ハコイリムスメで彩られる秋

 先日、11月16日(日)にハコイリムスメ(正式には「ハコイリ♡ムスメ」)のバスツアーに参加してきました。そのバスツアーが出発から最後までずっと幸せな時間の連続でして、終わってもなかなかその余韻から抜けられないぐらいの素晴らしさがあり、なんとかそのときの感動を記録に残そうとこのブログを書こうと思いました。


 ハコイリムスメ(以下ハコムス)は7人組のアイドルグループです。80年代90年代のアイドルソングをカバーしています。初めて見たのはAKIBAカルチャーズ劇場夏の新人公演の公開ゲネプロでした。その後の夏の新人公演には2回ほど行きました。初期衝動で一気にくる感じではなくて、良いグループとは思ってもそこまでグッとくるような、自分の中で高い位置を占めるほどではありませんでした。ありがちな、興奮して視野が狭くなるアイドルオタクになって3日目のような感覚に陥るのとは無縁のステージでした。夏の避暑地感が爽やかで、グループのコンセプトもライブの雰囲気も穏やかなところがとても良かったです。まあ昨今ありがちな全力ガツガツとは正反対なわけです。


 ちょっと古めのアイドルソングを歌い、それらオリジナルについてはまったく知らなくても、曲の持つ雰囲気がしっかり伝わってくる表現力がありました。もともと女優志望で集められた女の子達ですので、役作りというかアイドルを演じるという部分にかなり神経が行き届いています。で、オタクのありがちな業として、演じていてもそこから微妙にこぼれ落ちる本人のパーソナリティに気持ちを揺り動かされるというわけです。何かの物語の役でもなく、だからといって素でもなく、その危ういバランスが生み出す波紋に僕は一喜一憂してしまいます。


 最初は夏だけの期間限定と言われていましたが、好評で秋も活動を続行するとのこと。夏は美少女のきらめきに目を細める感じでしたが、秋は果たしてどうなるのだろうと、あまりイメージが湧かないまま、それでも期待は大きく、10月の秋公演を見に行きました。結果としては、夏より秋のほうが自分は好きだなと思うに至りました。秋の穏やかな陽光とグループの雰囲気が合っていて素晴らしかったです。暖かいチェック柄に可愛らしいブローチの新しい衣装も、選曲も、もちろん本人達の姿勢も、ただの冬への通過点ではない、見落としがちな幸せを丁寧に拾い上げてくれるような素敵な秋の案内人を演じていました。


 秋の公演での一コマ、小松もかさんと鉄戸美桜さんの寸劇が自分のハコムスを見る目が変わった転機だったと思います。夏と同じように小松さんのぐだぐだ気味の司会から始まり、「のび太としずかちゃんが婚約した日 」にちなんで再現ドラマを始めようとしました。小松さんがしずかちゃんで、小松さんがしずかちゃんのお父さん役として指名したのが鉄戸さんでした。最初、鉄戸さんは小松さん演じるしずかちゃんの演技に戸惑いながら台本に目を通して、どこまで本気でいけばいいのか迷い気味な感じでした。そんな戸惑っている鉄戸さんを見て、客席では小さな笑いが起こっていました。しかし、いざ自分の台詞の番になったとき、鉄戸さんは手にしていた台本をくしゃくしゃにして投げ捨て、熱のこもった演技を始めたのです。かなりの長台詞に場内もしんとなり、終わったときには袖で見ていた神岡実希さんも泣いている感動の大巨編。心揺さぶられる空気に持っていく流れが完璧でした。話し始めた後の熱演もですが、そこに至るまでの「えっ、えっ!!」みたいな鉄戸さんの戸惑いの仕草も演技だったのかと、すっかり騙されて笑ってたわと、その演技に感動しました。やっぱりこの人達は女優なんだなと感心した次第です。メンバーの中でもどちらかというと興味の薄い部類に入っていた(申し訳ない)鉄戸さんのすごさを肌で感じ取って、そこからグループとしての愛着みたいなのが自分の中で湧いてきたように思います。


