演劇っぽいというのは否定的に使われがちだけど、今作ではその演劇っぽさによってメッセージがすごく強さを持って伝わってきた。だから演劇は演劇っぽくなるのか??
  • 殺陣がクライマックスだと思ってたけど最後の最後が本当のクライマックスだった。
  • 最後の言葉、かっこよすぎて涙が止まらなかった。
  • 「一億光年の旅に出よう」「さようなら」「ありがとう」、これぐらいしか覚えてない。最後のあの部分の台詞だけ教えてください><
  • 視線をひたと動かさずに放たれる言葉の強さよ。
  • 特に舞台の中心で言葉を放つ青山さんの存在感に圧倒された。春が成長したんだ!
  • 最後最高最後最高最後最高!!!!!
  • 言葉の宇宙へ吹き飛ばされる!!!!
  • 広瀬咲楽さんの歌は、広瀬さんの演技の記憶と歌声のイメージが一致しなくて不思議な感じになるのが面白かった。音源化希望だよ。
  • 千秋楽最後の挨拶で、これが初めての舞台だった井上結愛さんはそりゃ泣いちゃうよね。


 こういう感想って役名と演者名のどちらで書けばよいか迷いますね。唯一残念だったのが、私は2回観たけど2回ともほぼ同じポジションからの観劇になってしまったこと。いろんな方向から観たかった。当日券とSMA最速先行でほとんど席が変わらないってどういうことよ(泣)。


 本当に全員がかっこよくて演劇に対して真摯で、この劇団の4年が超新星のように詰まっていながら、ひたと前を向いて走っている作品だった。春という季節、新しくスタートラインに立つに相応しい季節にこのような背中を押してくれる作品と出会えて感謝してる。素晴らしい公演をありがとう!!!

ハコイリ♡ムスメ『Season in the BOX~ムスメたちが駆け抜けた季節~』春休みスペシャル企画『鉄子の部屋』@AKIBAカルチャーズ劇場(20160322)

 いやー、激動でしたね……。


 2日前の珠希さん卒業公演で初めて新メンバー4人の顔と名前が紹介された。新メンバー最年少の10歳という響きに紹介しているメンバーでさえ酔いしれていて、それはもちろん珠希さん卒業公演における興奮もいくらか含まれていたが、今のハコムスを変化させるであろう新メンバーに対する期待みたいなのがあった。


 翌日にその新メンバーのひとりの樋井紅陽さんの過去が暴露されて、そのまた翌日である平日定期公演当日の昼に樋井さんのハコムス加入取り消しが発表された。あれは疑いとかそういうことなく明らかにダメだったね。事務所ちゃんとチェックしよー。


 そんな騒動が持ち上がって間を置かずに公演があるということでハコムスも大変だったと思う。しかも公演内容が新メンバーの紹介トークショーということで、4人が3人になり慌ただしくないわけがない。開演前にマネージャーから今回の新メンバーに関する報告と謝罪があり、場内が静まったところで公演開始。勢いよく出てきたメンバーの声にとてもホッとしたのを覚えている。


 しかしびっくりしたことに鉄戸美桜さんが大怪我をしていた。なんでも道路で転んだとかで、首に湿布をたくさん貼って、体を動かすのすら辛い模様。今回の公演は「鉄子の部屋」と題されていて鉄戸さんが司会のトークなので、鉄戸さんがいないと始まらない。だから無理してでも出てきたのだと思う。じゃなかったら絶対安静でないといけないような状態だったし。それとやはり騒動のこともあるのだと思う。鉄戸さんは責任感が強いから、この状況でリーダーの自分が欠けてはいけないとの気持ちの強さからステージに立っていたはずだ。


 内容としては新メンバーに事前に質問シートに回答してもらって、それを参照しながらのトークとなった。鉄戸さんは鉄子ということで黒柳徹子風のかつらをかぶり、もちろん頭からは飴ちゃんが出てきて神岡実希さんとても嘘くさく大喜び。トークは困ったら小松もかさんに振って、お馬鹿ないじられキャラとして盛り上げていたので小松さんグッジョブだったよ。最後に新メンバーからハコムスのライブを見たいとせがまれ、ソファーに新メンバーと怪我で動けない鉄戸さんの4人でちょこんと座ってステージ後方から見る感じでライブスタート。

