ハコイリ♡ムスメ『ハコイリ♡ムスメの定期便11月号 〜カシオペアに囁く恋の前奏曲〜』@AKIBAカルチャーズ劇場(20151121)

 女優志望の女の子7人からなるアイドルグループであるハコイリ♡ムスメ。癒しと安らぎ、そしてときめきを届けるグループとして季節と共に優しいステージを届けてくれます。10月から新しい秋のセットリストが始まり、そして11月、秋も深まってきました。対バンに出たり、秋の野外イベントで歌ったりしても、やはりホームは月1度の定期公演。ここでしか見せられないステージの空気は確かにあるので、とても楽しみにしつつ席は久しぶりによい番号が来たので2列目真ん中辺り。ここからならセンターで輝く小松もかさんをしっかり見られます。

  1. さよならのプリエール/ハコイリ♡ムスメ
  2. ロマンスは偶然のしわざ/新田恵利
  3. 少女時代/斉藤由貴
  4. 深呼吸して/渡辺満里奈withおニャン子クラブ
  5. テンダー・レイン/高井麻巳子
  6. 落ち葉のクレッシェンド/河合その子
  7. うたたねのソファー/Qlair
  8. ゆっくりと好き/ribbon
  9. Moonlight Express/CoCo


 OP映像からハコムスの空気を作っていく、その導入の仕方が好きです。前回見たときは小松もかさんお人形さんだなーの印象が強かったですが、 この日は我妻桃実さん(ぽにょ)の何かを待っているような表情に惹きつけられました。静かなOP映像が終わり、メンバーが出てきて始まったのが『さよならのプリエール』。始まりからゲイン振り切るくらい静謐です。この曲は皆さんの歌が本当に良いです。去年の夏のハラハラするような、その緊張感でこちらの胸をドキドキさせる吊り橋効果を図らずも生み出していた歌から成長して、歌声とメロディーがちゃんと調和している美しさがあります。ゆったりした曲調だと勢いでなんとかできるというものでもありませんし、どこまで世界に引き込めるかという女優としての力が試されるわけで、そこでハコムスの魅力が十分に伝わるというのはすごく良いことだなと思います。この曲の振付は『Be My Diamond!』を想起させる1列に並ぶシーンが大好きだし、間奏での鉄戸美桜さん阿部かれんさんのバレエも素敵で、その2人に合わせるように全員で踊るシーンのふわっと空気が優しく膨らむ瞬間がたまらなく好きです。1曲目から迷いを生じさせることなくハコムスの秋の世界観を見せてくれました。


 続いては2曲連続で、『ロマンスは偶然のしわざ』は撮影可能だったので、カメラのファインダー覗きながらの鑑賞。ぽにょを見つめて可愛いなー可愛いなーと思いながら撮ってましたね。今回のカットはぽにょ多め。『少女時代』は秋セトリでも大好きな曲のひとつ。2番出だしの「金色に輝いた少女達…」からの流れが大好き。切なく悲しいけれど、それでも過去を肯定したくなるような眩しい夕焼けを感じます。指揮者とバイオリンの振付も秋らしくて好きです。


 MCでは私が見つけた小さい秋、ということでメンバー1人ずつ秋らしい写真を公開。紅葉だったり芋だったり、皆さんそれぞれ秋の写真を紹介していく中で、鉄戸美桜さんはまさかの自分と食べ物のコラージュでした。コラかい(笑)。自分と秋らしい食べ物が一緒に写ってる写真が無かったとのことで、わざわざコラージュしたそうです。その努力に号泣だ…、ということでもなく、食べ物じゃなくても紅葉とかどんぐりとかの写真を挙げたメンバーもいるわけで、コラージュしてまでも食べ物と自分の写真を秋の写真としたかった鉄戸さんの真意は何なのか気になります。やはり食いしん坊キャラというところにこだわりがあるのでしょうか。でも鉄戸さんは基本的に食べ物を撮るときは食べ物単体で撮るらしく、そこで美味しい食べ物と一緒に写る私可愛い♡♡ みたいな人ではないことに好感を持てます。あと内山珠希さんの自分が好きな食べ物は独り占めするという話に、唐揚げが毎度のことで取り上げられ、本当食べ物の恨みは深いです。他にも珠希さんは、阿部かれんさんが庭の木の話をしたら、私の家にも庭あるとかいちいち反論していく、とてもピュアなお嬢様っぷりを感じさせます。そういう邪気の無い口ぶりを見せられると、実は腹黒いのではないかと噂があるとかないとかのハコムスの面々の中で、珠希さんがいちばん純真無垢ではないかと思ったりもします。