 そこからのバスツアーです。前置きが長かった…。ここからが本題です。バスツアー参加費、27,000円。2泊3日とかじゃないです。千葉のマザー牧場への日帰りバスツアーで27,000円です。高いよね。躊躇するよね。僕もぎりぎりまで迷いました。何が行く決め手となったか、思い出そうとしても微妙すぎて、揺らいでいた気持ちが行く方向に傾いたのは、締切最後までメンバーが工夫を凝らして募集を呼びかけていて、その気持ちにポンと背中を押されたからのような気がします。行かなくても後悔しない感じで(高かったからなあという言い訳で)、行かないと決めてる人はどんなことがあっても行かないだろうし、行こうか迷ってる人はちょっとしたきっかけで参加するので、後は最後の一押しをしてくれたハコムスメンバーに感謝というか、終わった今だからこそ感謝してもし足りない気持ちです。あー、締切過ぎちゃいました残念(あまり残念に思わずに)という未来もあったんですよ。


 そんなこんなで当日、朝8時半東京駅集合。普段の仕事の日はその8時半過ぎに起きる僕にとって、そもそもの集合に遅れないかがいちばんの難関でした。万全を期すために前日は21時前に寝ました。目覚ましも何重にかけました。朝、間に合いましたよ。朝日を浴びると気持ちいいですね。天気もいい感じ。集合場所に遅刻しなかった時点で既に旅を終えたかのような安堵です。このバスツアーは申し込み時に推しメンを伝えるのですが、バスは2台に分かれていて推しメンが乗るほうのバスに振り分けられるそうです。さらにバスの座席は当日抽選。幸運にも僕はお客の中では前から2列目、メンバーの座る席から3席後ろで上々です。僕の乗った2号車の搭乗メンバーは門前亜里さん菅沼もにかさん(もにー)神岡実希さんとのこと。門前さんで申し込んだので当たり前です。バスの発車前にしおりとツアーパスが配られるのですが、ツアーパスに印刷されているお客の本名をメンバーが呼びまくるので車内は苦笑気味。連呼される地味な苗字の数々。メンバーお手製のしおりはいろんな動物が描かれていたりして、これからのバスツアーへの期待を高めてくれます。添乗員からは出発前の諸注意でメンバーに餌を与えることは厳禁です、と何度も繰り返されました。これはしょうがない(笑)。


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 バスはひとまず海ほたるに向かいます。道中、のんびり乗ってるわけもなく車内ではイベントが開かれます。まずはハコムスクイズ。びっくりですよ。挙手制なんですが、誰かが手を挙げるとすぐにメンバーがその人をハンドルネームで指名。やばい。認知前提か。来てはいけないところに来てしまったと早くも縮み上がります。しかも、クイズの内容が難しくてお客の挙手が鈍くなってきたら、もにー自らお客を指名し始めました。のんびりにやにや美少女観察派の自分にクイズ強制参加は厳しい!! と思いましたが名前知られてるのも門前さんだけなのでー、とのほほんとしてたら門前さんから指名。正解は出来なかったけど、なんとか乗り切ったよ…。出発早々、びっくりするほどの距離感の近さに戸惑いながらも、メンバーは皆楽しそうなので問題なしです。クイズが終わったのと同時に海ほたる到着。初めて来たよ海ほたる。小松さんだったかもにーだったかのオススメのソフトクリームをいただきました。


 海ほたるからマザー牧場まではメンバーのカラオケとなります。とその前にお菓子パーティーしましたね。メンバーにお菓子を与えてはいけないのでオタク同士のお菓子交換が始まりました。前日にお菓子を買って行ってよかった。その後は乗客全員でTwitterに同時に同じ言葉を投稿して迷惑がられたりしながらカラオケが始まりました。『学園天国』とか、もにーがオーディションで歌ったというaikoの『カブトムシ』とか、神岡さんがいろいろあった時期(笑)を思い出しながらのスピッツの『チェリー』とか、門前さんは『少女A』を歌ってくれました。


