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マームとジプシー『cocoon』憧れも、初戀も、爆撃も、死も。@東京芸術劇場シアターイースト(20150704)

 戦時中の沖縄の女学校を舞台にしたお話。言葉、反復、躍動、すべてが戦争の真っ只中で生きていることをめいっぱいぶつけてきて、そこから少しずつ生が欠けていく中でも、生きようという願いが余韻となって常に響いていたのが美しかった。悲しいけれど、悲しいほどに美しさもあり、そこに美しさを感じてしまうことに嫌悪感を覚えつつも目を逸らせられない。


 同じような場面が、平和なとき銃撃が飛び交うとき、時を遡るかのように何度も繰り返される。いつの出来事を観ているのか、耳に届く叫び声が認識を朦朧とさせてきます。そう、自分にとってはお芝居と現実が混濁となる瞬間が多々あった。それはひとつのかけ声。劇中に何度も響く「いっせーのー、せっ!!」が、ハコムスバスツアーでの大縄跳びや『なかよし』を思い出させて、いろいろな感情が込み上げてきました。舞台を観ながら思い出すたくさんのシーン。声を合わせて気持ちがひとつのなる瞬間の青春らしさ。でもこの舞台は悲しい。記憶と劇は重なりはしないけれど、重なり合う言葉に翻弄されます。


 観終わった後の疲労感がとんでもなく、ぐじゃぐじゃの感情で胸がいっぱいになった。その儚さにずっと泣いていたように思う。『5つ数えれば君の夢』に続けて女学校を舞台にした作品を観て、雰囲気は違うけど、どちらも繊細な心情を丁寧に描いていて、その優しさが良かった。戦争が本格化する前の牧歌的な、前の言葉が後の言葉を継いで、それぞれの少女の言葉が途切れることなく繋がっていく流れが、知らないけれど知っているような女子高らしくて、それをいつまでも途切れさせないのが平和なのだろう。あと、歌のシーンは心から感動しました。