 そんなMCからのユニット曲3曲。『深呼吸して』はほぼソロの小松もかさんが素晴らしいのは言わずもがなですが、バックのぽにょが表情や仕草で魅せてきて、そちらに目が行ってしまいます。バックとして埋もれないようにがんばるぽにょ良いですよ。珠希さんはちょっと視界が悪かったのでよく見られませんでした。続いての『テンダーレイン』は鉄戸美桜さんの歌が素晴らしかった。歌声の出だしの力強さがとても頼もしくて、綺麗にメロディーが紡がれていきます。鉄戸さんの歌には、心を委ねて安心して聴ける心地良さがあります。対する阿部かれんさんも鉄戸さんに引き寄せられるように良い歌を聴かせてくれて、『さよならのプリエール』でもそうですが、この2人が秋の助演女優に相応しいステージを見せてくれます(主演はもちろん小松もかさんです)。ユニット曲最後は菅沼もにか神岡実希による『落ち葉のクレッシェンド』。もにちゃんのシュガーコーティングされたような歌声がリズミカルな旋律によく合います。一緒に歌う神岡実希さんが受験のために休業すると、この曲はもにちゃんのソロ曲となるわけで、これからはさらにもにちゃんの世界が広がるのでしょうか。


 ユニット曲の後は再びのMCで、ハコムス学級会という普段疑問に思ってることを調べて発表するという趣旨だそうです。今回はハコムスのニックネームがどれほど定着しているかの調査だそうで、スタッフ調べによるニックネーム定着率ランキングが発表されました。詳細は省くとして、いちばん定着してるのが我妻桃実さんのぽにょで、定着してないのが阿部かれんさんのハルカスでした。ぽにょは当然ですよね。本人もぽにょというニックネームのおかげでコピンクスの仕事も出来たと言ってますし、このニックネームは大正解でしたね。僕もぽにょという名前大好きだし、最近はぽにょ語を習得しているのですがなかなかぽにょとうまくコミュニケーションが取れません。阿部ちゃんはハルカスだからはるかちゃんと呼ばれることもあるというのが面白かった。もにちゃんは初対面の人はもにちゃんと呼んでくるけど仲良くなってくるともにかと呼び捨てにするというかなり赤裸々なお話をしていて、こちらは苦笑です。自分はハコムスに限らず、人に対して全般的にさん付けで呼ぶし、僕がぽにょと呼ぶのは例外なのであって、呼び捨てで呼び合える関係性ってなんだろなと思ったりします。その辺りの距離感の捉え方には人それぞれあると思いますが、ステージに立つ人は違う世界の人間だという認識があるので、やはりそこは敬意を払いたくなるのです。と考えるとぽにょはどうなのかという疑問も生まれますし、いつまでぽにょなのかなということも考えてしまいます。


 このニックネームランキングではそういうさん付け云々よりも重要なことがありまして、珠希さんのニックネームにたまきエンジェルが入っていませんでした。これは由々しきことですよ!! みんな忘れているし忘れちゃって大丈夫な話なんですが、僕はたまきエンジェル、もにかデラックス、みきハッピーという今は無いインスタグラムアカウントの名前が大好きで事あるごとに思い出します。なのでLove Peace Worldな珠希さんにはたまきエンジェルという名前が最高に似合うと僕は今でも思っています。それはもにかデラックスについてもみきハッピーについても同様で、みきハッピーの多幸感なんて神岡さん最高じゃないですか。でもまあ、もう無いアカウントの話なので今更という気もしますし、しかし、たまきエンジェルだけは語り継いでいきたい。語り継いでいかなければ消えてしまうスピリットがあるのではないかと、そう思うわけです。だからこれからも僕はたまきエンジェルを使っていきますよ!!(最近あまり使ってなかったけど…)。


 そんなニックネーム悲喜こもごもの後は新しいカバーでした。Qlairの『うたたねのソファー』。ひと足早いクリスマスソングですね。この曲のためにステージにソファーが出てきました。そしてハコムスがソファーの周りで眠り始めます。まあその寝顔が可愛いこと。そしてここでも小松もかさんでした。だいたい秋セトリでは小松さんがセンターになることが多いのですが、この曲でもセンターになる場面があって、そのときの小松さんがすごかった。青いライトを背景にして、あの瞬間、V字型の真ん中に佇む小松さんは北極星になっていました。小松さんを見ていれば何も迷わない、そう思わせる凛とした美しさがありました。


 最後は『ゆっくりと好き』と『Moonlight Express』。公演の締めが『Moonlight Express』というのが本当に綺麗な流れで、これが最後に歌われると、秋の夜は静かに更けるという感じになって、明日への希望を胸に目を瞑ろうという気になるのです。この曲は1番サビのぽにょと大サビの神岡実希さんの歌が僕は大好きで、この日も神岡さんの歌を聴いて泣きそうになってしまいました。ここ最近神岡さんの歌が好きすぎて困る。最後はハコムスが1列になって会場をぐるっと一周して終了。希望を感じさせる終わりでした。


 11月も素晴らしい公演でした。毎月こうやって季節と共に移ろうハコムスの姿を見れることは幸せです。公演の帰り道、ステージ上で星空のように輝いて見えたあの瞬間を思い出し、慈しんで噛みしめるように夜の道を歩くとき、とても大きな安らぎで心が満たされ、前へ進む一歩が軽やかになります。今月もありがとうございました。