AKB48チーム8『会いたかった』公演@AKB48劇場(20170611)

 いつの間にか毎日48系アイドルのshowroomを見るようになっていました。仕事から帰宅してぼーっとしながら女の子達の声を聴く。集中して聴いているわけではないので(そもそも画面を見ることも少ない)、何を話しているのか上の空のときがほとんどです。そんな若い女の子の声を環境音楽とした日々を過ごしていると、どうしたって好きになってしまいます。疲れているのでしょうか。そういう生活を続けていたらチーム8に興味を持つようになって、先日、初めてAKB48チーム8の公演を見ました。9年ぶりのAKB劇場です。自分のブログを遡ったら、最後に劇場で見たのは2008年ですってよ。それでもアイドルオタクをずっと続けてきた自分に引きますね…。


 自分の過去ブログを読むと、その最後に見た2008年は1巡だったらしいので、今回も1巡かなと、出戻りに優しいAKBであってほしいと願っていたら、最後の巡でした。23巡?、なにそれ。出戻りに厳しい現場でした…。でも久しぶりに入った劇場は、通っていた頃とあまり規模感の差異が感じられず、思っていた以上に変わってないなという印象がありました。


 見たのはチーム8の『会いたかった』公演。私がいちばん通っていちばん好きだったのもA2ndの『会いたかった』公演なので、1曲目が始まったときから懐かしさでいっぱいでした。しかしなんだか不思議な気持ちにもなりました。チーム8による『渚のCHERRY』を見ながら、この曲のセンターは前田敦子さんだったなとか思い出して、しかし本当に私は前田敦子さんセンターの『渚のCHERRY』を見たのか、美化されて記憶が捏造されているのでは、と不安になるのです。あの国民的アイドルの前田敦子さんが本当にステージに立っていたのか、甦ってくる自分の記憶が信じられなくなりながらライブは進みます。『涙の湘南』でナポレオンジャケットを着た阿部芽唯さんを見ながら、この曲はやっぱり篠田麻里子さんだよなと思いながら、しかし私は本当に篠田麻里子さんを見たのかと、そんな感じで自分の記憶と対峙する時間の連続でもありました。


 チーム8全員の名前をまだ覚えきれてないのですが、この公演を見て濵咲友菜さんを好きになりました。もともと濵ちゃんのshowroomはよく見ていたので気になってはいたのですが、ステージで踊る濵ちゃんを見てますます好きになりました。パフォーマンスに凛々しさがあって、動きが止まったときの姿がかっこいいです。小動物みたいな可愛さがあって、おそらくデビューしたばかりの頃はもっと小動物っぽかったと思いますが、3年活動した今はそこに強い意志も加わって、ステージにいると目で追いたくなる存在です。あと全然注目してなかった永野芹佳さんが、ふんわりした可愛さをまとっていて、とてもいいなと思いました。


 この日いちばん聴きたかった曲は『夢へのルート』で、それはアンコールでも歌われず、今日は歌わないのかとがっかりしましたが、まさかダブルアンコールがあって(毎公演!?)、そこで歌ってくれました。この公演の少し前にチーム8の3本目のドキュメンタリーがYoutubeで公開されて、私はそれを見てさらにチーム8を好きになった人間なんですが、そのドキュメンタリーの最後のチャプターで流れるのが『夢へのルート』です。そのドキュメンタリーの『夢へのルート』を見て、毎朝そのかっこよさに泣きそうになってから家を出ることを繰り返していたので、実際に初めて生で『夢へのルート』を見たときは勝手な思い入れで最高を軽々と超えてきました。サビで突き上げた右手を目指すようにクイと顔を上げるシーンは、覚悟がその動きのすべてに宿っていて、見上げる眼差しが本当に綺麗で大好きです。ただ映像コンテンツを日々見ているだけでここまで思い入れが生まれたことに、自分でもびっくりしています。


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 最後、阿部芽唯さんの目が涙で濡れていて、それだけが心配でしたが公演終了。本当に久しぶりのAKBの劇場公演はステージに立つ人は変わっていても、伝わってくるものはあまり変わらないんだなという感じでした。むしろ昔よりもガツガツと攻めてくる雰囲気もあった。というか通っていた頃の公演の記憶がほとんどないですね。公演と公演の合間にどこのファミレス行ったとか、テレ電タイムになって盛り上がったこととかは覚えているのに。


 チーム8でいちばん気になっているメンバーは早坂つむぎさんです。総選挙速報後のshowroomで他の8メンバーは泣いたりしているのに、私は絶対泣かないと決意している早坂さんはかっこよかった。テンションを意図的に低く抑えて、その圧力で心の中を熱く燃やしているような早坂さんの活動に対する姿勢が私は好きです。まだ早坂さんが出ているライブは見たことがないので早くどこかで見たいなと思っているのですが、青森はさすがに遠い…。でもやはり東北で見たいよねと思いながら、いいタイミングを見計らっています。


