"STRAYDOG" produce 『問題のない私たち』@シアターグリーン Big Tree Theater

 2015年7月にハコイリ♡ムスメを卒業して以降、表立った活動をしていなかった門前亜里さん。実際は大学受験とその後の大学での新生活に慣れるのに精一杯だったと思いますが、その門前さんが久しぶりに見られるとのことで、しかも舞台だというので見に行ってまいりました。門前さんの舞台演技を見たい見たいと以前から願っていた自分にとって待ちに待った機会です。うれしいことに現ハコムスの鉄戸美桜さんも出演。ハコムスでも演技派としてグループを引っ張っている(いた)2人がどのようなものを見せてくれるのか楽しみでありました。


 作品は過去何度も上演を繰り返している『問題のない私たち』。いじめをテーマにした、見る前から重いだろうなと思わせる作品です。実際重かったわ……。門前さん出演組の初回を見たとき、これをあと2回見ることに耐えられるだろうかと案じました。本当にいじめしかなかった。学校生活の中の青春の一部としてのいじめという感じでもなく、ただただいじめだった。つらい……。


 舞台の空気に押し潰されそうになりながらも、しかし門前さんの演技を見て、私は門前さんの演技が大好きだなと改めて思いました。伝わりづらいですが、演じていくうちに舞台上で透きとおっていく感じが大好きです。いやーでも好きな人が足蹴にされるのつらいなー……。


 鉄戸さんは歌を歌うシーンがあって、その歌が素晴らしかった。イントロが鳴った瞬間に、あ!! これは大好きなくるりだ!! 鉄戸さんがくるりを歌ってくれる!! と高まったものの、なんか違う、これなんだっけと少し迷った後にYUKIの『JOY』だとやっと気付いて再び高まりましたね。くるりも好きだけどYUKIも大好きなんだよ。鉄戸さんの歌は歌詞を丁寧に歌うところに優しさが垣間見れて、それが門前さんをいじめているときの鉄戸さんとは真逆な感じで、何故演劇の途中で歌が入るんだと疑問に思いつつも鉄戸さんの歌が聴けてとても幸せでした。初回公演の最後にはミニライブがあって、そこでは鉄戸門前によるゆず『夏色』を披露。夏が始まりましたね。


 作品自体は本当につらいですが、門前さんの演技を久しぶりに見れたことが何よりもうれしかった。それに尽きます。感謝。



追記
 『問題のない私たち』を初めて見たので過去の公演がどうなのかわかりませんが、後半のリストカットの話は演者を増やすためのオプション的な話ですよね?? 急に話が変わってびっくりしたよ。ただそこでの主役だった池田朱那さんの演技はすごかった。懸命に生きる瞳の強さに引き込まれまくったし、だからこそ最後の歌のシーンでのセンター池田さんがあの中でいちばん輝いていた。最後の池田さんの瞳でこちらの魂を鷲掴みにしてくる勢いが本当にすごかった。しかし一緒に見た知り合いは池田さんが演じたような泣き叫ぶ役はハマれば誰でもそこそこいい感じになるはずで池田さんがすごいのか役得なのかわからないと言っていて、確かにそこは難しいところだなと思いましたが…。