ハコイリ♡ムスメ『ハコイリ♡ムスメの定期便2月号~君に、一番伝えたいこと~』@AKIBAカルチャーズ劇場(20160221)

 2月の定期公演です。タイトルは『君に、一番伝えたいこと』。果たして何を伝えたいのか。阿部かれんさんが前日にインフルエンザに罹るという突然の窮地にハラハラしつつも公演は定時でスタート。今回はポイントで整理番号優先権を行使したので最前センター。久しぶりの最高シートでドキドキです。

  1. 少女時代
  2. ゆっくりと好き
  3. 深呼吸して
  4. テンダーレイン
  5. 落ち葉のクレッシェンド
  6. じゃあね
  7. ロマンスは偶然のしわざ
  8. 約束のポニーテール


 すべてがめくるめく間に進んでいって、気付いたら最後の『約束のポニーテール』だった……。というぐらいのあっという間の至福の時間。


 ユニット曲が始まると去年の秋の始まりを思い出す。冬ほど冷たくない、秋の太陽のオレンジ色がステージを染めて、なんだか懐かしさを感じた。冬はリリイベをたくさんやって濃厚な時間の連続だったから、数ヶ月前の秋がとても遠く感じられたのかもしれない。


 『深呼吸して』は小松もかさんの歌はもちろん良いのだけど、珠希さんぽにょのハモりが優しくて私は好き。我の強い2人がドジっ子もかちゃんを後ろから支えるというのが頼もしいよ。そしてこのときのぽにょの表情が最高可愛い。ぽにょ無限ループ再生したい。


 阿部ちゃんがお休みということで『テンダーレイン』は鉄戸美桜さんのソロでした。鉄戸さんさいこー。鉄戸さんの歌声が曲の雰囲気ととても合っていて、羽毛のように耳に心地良い。メロディーに乗って歌っているのにそれは耳元で語りかけてくるような、寝る前に聴きたい優しさがあった。声を延ばすときの余韻というか、空気から消え入る瞬間の歌声の儚さがとても美しくて聴き惚れてしまう。鉄戸さんのソロコン希望だよー。


 3曲目はやっぱり神岡実希さんの歌声好きだなということを実感。ボイトレして声に芯の強さが出てきても失われない純朴な声質が大好き。菅沼もにかさんもそうだけど、みんなボイトレで歌は上手くなっても、それによってそれぞれの歌声の良さが失われることになっていないのが良い。


 3曲とも聴く人の側に寄り添うような、癒しと安らぎを届けるハコムスのグループイメージそのものを体現していた。こういうハコムスが大好きなんだ。争いの無い世界でハコムスの歌だけを聴いていたい。


 続いて劇団ハコムス。女優志望のアイドルグループであるハコムスだからこその演目が歌と劇を融合させた劇団ハコムスです。曲の世界観に合わせたお芝居からのライブは、ただ歌うよりも曲の世界がより深く鮮やかに描き出される。久しくその劇団ハコムスをやっていなかったが、3月の内山珠希さん卒業を前にしてやっと再始動した。もちろん珠希さんが主演。完全に当て書きされた脚本で、珠希さんは劇の中でも学校を辞める。その別れの物語。演じている本人に重なる台詞が多々あるので、感情移入せざるを得ない。いつも感情豊かな鉄戸さんがここでも珠希さんより感情多過な高まりで涙を零して、これは3月は大変なことになりそうな予感。鉄戸さんが昂るのは良い舞台の証です。わかりやすいお話で、これなら稽古少なくてもよさそうなんて邪推もしちゃいますが、これをどうやって3月までに仕上げてくるか楽しみだ。


 劇からのカバー新曲は『じゃあね』ということで、おニャン子クラブのこの曲を私は知らなかったのにメンバーは知っているそうでびっくりだよ。有名なのか。別れの曲なのに明るく晴れやかで、珠希さんを送り出すのにとても相応しい曲。珠希さんには涙よりも笑顔ですよね。センターで歌う珠希さんが良い表情で、あともう少しで離ればなれになるなんて信じられない。


 最後は『約束のポニーテール』。大好きで大好きな曲なので、歌ってくれて本当にうれしかった。離れていく人を想い、再会を誓う純情な心がメロディーをさらに美しく奏でて、「目印はリボン」と歌うぽにょの頼もしい歌声は私に約束を忘れさせないほど強く響いてきた。この曲でのポニーテールを揺らしながらサビを歌う阿部かれんさんが大好きなので欠席で悲しい。しかしどの方向を見ても彼女達の優しい表情に溢れているので、すべてが幸せな瞬間。最後センターで広げた両手を胸の前で合わせて慈しむような鉄戸さんがとても愛おしい。伏せる瞳に込められた想い、零れる祈りの光に、私まで祈る。初めて歌う神岡実希さんは間違えちゃったと申し訳なさそうに言っていたが、自分の思い入れによる情景美化によって全然気付かなかったよ。


