『5つ数えれば君の夢』

 キネカ大森にて。やっと観ました。東京女子流5人が私立手越女子高等学校という女子高の生徒を演じ、文化祭を通して織り成す少女達の物語。


 山戸結希監督の特徴である言葉と身体が織り成す躍動がすごい。ただ、言葉を尽くした先の着地点が宙に浮いているようで、夢の中を彷徨っている感じ。そして宙ぶらりんになった感情が最後、新井ひとみさんのダンスによって心抉られます。すごいものを観たなという、集中力を使い果たした疲労が心地良いのだけど、疲れたわりにそのすごさがふわふわして心許ない。『おとぎ話みたい』を観た後の重いストレートでぶん殴られたような衝撃は無かった。


 東京女子流5人のキャラクターはよく練られていて、練られていたからこそ、女子高の人種を5つに分けるのは乱暴ではと感じてしまいました。特にこの子に感情移入して観たとかはなく、かなりフラットな気持ちで観れたと思う。誰にだって自分の世界はあるし、それを大切に精一杯生きていこうとする中で生じる歪みが美しいし、そういう感想が出てくる自分にむかつきますね。女子高出身者が観たらどんな感想を抱くか知りたい。つまり門前亜里さんの感想を聞きたい。