乃木坂46アンダーライブ@東京体育館(20170422)

 山崎怜奈さん言うところの「逆境の中で生まれたコンテンツ」である乃木坂アンダーライブですが、だからこその物語があるおかげで熱くなるのはわかっていつつも新参にはその物語に距離を感じることもあり、ただ楽しく良いライブを見せてもらえたらなというのが願いです。で、実際楽しく良いアンダーライブでした。今回のアンダーセンター渡辺みり愛さんの冷静さのおかげで、ともすれば無駄に悲壮感を帯びそうなアンダーライブが、グッと引き締まったライブとなっていました。演者側自らがアンダー史上最弱と自虐していたのは、実際ライブとなればそうであるはずがないということを信じているからであって、多分にコマーシャルな煽りであったはずですが、当の本人達からすれば必要以上のプレッシャーを与えられたわけで、だからこそそれらを乗り越えた上での最後の最後、トリプルアンコールの『ガールズルール』での爆発的な完全燃焼感が生まれたような気がします。個人に目を向ければ本編最後に歌った『インフルエンサー』でのダンス、鈴木絢音さんの振り切れたパフォーマンスは、去年の躍進が嘘でないことを体現しているようで、見ていて込み上げてくるものがありました。弾けるように踊る鈴木絢音さんからは、今年こそはという熱い気合いがあった。


 今はもうアンダーライブが始まった頃とはライブの位置付けがずれてきたように思います。アンダーでも仕事がたくさんあるほど乃木坂46は売れてきました。忙しい中でのライブは出来に直裁に反映されます。アンダーでしか見れないものを見に来ているはずなのに、これが選抜だったならもっと楽しいだろうなと思わせてしまうのは負けなんですよね。という感じで、私にとってはそのライブがきっかけだったこともあるけれど、アンダー東北ツアーの感動を超えるライブには未だ出会えてないのが現実です。勝手な思い込みですが、あの東北ツアーはアンダーでやるからこその必然性があったと思います(特にオープニングパフォーマンス)。とは言っても楽しいライブであったことは間違いないので、忙しい中をこうやって華やかな時間を見せてくれたことには感謝しかありません。12人お疲れ様でした。

欅坂46『不協和音』個別握手会@幕張メッセ(20170408)

 朝10時幕張メッセ欅坂46の『不協和音』個別握手会に参加してきました。5部構成の1部のみで、佐藤詩織さん2枚、影山優佳さん6枚。幕張メッセ滞在時間30分。サクッと握手してサクッと帰る。長居は無用ですよ。


 佐藤詩織さんにはふんわり柔らかい言葉遣いで癒されました。当たり前のことだけど肌つるつるでお綺麗ですね…。2枚出しを3回行った影山優佳さんとは、好きな本として彼女がお薦めしていた穂村弘について話が盛り上がったのがうれしかった。穂村弘で盛り上がれるの、友達でもそうそういないと思う。


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 私が握手したお二方はどちらかというとか細い声で、だけど彼女達は一日中握手しているのですから喉を痛めないように気をつけてのことと思いつつ、大きな会場で大勢の人がいる中で女の子の小さく優しい声に耳を傾けるのは、規模の大きさとは正反対の繊細な時間を紡いでいるようで、その瞬間をもっと大切にしなければと強く思わされます。


 私はスタッフが剥がそうとする前に離れるほうで、自発的に離れたほうが握手の幸福度が高いと思ってそうしているのですが、影山優佳さんはそんな去り際の私に毎回可愛く手を振ってくれてその幸せたるや。しかも影山優佳さんは制服姿。バイバイと手を振り合うだけで得られる圧倒的放課後感。やばい可愛い好きになる。


 握手会大変だろうし、その負担の一端を背負う後ろめたさで握手会に行く度にもう行かないと思うけれど、影山優佳さんの別れ際のバイバイリプライズに見送られたら、また行きたいなとちょっと思った。ありがと。




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欅坂46デビュー1周年記念ライブ@代々木第一体育館(20170406)