  1. 君の歌、僕の歌
  2. 夏色キッス
  3. 真赤な自転車


 新メンバーへのサービスでメンバーも後ろをよく振り向いていて、ライブ終わった後には鉄戸さんがメンバーの濃厚なレスがすごかったと言って、それは言っちゃいけないよねー。レス云々言ってしまうと鉄戸さん自身もその呪縛に囚われてしまうよ。


 最後の挨拶において、鉄戸美桜さんが今日ここで皆様の顔を見れたことがうれしいと言い、あ、これ泣くなと思ったらすぐに涙声になって、大変なことになったけどここから強いハコムスを皆様にお見せしたいと力強く述べて、それがとても頼もしかった。あんなことがあった直後にステージに立つのは不安だよね。私も珠希さん卒業と今回の事態で離れかけていた心がその言葉で一気に引き戻されたようで、普段は秘めていても稀に輝きを爆発させる鉄戸さんの想いの強さに感動した。このような鉄戸さんの想いに出会うと、やっぱりこれからも応援していこうという気持ちになるし、好きという気持ちも強くなる。だけれど、それはやはり現場でしか受け取れないメッセージなのだ。現場でしかというか、それでも来てくれるファンに対してのメッセージでしかない。それでも私はその言葉を聞いたことで行ってよかったなと思ったし、なんとか未来に希望が持てた。そもそもが運営の一人相撲の騒動だし(あれは遅かれ早かれ絶対バレる)、それに巻き込まれたメンバーも不憫だし、この事態に立ち向かう鉄戸さんと現メンバーの想いの強さも現場以外に届かず、取り巻く状況に対して非力なのが悲しい。これはもう本当に仕方のないことだけど。なんとか逆境に負けないでほしい。


 あれやこれやあったけど、鉄戸美桜さんの誕生日2日前ということで鉄戸さんの誕生日のお祝いもした。心身ともに大変だと思うのに、遅くまで特典会で残って優しく接してくれて、本当にこの日は鉄戸さんの日だった。すべてが終わった後にロビーに飾ってあるスタンド花の前で鉄戸さんがファン一同と集合写真を撮ったのだけど、あいにくそのとき自分は外にいて、ふらっとロビーに戻ったらちょうど集合写真を撮り終わったところで、しかし鉄戸さんが入り口にいる自分を見つけて◯◯さんも撮りましょうと、再度集合写真を撮ってくれたの、その優しさが本当にうれしかったよ。いつも鉄戸さんは優しいけど、この日はいつも以上に鉄戸さんが優しかった。鉄戸さんありがとう。


 本当に行ってよかった。今のハコムスの気持ちを受け取ることが出来て、同じ方向を向かって歩んでいくスタートラインに立てたような気がした。大変だけれども歩みを止めないでほしい。信じてる。






ハコイリ♡ムスメ『ハコイリ♡ムスメの定期便3月号~君がくれた、かけがえのないもの~』@AKIBAカルチャーズ劇場(20160320)

 珠希さんありがとう!! 珠希さん最高だったよ!!


 ハコイリ♡ムスメ内山珠希卒業公演、これ以上ないほど最高の公演でした。こんなに派手にやれば珠希さんも悔いはないでしょう。最高すぎた。


 ハコイリ♡ムスメは80年代90年代のアイドルソングをカバーし、癒やしと安らぎ、そしてときめきを届ける女優志望の女の子7人からなるアイドルグループ。最近はオリジナル曲も歌うようになってきて、カバーで培ってきたハコムスの世界観が今はオリジナル曲によってさらに穏やかに広がりを見せている。そんな中でメンバー唯一明らかに異なる光を放っていたのが内山珠希さんだ。派手で明るくて、年頃の女の子が持ちがちな鬱屈とした重みをまったく感じさせない女の子。それが品行方正清純潔白なアイドルグループであるところのハコムスで活動するというのだから、それはもう最初から不思議な感じだった。


