ハコイリ♡ムスメ『Season in the BOX ~ムスメたちが駆け抜けた季節~』@AKIBAカルチャーズ劇場(20160126)

  1. 抱きしめて
  2. baby blue
  3. いじわるねDarlin'
  4. 天使のアリバイ
  5. アンブレラ・エンジェル
  6. 微笑みと春のワンピース
  7. いちご水のグラス
  8. なかよし


 思い入れの多い曲がたくさんで、懐かしい気持ちになれた。公演の趣旨通り、季節を振り返れて、最後にはため息をつくしかない心でステージを見つめていた。


 ハコムスの皆がMCで2015年春を振り返る。ハコムスと、そして門前亜里さんと、数え切れないほど楽しい思い出がある春。その季節を彩る曲をたくさん聴けて本当にうれしかった。まさか『いちご水のグラス』を再び聴けるとは。


 いなくなった門前さんの代わりに内山珠希さんが歌って、私の大好きであるところの優しく歌おうとする珠希さんと、別れたくない悲しさを力強く歌に込める鉄戸美桜さんが重なり合って美しい二重奏を響かせていた。歌う人が違えば、湧き上がってくる気持ちもやはり違ってくる。あの春の『いちご水のグラス』はあの春だけのもので、今は今。この冬のハコムスの歌唱を引っ張る2人による『いちご水のグラス』は今のハコムスの成長をしっかりと伝えてくれる安心感があった。珠希さんが可愛く歌うと、他の誰よりも健気さが出てくるというのが良さだなと私は思っている。この曲でも鉄戸さんに合わせるような珠希さんの歌に優しさを感じた。


 『いちご水のグラス』を歌い終わった後に「大丈夫ですか? テンション下がってないですか?」と客席を心配してたが、全然最高だよ激上がりだよ。静かな曲だからテンション下がると思われてるのだろうか。曲の世界に浸っていて、心の中で静かに高まっているのであって、つまらないなんて全然思ってないよ。わかりやすく盛り上がる曲が正義みたいな風潮は辛いし、そういう盛り上がりだけがすべてじゃないという世界の広さを見せてくれるのがハコムスだと思っているので、そこを履き違えないでほしい。


 先日のハコムス定期公演で『微笑みと春のワンピース』落ちサビの阿部ちゃんがエモいと、ぽにょが述べていたけれど、この日見た阿部ちゃんも確かにエモみがあった。だが、そう言われちゃうと冷静に聴いてしまう自分がいるので、なんだかなと思う。これで神岡実希さんが戻ったら、その落ちサビパートはどうなるのだろうか。


 最後はもちろん『なかよし』。最近のエモ重視のハコムスにとっていちばんエモい曲。いつまでもなかよしでいようと歌う曲は、メンバー同士、メンバーとファン、いろいろな関係を包み込んで大きな幸せで満たしてくれる曲。目の前が阿部ちゃんだったのだけど、ダンスがダイナミックで見ていてウキウキしたくなる軽快さが素晴らしかった。楽しそうに踊る阿部ちゃんが最高で、加入してたの頃の緊張した面持ちだったことを笑えるようになれたことは本当に良かったと思う。先日の定期公演と同じく、阿部ちゃんを見ていたら時の流れをひしと実感して、再び泣きそうになった。辛いときも続けてくれてありがとうという気持ちでいっぱいだ。


 ハコムスと一緒に過ごしたこれまでの季節を巡る『Season in the BOX』、これが2回目の公演だが、毎回いろんな記憶を思い出して、しかし目の前にはその頃よりも成長したハコムスの皆がいることに眩しさを覚える。これからの公演も楽しみだよ。