 本当に近かったのか、時間を忘れさせるほど道中が楽しかったのか、あっという間にマザー牧場到着。着いたらとりあえずお昼ご飯です。お腹空いてます。もにーもお冠です。いえ、もにーが大食いキャラかどうかはわかりませんが。バーベキューだから、外でバーベキューだと思ったら屋内なんですね。煙いよ。ここでも公平を期してテーブルは抽選です。ちなみにメンバーのテーブルは中央です。バス座席が良かった反動か、こちらはいちばん端の席でした。ただ食べるだけだと思ったら、ハコムスがテーブルを回ってお肉を焼いてくれるらしい。とうとう僕もアイドルと焼き肉か(遠い目になりながら)。もにーが慣れない手つきで焼いてくれた焼き肉、美味しかったですよ。一通りテーブルを回るとハコムスは2つのテーブルに分かれてやっとお昼ご飯です。黙々と食べる神岡さんテーブルとわちゃわちゃしながら食べる内山珠希さんテーブルの対比が面白かった。


 食後は移動して8ショット撮影会。野外で撮影なんですが、天気良すぎです。気持ちいい晴れ。このまま昼寝したいわ。8ショット撮影会はうれしい悲鳴といいますか、両隣のメンバーは好きに選べるとのこと。みなさん選んであげることの出来なかった後列メンに謝っています。自分は悩みましたが門前さんと鉄戸さんでお願いしました。記念写真、ありがとうございました。牧場ということで、まあ、のどかで気持ちいいです。もうアイドル関係ないところでかなり満足しています。


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 イベントはどんどん続きます。次は小さめの触れ合える動物がいるエリアで撮影会です。撮影会は今回のバスツアーの目玉的な扱いをされていましたが、50人弱が参加するツアーで撮影会なんて、制約が多くて好きなふうに撮れないんじゃないかとそれほど期待していませんでした。ところが撮影会になり、スタッフはどうぞ!! と言ったきり、言われたこちらも呆気に取られてしまいます。ハコムス放し飼いで好きに撮ってよいとのこと。これじゃ箱入りじゃない。自由すぎますね。メンバーはそれぞれ別れたりくっついたりしながら、動物と触れ合っていました。神岡さんは結構びくびくしてましたけど。僕は囲んで撮るのがあまり好きじゃないので、人の少ないメンバーを探しながらうろうろしていたのでそれほど撮れませんでした。でもこういう自由にわいわいやるの好きですよ。門前さんに自撮りしてもらったもにーとの2ショットがおそらく今回のバスツアーのベストショット。ツアー集団は絶対に一般のお客には引かれていたと思いますが、それほどパニックにもならずに済んだのはびっくりです。