 素晴らしい公演だった。最前センターで見れば何だって素晴らしいのはもちろんだけどね。しかし去年の秋から歌い続けてきた曲達は皆も歌い慣れてきて、冬の寒さで凝縮された温かみに満ちていた。やはり私は冬のハコムスが好きだ。静まった世界に降り積もる愛と、ダイヤモンドダストよりもきらめく瞳。疲れてやるせなくなることばかりの日常で、この時間が何よりの癒し。ありがとう。

ハコイリ♡ムスメ『Season in the BOX~ムスメたちが駆け抜けた季節~』@AKIBAカルチャーズ劇場(20160216)

 メンバープロデュース公演。女の子の恋の行方をメンバーなりに表現した公演だった。片想いから両想い、そして別れ、と最後は悲しいお話となるが、それを季節に沿った選曲で歌っていった。


 メンバープロデュースということで、衣装もこの日は自分達で選んだデートの勝負服で、それぞれ私服。阿部かれんさんは活発そうなコーディネートで、リリイベのリハで見る私服のような落ち着いた感じが大好きだったので少し残念。本人はOL感を無くしたいと言っていたが、あの大人びた雰囲気が私は大好きなので、そちらで勝負してほしかったなー。今の阿部ちゃんなら初期のvikkaの松井愛莉さんと並んでページを飾れますよ。そのぐらいのポテンシャルを持っていると思う。神岡実希さんはパパに選んでもらったという、男性は清楚が好きだからと完全に理解した上でのコーディネートが素敵だった。ちゃんとわかってる神岡さん好きよー。ぽにょはアクティブなコーデで、そのままサンリオピューロランドにデートに行ける感じ。でも私は普段のTwitterに載せてくれるトラッドなぽにょが大好きなんだよ。鉄戸美桜さんはいつもは着ないようなふんわり甘めでまとめてきて、チョーカーが好きということを初めて知ったよ。流れで猫の真似をさせられて、「大好きにゃん♪♪」と言った後の恥ずかしさに首を仰け反らせて悶絶した鉄戸さん可愛い。その慣れなさが最高すぎて、鉄戸さんに可愛い連呼してあげたい。

  1. 抱きしめて
  2. 微笑みと春のワンピース
  3. 告白
  4. 最初のキモチ
  5. 真赤な自転車
  6. 泣かないでエンジェル
  7. さよならのプリエール
  8. Moonlight Express


 開演前に隣の人と撮影可能曲がマイクスタンド曲じゃなければいいですね、と話していたけどまさかのマイクスタンド。私の大好きなポニーテールの阿部ちゃんが完全に逆サイドでポジション移動もまったくないので辛い。曲も『真赤な自転車』と、最近に限ったことでもないけれど、撮影可能曲はハコムス側も歌を聞かれることについて捨ててきてるなーという感じがして辛い。それならば撮影可能を無くしてでもその1曲も大事にしてきてほしいというのが最近の願い。まあ、現場行きまくって『真赤な自転車』も『はんぶん不思議』も聴きすぎたオタクの妄言なので、新しいファンには新鮮なのかもしれないけれど。


 失恋の曲が始まる前に鉄戸さんが過去の失恋話を話し始めて、ここはひとつリーダーの私が頑張らなきゃみたいな懐の深さがあって、さすが鉄戸さん。その失恋話も懐かしむように、でもまだ痛いかのような話っぷりなので、そのヒリヒリする空気感がすごかった。過去を思い出しながら話しているときの鉄戸さんはいつも以上に女の子らしさがあった。現在進行形の恋があったとしてもそれを話すわけにはいかないし、だからといって小さすぎる頃の恋の話をしてもおままごとだし、その点小学生の鉄戸さんの教育実習生への片想いは、その熱量と過去との距離が絶妙で、自分までドキドキした。メンバーもどこまでなら話せてお客さんも楽しんでくれるかなと考えながら喋っているようで、普段は見せない一面を知れて、なんだか秘密を共有したような、より近付いた関係になったような錯覚。


 『さよならのプリエール』を歌った後に、鉄戸さんが歌詞を説明して、歌詞に出てくるたくさんの人に愛を持っている相手の男性を最低で酷い人だと糾弾し、なんだかそれは我々アイドルオタクを揶揄しているようにも聞こえてきて、場が暗い笑いに包まれたの最高でしたね。菅沼もにかさんが「ここにいる人みんなDDだから」と笑いを取ったけれど、いやいや私はハコムス単推しですよ。でもメンバー全員を好きということは鉄戸さんにとってはどうなのかしらね。


 最後は鉄戸さんたっての選曲で『Moonlight Express』。よく眠れるようにとのことです。この曲は『なかよし』と同じように、最後に聴くと大団円感が素晴らしく、夜空に想いを馳せながら美しく公演を締めてくれる。遠いことを悲しみではなく慈しみで抱きしめるような包容力が感じられて、穏やかに眠りにつけそう。