 欅坂46のアニバーサリーライブに行ってきました。乃木坂46は毎年バースデーライブをやっていますが欅坂46はアニバーサリーなんですね。誕生日とは違うんですよ。欅坂46だから4月6日。そして、1年前の2016年4月6日はデビューシングルの『サイレントマジョリティー』が発売された記念すべき日です。そんなめでたい日にライブ、会場は代々木第一体育館という大きな会場ですが1公演のみ。当然チケットは大人気で取れなかった人も多く、私もマネパカード先行でなんとか行くことができました。


 去年のクリスマスのワンマンライブが素晴らしすぎたので今回もすごく期待していて、だけどクリスマスの有明コロシアムとは規模が異なる大きい会場ということもあり、そういう大会場で楽しめるのか若干の心配もありました。初めての代々木というと私はPerfumeを思い出してしまうわけで、私が最後に行った代々木第一体育館でのライブは2009年、Perfumeの代々木体育館での初ライブだったのですが、あれは本人達も悔しがっているほどの出来でしたからね。会場が大きくなるとこれまでと同じ見せ方では通用しなくなるのです。


 そんな不安もありつつ、ライブの日が近づき周りでチケット発券の話題が出てくると、マネパカードでも良席が来るわけではないということが察せられてきて、緊張しながら私も発券したらなんとアリーナ席でした。ありがとう泣。券面にはEブロックとあって、後方なんだろうなということがわかりましたが、チケット取れなかった人もたくさんいる中でライブを見られるだけでも感謝ですよ。


 私はアリーナクラスの会場のアリーナ席でライブを見たことがほとんどなくて、だいたいスタンド席で、そういうときはスタンド席は遠いけどアリーナの後方で埋もれているよりは全然いいよと半ば負け惜しみみたいな感じでライブに臨んでいたのですが、今回本当に埋もれるんだなということを実感しました。前方に背の高い人がいたからステージのちょうど真ん中が見えなかったのが本当につらかった。じゃあスタンド席のほうがよかったかというとそういうわけでもなく、やはり遠くてもアリーナ席、稀にメンバーが近くにまで来てくれました。平手友梨奈さんをあんなに近くで見られるなんて滅多にないことで、メンバーが近くに来てくれたことに関してはアリーナ席に感謝しています。


 アニバーサリーライブのチケット最先行はマネパカード会員の申込で、私もそれでチケットが当たって行ったのですが、当然私の周りもマネパカード先行の人ばかりで、この先行は1名のみの申込なので周りも皆お一人様です。まあ私はライブをひとりで見ることがほとんどなので全然問題ないのですが。自分は積極的に隣に話しかけたりしないし、おそらく話しかけんなオーラを無意識のうちに出しているような気もするのですが、このときはお隣の男の子から話しかけられました。そう、男の子。大学生なりたてか、もしくは高校生かもしれない。若干訛りがある、第一印象としてはこの春大学入学と同時に地方から上京してきた大学生といった感じの男の子が話しかけてきたのです。その子曰くアイドルのライブは初めてとのことで、ワクワクとドキドキで舞い上がっている様子がテンションの高い口調からよくわかり、質問に答えたりしながらその初々しさにちょっと感動してしまいました。自分が大学生ぐらいのときにこんなにワクワクした感じでライブが始まるのを待っていただろうか。いや、私は緊張で歯を食いしばってたな(未だに開演直前は緊張するし)。その男の子は平手友梨奈さん推しとのことで平手さんは何回か近くまで来てくれたのでよい思い出ができたのではないでしょうか。しかし彼も初めてのアイドルライブのためにカードを作ったりしてすごいですよその行動力。これが超メジャーアイドルの人を動かす力なのかと感心してしまいました。