 まさか再びAKBにハマるとは自分でも信じられませんが、楽しいことに違いはないので、なんとか楽しい部分にだけ目を向けて生きていきたいですね…。

神岡実希さんハコムス卒業おめでとうございます

 最後の公演、とても素晴らしいものでした。アイドルとしての神岡さんの歴史は、即ちハコイリ♡ムスメの歴史でもあって、これまで走り抜けてきた3年弱の集大成が、あの公演にあったと思います。すべてが詰まっていた。そしてそこからさらに先、ハコムスが未来へと羽ばたいていくために必要なことを、神岡さんは残されたメンバーに託していきました。メンバーひとりひとりにダメ出ししていく神おこのコーナー、最高でしたね。真面目だからこその愛があった。何度もヒヤヒヤしながら見守った『微笑みと春のワンピース』の大サビ。最後は成功させて、ホッとした神岡さんの目には涙。美しかった。すべての曲が素晴らしかった。これまで積み重ねてきたハコムスの良さが300%出ていました。歌いながら晴れやかな表情で10人が並んでいるときの、白く淡く内から光っているような姿は眩しすぎて、ありきたりな表現で申し訳ないですが、それはやるせないことの多い現実に希望のように光る若々しい星々で、その散光星雲はこれからさらに輝くことを予期させる芽に溢れていました。今までありがとうございました。神岡さんがいたからこそ今のハコムスがあります。これから進む道も光に溢れていますように。

神岡実希さんのハコムス卒業が近づいてきた

 先日の月曜日5/15にAKIBAカルチャーズ劇場で行われたハコイリ♡ムスメ月曜定期公演『Respect for おニャン子クラブ(ソロ)』に行ってきました。いい公演でした(いい公演じゃなかったらブログ書かないですしね!)(と書きつつ斉藤由貴公演も素晴らしかったけど書いてない泣)。ハコムスのカバーするアイドルソングはほとんど知らない曲ばかりで、それはおニャン子ソロ曲もそうで、初めて歌われたときはどれも新鮮に受け取れるものでした。そしてオリジナルが歌われた当時の思い出はなくても、今はハコムスが歌っていた思い出がたくさんあります。『深呼吸して』のコーラス、とても綺麗だったな。


 この日の最後に歌われたのが高井麻巳子さんの『シンデレラたちへの伝言』でした。カルチャーズ劇場での私のいつもの定位置である最前の下手にいて、この曲のとき、ちょうど神岡実希さんが目の前に来て歌ってくれました。『シンデレラたちへの伝言』は2014年の新人公演のときから歌っていた曲です。新人公演の頃、ハコムスの初めての夏、今と比べたら幼い神岡さんと今はもういない人も含めたハコムスの面々を思い出してしまい、その懐古があまりにあざといなと自分自身感じてしまったのにはちょっと泣き笑いのような気分になってしまいました。いかにも古参の義務感だとばかりに過去を想起してしまったことになんだか自己嫌悪です。もっと今を見てあげたい。いやあ、でも神岡さん成長しましたね。


 『シンデレラたちへの伝言』のサビの終わりで神岡さんと目が合ったような気がしました。たまたま視線の先に私がいただけだと思いますが。神岡さんとの楽しかったこととか悔やんだこととか、いろいろな思いが流星雨のように頭の中で一瞬流れては消えました。ちょっと泣きそうになった。歌い終わった神岡さんもちょっと涙ぐんでいるように見えました。何を思ってのその感情なのかはわかりません。ライブの後に今日の神岡さんとても良かったよと伝えたかったけど、私が買う前に特典券が売り切れてしまったので伝えられなかったのが残念でした。


 結局神岡さんとはあまり距離が縮まらずに、そもそも縮まることがいいことなのかはわからないですが(ということを最近思うようになってきた)、神岡さんはハコムスから去ろうとしています。むかーし神岡さんに失礼なことをしてしまったのでその後悔もあって私も神岡さんに対してぎこちなくて、たぶん神岡さんも気付いているはずで、それが2人の間の空気の壁となり、双方が差し出した手は空を切って掴み損ねたまま、別々の方向に歩いていくだけなのかもしれません。気にしすぎかな。


 この公演でやっと神岡さんがあと少しでいなくなるという実感が出てきました。今更気付いても残された会える機会は限られているのですが。だけどこの公演を見られたことは本当によかったと思います。門前亜里さんが出た最後の平日定期公演をちょっと思い出しました。あのとき歌った『レモンドロップ』での感情の昂ぶりと似たようなのが『シンデレラたちへの伝言』にもあったと、終わって少し経った後気付きました。最後ではない公演でグッとくる体験が出来たことはとてもよかった。あと少し、神岡さんをしっかりと目に焼き付けたいと思います。