 一応珠希さんについてはハコムスに入る前から知っていて、それは芸能事務所に所属しているのに派手に遊んでいる中学生の女の子ということで自分の観測範囲に入ってきただけで、まさかその子がアイドル、それも清純派アイドルになるとは夢にも思っていなかった。そんなわけで珠希さんの奔放さはわかっていたので、最初から折り目正しい制服に心をキュッと押し込めているような窮屈感は否めなかった。


 しかし、しかし?、実際に握手会などで話してみると想像していたキャラクターよりも接しやすい雰囲気で、珠希さんとの握手会はいつも楽しかった。所謂ギャルなのに、というやつだ。気楽に話せるし、その裏表ない性格にいつも笑わされた。そして思ってたよりも純情だったのが意外だった。よく珠希さんは「次来る?」と聞いてきて、話すことがないだけなのかこちらの話がつまらないのかそれとも本当に不安なのかわからないけれど、その心配っぷりが面白かった。こいついつも来るなと最近やっと思われるようになってきたのか、そういうことも言われなくなってきたと思ったら卒業となり、本当に寂しい。


 自分にとって珠希さん好きだなと思い始めたきっかけが、2014秋の公演で『日曜はダメよ』を歌ったことだ。このときの珠希さんの可愛く歌おうという努力がすごく可愛かった。もちろん歌声もいいのだけど、それよりも可愛い曲には可愛い雰囲気で、という珠希さんの曲に対する姿勢に惚れてしまい、そこで好きに傾いたのだと思う。


 いつだってハコムスのお嬢様イメージからちょっぴり飛び出ていて、そのおかげでハコムスに画一的でない彩りを与えてくれていた珠希さんがいよいよ本気を出したのが去年の夏。珠希さん自らが言い出した自身のキャッチフレーズ「Love Peace World」は、はじめこそネタっぽかったけどいつの間にか定着していた。そのLPWをテーマに掲げ、夏のオリジナル曲『夏に急かされて』でセンターを任された珠希さんは、完全に夏を味方につけて暑い日々のステージを走り抜けた。TIFは最高の最高だったよ。スカイステージはまさしく珠希さんのためのステージで、夏の風に髪をなびかせながら堂々とセンターで歌う珠希さんがかっこよすぎて、門前亜里さんがいなくなった不安など消し飛んで、もう夏と心中したいぐらいの気分にさせられた。


 大活躍した夏から季節は変わり、秋、そして冬になり、リリイベが始まった。珠希さんはリリイベツアーも皆勤して、他のメンバーが休んだ穴をいつも埋めてくれていた。珠希さんの歌がなかったらリリイベは大変なことになっていたと思う。夏じゃない季節となっても珠希さんは頑張りを見せていて、それだから珠希さんが辞めるとは思ってなかった。本当に寝耳に水だった。最後のリリイベで珠希さんはハコムスを辞めて芸能活動事態からも退くことを発表した。そのときの珠希さんはとてもしっかりした言葉で自身の気持ちが込められていて、それは意外にもというかすうっと理解できた。


 びっくりすると同時にやっぱりかという思いもあったのは事実だ。だって自由奔放な珠希さんだもの。ハコムスは窮屈だったに違いない。


 門前亜里さんのときもそうだったが、誰であれ別れる直前というのは輝いてみえる。言葉に出来なかったもの、今まで秘かに思っていても感情の表面にまで浮かんでこなかった小さな気持ちが、あと少しで別れる寂しさも含んだ美しさを前にして、静かに浮かんでくる。珠希さんの卒業公演をソールドアウトにするためにメンバーが動画をアップしたりして、そういう感傷に拍車をかける。