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 撮影会の後はラジカセライブです。正直なところ、ここまで予想を上回る楽しいイベントの連続です。しかし、次に待っていたのはそれまでの楽しさをさらに飛び越えた、まさに天国でした。ライブ会場まで歩くのですが、牧場なんでとにかく広い。そして天気も最高なので完全にピクニック気分です。のんびり歩いて辿り着いたのは草原。草原としか言いようがない草原。いわゆる緑の絨毯。見上げれば青い空。こういう場所でライブ出来たら最高だろうなあという理想が現実化した感じ。つまりシャングリラ。ハコムスメンバーは着替えのため一旦離れているのですが、その待ち時間すら幸福です。周りには自分達しかいなくて、見守ってるのは太陽のみという状況です。直前まではメンバーの楽しそうな笑顔を見ていて、この後も一緒の時間を過ごせて、今はとても穏やかで、幸せなまま時間が止まったような、そんな気分でした。少ししてハコムスメンバーが、そのなだらかな丘になっている草原の頂上付近に現れました。そして、走り出しました。秒針がカチッと跳ねるように、止まっていた世界が動き出したんです。我妻桃実さん(ぽにょ)が先頭です。駆け下りてくる彼女達、今思い出しても感動します。そして始まった、牧場の青空をバックに歌うライブは素晴らしいの一言でした。彼女達の朴訥として真摯な歌声が野の空気を伝わって真っ直ぐ届いてきます。学校の集会で使うようなスピーカーから流れるカラオケに合わせて歌うのですが、マイクを通さない歌声のくすぐったさがすごかったです。すべてがハコムスに味方していて、神様に祝福されているような、そんな雰囲気がありました。思い返しても笑っちゃうぐらい非現実的なライブでした。ハコムスと僕らと、遠くのほうに数人の普通の観光客、あと後ろを振り向くと馬がいるだけで、ハコムスの次に近いのが空という感じが最高でした。そんな空気に浸りつつもシャッター押してましたけど。


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 ライブが終わったらシープショーを見学しましたが、そちらは割愛。意外と面白かった。羊にもいろいろ種類があるんですね。シープショーの後はマザー牧場におまけのように付いている遊園地での撮影会。だんだんと陽も暮れてきましたが、彼女達はまだまだ元気です。小じんまりとしたジェットコースターに乗ってキャーキャー騒いだり、メリーゴーランドに乗って手を振ったり、それはそれははしゃぎ回ります。幸運にもぽにょともにーと一緒にメリーゴーランドに乗ることが出来、ぽにょの楽しそうな顔をずっと見ていたら、このままぐるぐるとメリーゴーランドに囚われたままでいいかもと思ったりしました。みなさんあまりに楽しそうなので、動物と触れ合ったり遊園地で遊んだりしているその笑顔も演技なのかなと、とかく騙されがちな自分なので疑ってしまうほどです。夕暮れ時の暗くなりかけの遊園地、しかも程よい小ささの、牧場という施設からしてみたらおまけである寂しさが漂う場所で、元気いっぱいに遊び回る姿は暗闇の星よりも輝いて見えてきます。暗くなってきて終わりが近くなり、しかし切なくなりそうなところもなく、乗り物の間を走りながらこちらを振り返る笑顔が眩しかったです。


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 一行はイルミネーションが始まった17時頃にマザー牧場を後にしました。帰りは行きとは違うメンバーが搭乗します。2号車は小松もかさん内山珠希さん鉄戸美桜さん我妻桃実さん(ぽにょ)です。後は帰るだけだと、これまで順調すぎるくらい順調にスケジュール通り進んでいたのですが、最後になんと渋滞にハマってしまいました。ハコムスと一緒の時間が増える!! と喜ぶべきなのか、疲れてるから早く帰りたい〜と残念がるべきなのか、判断に迷うところです。しかしそんなこちらの迷いなんて蚊帳の外、ハコムスのみんなはまだまだ体力が有り余っています。後ろのほうで疲れて眠りに落ちそうなお客がいると、ぽにょ始めメンバー全員で大声を出して眠らせないようにしてきます。元気すぎるでしょ。帰路の車内もカラオケです。始めこそはメンバーが代わるがわる歌っていたんですが、渋滞につかまりバスがのろのろ運転を始めてからは珠希さんのカラオケボックスと化していました。AKB48の『ポニーテールとシュシュ』『ヘビーローテーション』から安室奈美恵、カラオケ行ったら必ず歌う十八番と自らガンガンにハードル上げてからの浜崎あゆみなどなど。珠希さん歌上手いです。あと、ころっとガチ恋に落ちそうな勘違いを起こさせる距離感がいいですよね。これは本当に個人的なことなんですけど、帰りのバスで珠希さんがずっと歌っているのを後ろから眺めていて、こちらからは背もたれで歌っている姿が見えたり見えなかったり、たぶん普通にカラオケボックスで歌うように歌っているはずで、そこにアイドルとは別の日常の延長をすごく感じ取ってしまいました。つまり僕の大好きなトマパイらしさがあったんですよ。トマパイといっても楽曲派絶賛の2期じゃなくてトマパイ1期ですよ。『Life is beautiful』の放課後、長く伸びる夕日が珠希さんの歌に見えたんですね。そして、そんな珠希さんに負けじとぽにょが盛り上げます。珠希さんの歌に合わせて半ばやけくそ気味にタオル振り回して煽りまくってました。移動の時間も退屈させないように振る舞ってるぽにょ最高です。