 メンバープロデュースということで、いつも以上に素っぽい言動がたくさんで、見ていてずっと笑っていた。メンバーもたくさん笑っていた。本当に楽しい公演でした。ありがとー。

ハコイリ♡ムスメ『ハコムスバレンタイン特別企画♡ファン感謝祭』@ミハマニューポートリゾート(20160211)

 約束の地、ミハマニューポートリゾート再び。ということで、ファン感謝祭というわりには遠かった。曲の人気投票をして上位を歌ってくれるといっても、来るオタクしか投票しないだろうし、電車とバスまたはタクシーで乗り継ぐしかないミハマニューポートリゾートに来るのは必死系だけなわけで、票が集まらないのはしょうがないですよね、という悲しみ。


 まあ、私は行きます。ハコムス大好き、ミハマニューポートリゾート大好きっ子だから。略さずに言いたいミハマニューポートリゾート。この冬2度目のミハマニューポートリゾートは前回にも増して荒涼感があった。海の無い灯台と葉の散った木々が、薄い水色の空と相まって寒々しい冬の岬らしい雰囲気を醸し出していた。この彩度の低さが好きだし、冬のハコムスに似合っていると思う。フィルムで収めたい。


1部で10位から6位、2部で5位から1位の発表。まとめて以下に。


10位 夏色キッス
9位 いじわるねDarlin’
8位 海へ行こう~Love Beach Love~
7位 baby blue
6位 アンブレラ・エンジェル
5位 日曜はダメよ
4位 夏の友達
3位 なぜ?
2位 約束のポニーテール
1位 夏に急かされて


 メンバーも嘆いていたが、ハコムスオリジナル曲が『夏に急かされて』の1曲のみ(泣)。ミハマニューポートリゾートまで来るようなオタクは皆さんオリジナル曲は聴き飽きてるってことですね(泣)。上位に『夏の友達』や『なぜ?』がランクインしているように、なかなか聴けないレア曲に票が集まるのは仕方ないのかなと。もう少し規模が大きくならないと純粋な人気投票にはならないのが悲しいところ。


 内山珠希さんが来月でハコムスを卒業するということで、珠希さんがフィーチャーされた曲がいくつも選ばれたのが良かった。珠希推しが頑張ったのかしら。リバイバル公演よりも先に『日曜はダメよ』を聴けて小さくガッツポーズ。珠希さんを好きになったきっかけのような曲なので、この曲での可愛い珠希さんの歌声を聴いて当時を思い出したり。そして久しぶりに当時の『日曜はダメよ』の動画を見ると2年前秋の鉄戸美桜さんが新鮮すぎて、あの頃は鉄戸さんにそこまで興味が無かったことを思い知らされるようでなんだか落ち込む。いやでもほっぺたがそっくりなドラえもんの演技、じゃなくてしずかちゃんのパパの演技はすごかったな。


www.youtube.com


 10位から6位は春夏の明るくて盛り上がる流れ、対して5位から2位はCoCoでまとめられていた。偶然にしては出来すぎたセットリストだ。『アンブレラ・エンジェル』でのぽにょは過去最高に楽しそうで、バックダンサー(ぽにょ談)の隙間から無理矢理出てきて投げキッスするなど、笑顔に溢れていた。浮かれるぽにょ最高よ。


 今の寒さと正反対の夏を召喚した1部も良かったが、偶然にもCoCo縛りとなった2部がまさに自分好みで最高だった。私の好きな曲、どれもCoCo関連じゃないかと今更ながら新発見。『なぜ?』での悲しくも強く響く珠希さんの歌声から、『約束のポニーテール』で一転可愛い感じになるのは、さすが女優さんだなと思っても、しかし現実は女優としての未来がもう無いということが切ない。ここからどんどん珠希さんが自分の中で美化されていきそうな気がする。それも悪くない。誰だって最後は美しいのだ。ミハマニューポートリゾートは珠希さんの住まいからも近いらしく、内山家大集合の凱旋公演となっていた。家族が見に来てくれる現場というのは幸福だなと心から思う。自分仕事に誇りを持っていて、それが彼女の周囲でもちゃんと認められてるってことがうれしい。


 最後の『夏に急かされて』も冬の野外とは思えないすごい盛り上がり。ひとりだけ異常に浮かれていた珠希さんを見ていると寒さを忘れさせてくれて本当に夏のよう。どの季節とも優しく寄り添うハコムスだが、珠希さんは特に夏を愛していて、夏も珠希さんを愛していただけに、珠希さんと過ごす次の夏が来ないことが悲しいな。


 2度目のミハマニューポートリゾートも素敵な時間をハコムスと過ごせた。遠いとか関係ない。幸せ。ありがとう。