 ふと立ち止まると切なくなるけれど、珠希さんが盛り上がる公演になると予告してるし、珠希さんが言うならそれは夏の太陽よりも間違いないので、当日はあまりしんみりした気分にならずに迎えた。私は180番台と、過去カルチャーズ劇場での整理番号でいちばん大きい番号。ハコムス初めてのチケット完売だそうで、珠希さんが2016年の目標としていたカルチャーズ満席を最後の最後に達成出来て本当にめでたいことだ。何故か前方柱の外側にも椅子席が作られていたので、こんな遅い番号にもかかわらず下手2列目柱外を確保。つまり、だいたいいつものポジションですよ。

  1. 微笑みと春のワンピース
  2. 約束のポニーテール
  3. baby blue
  4. 夏色キッス
  5. レモンドロップ
  6. Be My Diamond!
  7. なかよし
  8. じゃあね
  9. シャナナ(EN1)
  10. 海へ行こう 〜Love Beach Love〜(EN2)
  11. 夏に急かされて(EN3)


 2015年夏のOP映像の後に登場したのは夏の白い衣装を着たハコムス。そう、珠希さんといえば夏だし、その珠希さんの卒業公演なのだから夏衣装は必然なのだ。


 春を迎えるに相応しい『微笑みと春のワンピース』から、珠希さんの歌声が素敵な『約束のポニーテール』を最後に再び聴けたことがうれしい。珠希さんはかっこいい系の歌も好きだが、可愛くあろうとするときの女優らしさが私は大好きだ。その後の自己紹介で珠希さんは将来美容関係に進みたいと以前言っていたけれど、今は他にもいろいろなことに挑戦したくて迷っていると前言撤回みたいなことを言って笑わせてくれるし、始まりからして笑顔たくさんなのが珠希さんらしい。


 続く3曲は珠希さんセレクト。珠希さんがソロでも歌った『baby blue』は1列で歩きながら歌うシーンが大好きで、バスツアーで歌ったのが記憶に残っている。希望を感じさせる歌が珠希さんの未来を明るく照らしているようでとても良かった。『夏色キッス』と『レモンドロップ』は、もうこの時点でクライマックスになってしまったような感情の高まりに陥ってしまい、抗っても涙が込み上げてくる。珠希さんは涙脆い。よく泣く。初めて涙を見たのは新人公演千秋楽で、そのときも『レモンドロップ』を涙まじりで歌っていた。そういういろいろなことを思い出す。


 『Be My Diamond!』も珠希さんの歌が光る曲。そしてここで『なかよし』を持ってくるかという驚き。ハコムスの団結力、性格がバラバラのメンバーがひとつになって前へ進もうとするときの感動に溢れている『なかよし』をこのタイミングで歌うなんて早すぎだと思ってしまった。公演当日に『なかよし』MVが公開され、それもとても素晴らしいMVだった。今はいない門前亜里さんもたくさん写っていて、ハコムスの愛がたくさん詰まったMVは、珠希さん卒業への残り少ない時間を否が応でも高まらせてくれた。


www.youtube.com


 最後の曲の前にメンバーからお手紙を読んだのだけど、皆泣いている以上に笑えて、小松もかさんの第一声が「こんにちは」なのが最高すぎたよ。小松さんの距離感は誰に対しても不思議なんだね。私もこの日初めて珠希さんに手紙を書いてきたのだけど、メンバーがそれぞれ気持ちを込めたお手紙を聞いていると、自分のなんかどうしようもないつまらないものだなと凹んでしまった。阿部かれんさんが手紙を読み終わって抱きついて、それがいかにもぎこちないなと思ったら、初めて珠希さんに抱きついたとのことで、やっぱりハコムスのその距離感が最高だよなとすごく笑えた。


 最後は劇団ハコムスで『じゃあね』。明るく朗らかな終わり方だ。


 ずっとクライマックスのような公演だった。どの曲も公演の最後に相応しいような曲ばかりで、歌い終わる毎にありがとうと大きな拍手で珠希さんを送り出したい気分になった。


 しかし。会場の誰もがわかっていたはず。そう、珠希さんのいちばん好きな曲が歌われていないことを。


 訪れたアンコール。波の音が聞こえてきて、出てきたのはホットパンツに"LPW"Tシャツのハコムスの皆さん。しかし珠希さんがいない。珠希さん不在のままイントロが鳴り始めて、ハコムスが出てきた側と反対側から珠希さんが歌いながら登場。白を基調に色とりどりの花をあしらったワンピース、頭には大きな花冠、極めつけは『夏に急かされて』のMVでも使われた珠希さん私物のティアドロップサングラスと、登場した瞬間に大爆笑ですよ。珠希さん浮かれすぎ最高!!!!!!!