 カラオケの合間には質問コーナーもありましたね。「アイドルになったきっかけは?」という質問に対してぽにょは「私は応援する側だと思っていた。遠征とかしてしてみたいし」と答え、アイドルのオーディションがあることを知り「応援はいつでも出来るけど、アイドルになるなら今しかないと思ってアイドルになりました」と、真面目に本心を語ってくれました。ぽにょは最年少ということもあって妹的なキャラかと思いきや、喋るとその言葉遣いは誰よりもしっかりしていて、そのテキパキと無駄の無さに驚きます。でもそれ以上に可愛いんですよ。小動物のような佇まいがとにかく可愛いです。


 ぽにょが何故ぽにょなのかは夏の新人公演を水曜日の昼間はもちろん仕事っすねと素気なく断って熱心に通わず、古参なり損ねた自分には窺い知れぬところなのですが、帰りの車中でぽにょの主題歌を歌ったぽにょは間違いなくぽにょより可愛かったと映画を観たことなくてもわかります。ぽにょというニックネームに限らず、古き良きアイドルソングをカバーしているグループとは関係ないところで、彼女達からは童話的な趣きを強く感じます。前面に出てくるもの、ふとした瞬間に少しだけ垣間見えるもの、深く隠されているもの、何層ものベールに包まれた心の動きが、僕を楽しくさせたり、ちょっぴり怖くさせたりします。童話って大人になってから読むと知らなかった意味に気付いて怖くなるとかあるじゃないですか。そんな感じです。変な意味じゃないですよ。変な意味かな(笑)。誰だって暗い部分は持っているし、見えているところすべて明るいのは逆に怖いですし、ハコムスに関しては女の子に抱く怖れというか、ほんのりと滲む底しれなさが美しさを際立たせているのでむしろ大好きです。強いようで脆くて、ダイヤモンドのようで薄いプレパラートのようで、輝いているそれがもしかしたらひび割れた破片かもしれず、その危うさに僕は惹かれます。ここらへん、だいたい門前さんと神岡さんをイメージして書いています。結構傷つきやすいところを剥き出しにしてるのに、それでも他の6人をしっかり受け止めたり、ファンに対して優しく接したり、門前さんには青春的な刹那と大きな包容力を感じます。神岡さんはカラオケで歌う曲を真剣に選んでいる姿とか、お昼ご飯を黙々と食べている姿とか、とにかく真面目な部分が印象に残っています。でもたまに変顔しちゃったり、おちゃらけると無理しなくてもいいよと思ってしまったり、神岡さんは上を見上げているときも、目を伏せているときも、どんなときも瞳が綺麗だなと思います。心がそのまま目に表れているのでしょう。