 前置きが長くなったのでライブの感想はサクッと。一言でまとめると遠かった。いやー、遠かった。アリーナ最後方はとにかく遠かった。実際はいちばん後ろから数えて3列目ですが。2月に見た乃木坂46橋本奈々未さん卒業ライブもSSAの500レベルのいちばん上から見ていて、そちらのほうが遠かったはずですが、今回はアリーナ席なのに遠いということがより精神的距離感を感じさせてつらかった。こう書くとスタンド2階席から見ていたお客さんからは何を甘えたことを言っているんだおまえアリーナだぞとキレられそうですが、スタンド席の最初から遠いなとわかってから見るのと、ライブが始まってみたら実は遠いし見えないし悲しいということが実感として襲ってくる感覚は違うのです(実はと書きつつあらかた予期してるのですが)。前の人の背が高かったので満足にステージが見られなかったのもつらかった。いくらいい双眼鏡を持っていても視界が開けていないと意味ないんだよ。隣の一段高くなっているPA席からはTAKAHIRO先生がライブを見ていて、私もその高台からライブを眺めたかったわ。なので『サイレントマジョリティー』も『二人セゾン』も『不協和音』もメインステージですごいパフォーマンスをやっているなあという雰囲気を音や照明や空気のうねりで感じ取るのみで、彼女達のパフォーマンスのどこがどうすごかったのか説明できるほどよく見ることができませんでした。ライブ中、9割はスクリーンを見ていたからね。


 そうはいっても記憶に残っているシーンもいくつかあるわけで、いちばんすごかったのは『キミガイナイ』でした。クリスマスのライブでも『キミガイナイ』の、特に照明が素晴らしいと感じたのですが、今回も光の演出が素晴らしかったです。曲に合わせて空中を浮遊する光が美しかった。あれを見られただけでもこのライブに来た甲斐がありました。ダンストラックも良かった。それぞれの持ち味が出たダンスパフォーマンスで、佐藤詩織さんはもちろんバレエを踊って、くるくるターンするしーちゃんがスクリーンにばっちり映されて最後方からでもしっかり見られたのでガッツポーズです。やはりこうやってそれぞれのメンバーの良さを引き出してくれるのはうれしいですよね。佐藤詩織さん推しとしては『世界には愛しかない』も良くて、アリーナセンターのトロッコの上で歌った『世界には愛しかない』ではちょうど私のまっすぐ視線の先に佐藤詩織さんがいて、ドラマチックな曲に合わせてかっこよくポーズを決めていたのをしっかり拝めることができたので大満足でした。


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 そしてやはりというか、平手友梨奈さんがすごかった。欅坂46は全員で欅坂46という意識がとても強いグループだと思っているのですが(まあどこだって建前はそうですが)、それにもかかわらず平手さんがセンターに立って欅坂の一等星として誰にも真似できない輝きを放っていたように思います。しかし見ているとセンターは本当につらそうだ…。『不協和音』終わりに菅井様が挨拶する隣で憔悴しきった表情の平手さんは、憑いた悪魔からやっと解放されたかのような険しさを感じさせ、早くセンターの重圧からも解放させてあげたいと思わざるをえません。そういう願いを抱きつつも、一方で平手さんはアリーナ最後方の近くにもよく来てくれて、それはもう感謝感謝です。テレビで見るよりも可愛いと思ってしまった自分にびっくりしましたが。平手さんを筆頭に長濱ねるねるゆいちゃんずあたりは会場の至るところでパフォーマンスしていてすごいなあと思いつつ、やっぱりお客さんへのサービスで近くに来てくれるのは人気メンバーだけですよねという気持ちもありました。アンコール終わりに欅坂全員が場内をトロッコで一周してくれたのですが、一斉に来るとどこに目を向ければいいか戸惑いますね。目の前にすごい可愛い子がいるなと思ったら上村莉菜さんでした。さすが千葉の妖精さん。超美少女だった。


 欅坂46すごいなあということは体感でわかっても、どこがどうすごいのかいまひとつ説明できないアニバーサリーライブでした。勢いか。勢いなのか。やはり代々木第一体育館は広かったし、平手友梨奈さんを働かせ過ぎだと思いました。ひらがなけやきを増員するよりも、漢字欅とひらがなけやきの距離をなくしてひとつの欅坂46として見せてほしい(私はひらがなのメンバーが漢字欅と言うのが本当につらい)。人数が多いグループは難しいですね…。ステージがよく見えなかったというのが、結果的によい感想だけで終わらないこととなり申し訳ないですが、現状の精一杯の欅坂46を見せてくれたことに感謝しかありません。夏あたり、またでかいライブを見たいな。