 MINMIの『シャナナ』を歌い、もちろんタオルを振り回します。まさかお淑やかなハコムスのライブでソカが聴けるとは思わなかった。大盛り上がり。ハコムスらしさよりも珠希さんらしさが勝った大爆笑のライブ。大サビの珠希さんに至ってはメンバー全員、私ももちろんケチャしますよ。珠希さんかっこいいよー。珠希さんだけでなくみんなかっこいい。やっぱりTシャツ&ホットパンツ最高。ホットパンツから伸びる阿部かれんさんのお御足の素晴らしさよ。Tシャツの裾を縛っている小松もかさんなど踊っている最中にチラリチラリとお腹が見えて最高だし、神岡実希さんの浮かれている表情なども最高だ。


 続いての『海へ行こう』も、最初の「海へ行こう!」の掛け声から間を置かずのイントロにもう完全に涙腺が弱くなってしまった。最高ーーー。珠希さんに出会えてよかったよ。泣きそうなのにすごい楽しくて、切なさを超える速さで笑顔にしてくれるハコムスに感謝。最高すぎるから、この曲だってケチャしちゃうよね。


 珠希さんはアンコールが楽しみすぎて、本編ではあまり泣けなかったと告白していたけど、それもそうでしょう。これこそ珠希さんがやりたかったライブなのだから。アンコールが本編、前座が1時間半という定期便3月号珠希さん卒業公演でした。あまりに突き抜けすぎていて、しんみりさせにきた劇団ハコムスが蛇足に思えるほど。やっぱり珠希さんは浮かれていなきゃ。アンコールになってやっと神岡実希さんとの唐揚げ戦争が和解するなど、卒業公演にするべきことのすべてがアンコールに詰まっていた。本当に本編はなんだったんだという気持ち。ステージに出てきた大量の唐揚げを前にして、最近は唐揚げよりも焼き肉が好きとあっけらかんと言い放つ珠希さんの空気を読まない感じも珠希さんらしくて最高の最高だよ。


 最後は当然珠希さんのセンター曲『夏に急かされて』。歌うことが快感すぎてカラオケボックスにいるような感じになってる珠希さんにつられて他のメンバーもすごくよい笑顔だし、もちろん私も笑顔で、そんな笑顔に溢れた公演で最後の曲が『夏に急かされて』とくれば最高に決まってる。珠希さんのセンター、力強い歌声、すべてがかっこよかった。大サビ前の珠希さんの決め台詞である「Love Peace World」は、去年の7月に初めて聞いて、そのときは大爆笑だったけどこれが本当に最後の聞き納め。LPWを言う前に私を見たのは気のせいだったかな。かっこつけた決めポーズで「Love Peace World」と言い放ち、曲が再スタートとするかと思いきや上手に移動して「Love Peace World」、下手に移動して「Love Peace World」、客席に降りてきてカルチャーズ劇場の中心で最後の「Love Peace World」と計4回の「Love Peace World」と珠希さんLPW祭り。みんな大爆笑だよ。珠希さんやりきったね。


 最高に最高で最高な卒業公演だった。珠希さんありがとう。こんな笑顔でいっぱいの卒業はこれまで見たきたアイドルで初めてだよ。とても珠希さんに似合っていた。


 普通の女の子に戻った珠希さんがいったいどんな道に進むのかわからないけれど遠くから応援してるよ。こんな最高な時間忘れるわけがない。珠希さんハコムス卒業おめでとうございます。そしてありがとう!!!






www.youtube.com