 渋滞を抜け、やっとバスから東京タワーが見えてきた頃、終わりの挨拶が始まって寂しさ募る鉄戸さんが泣いてしまいました。純情すぎるよ鉄戸さん。鉄戸さんはいつもいつも新しい新鮮を与えてくれて、本当に見ていて飽きないなと思います。会う度に鉄戸さんをさらに好きになっていくので自分でもびっくりです。その少女漫画の世界から飛び出したような服装だけでなく、帰りの挨拶でボロ泣きからのかまぼこ食べてからの鼻をかんだ鉄戸さんの奔放さに心を全部持ってかれてしまいました。せめてファンの目の前でずず~と鼻をかむのはやめましょう。鉄戸さんと同じように菅沼さん(もにー)も行きのバスで門前さん神岡さんと一緒にいたときは結構自由奔放に振る舞ってるなあと思いましたが、帰りの鉄戸さんを見たら菅沼さんはまだまだ普通だなと安心しました。もにーがわかんないと言いつつも一生懸命焼いてくれたお肉美味しかったです。あと、小松さんはあまり接する機会がなかったのが残念。リーダー頑張ってました。帰りは珠希さんと鉄戸さんを持て余しそうでなんとかまとめてたしね。そんな感じで挨拶が終わって、予定時刻をかなり遅れての東京駅到着。最後は全員で挨拶してから解散でした。約11時間。


 一緒に旅行をしていて、すごいなと思ったのは、時間が経つにつれて距離がどんどん近くなってくるんですよ。最後、遊園地から帰りのバスまでの道は結構長かったのですが、道中ファンと歩みを同じくしながら普通に会話していました。アイドルグループによっては珍しくないですし、ハコムスはどうかなと思っていましたが、メンバーとファンが談笑しながら歩く姿は結構ハコムスの雰囲気には似合ってました。僕ですか。無理ですね。あれだけ距離が近いところにいても話せません。話そうと思えば好きなだけ話せる空気でも、なんとしても会話しなきゃみたいな気合いが出ない。もう普通に一緒にぶらぶらバスへの帰り道を歩いているだけで満足してるんです。ハコムスに関しては、ガツガツと踏み入るよりはある程度距離を持って眺めていたほうが幸せになれる気がします。彼女達を見ているとこちらも慎重になるし、そういう節度が重んじられる雰囲気が結構好きです(たぶんそう思っているのは自分だけ)。一緒になって同じ方向を目指して走る、というのもアイドルとファンの在り方のひとつですが、お茶会のようなその場に居合わせた人の時間を大切に包み込むような静かな関わりあいもアリかなと思います。思い返しても、あの暗い帰り道は満ち足りた空気がありました。


 出発から解散まで、ハコムスの優しさに溢れたバスツアーでした。ずっと楽しかった。ハコムスが好きだから参加したのに、終わったらもっと好きになってて、好きという気持ちに上限は無いのかよと思ってしまうほどです。ぶっちゃけ値段に躊躇せずに行ってよかった。迷って迷って、迷ったときはだいたい決断が失敗する自分ですが、ハコムスのみなさんのバスツアーを良いものにしようという気持ちが僕のジンクスに打ち勝った記念日です。あと神岡さん過去を思い出しながらチェリー歌った記念日と神岡さん動物とふれあった記念日と神岡さん変顔連発記念日です。すべての瞬間が記念日です。楽しい時間をありがとうございました。何回でも感謝の気持ちを伝えたい。次の握手会ではありがとうございましたbotになるぐらいありがとうございました。しかし直近23日のライブには行ってませんが…。


 僕が受け取ったような幸せが、バスツアーでなく普段の活動でもたくさんの人に届けばよいですね。絶対に可能なんですよ。バスツアーだからと特別なことはなく、いつものライブの延長にバスツアーがあって、ハコムスの空気はまったく同じでした。当たり前か。ハコムスのライブは、目の前のステージは本物のリアルなのに、夢の中なのではと自分の頭にげんこつぶつけたくなるようなふわふわした浮遊感があります。明らかに歌、踊り、存在のあらゆる要素に柔らかい空気が含まれています。そんなハコムスの優しい雰囲気、空気が僕は大好きです。そして、バスツアーではその空気にずっと包まれているようでした。


 本当、素敵な休日をありがとうございました!!


P.S.
 こう書いてみるとまだまだ彼女達を全然知らないですね…。showroomを見ればもっとわかるのかな…。でもあれ苦手なんだよな…。

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