『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』

 ベル・アンド・セバスチャンのスチュアート・マードックが監督した作品。そりゃ最高です。精神病院で先の見えない暮らしをしていた主人公イヴが、仲間と音楽に救われて前へ一歩進むという、大雑把にまとめるとそんな話なのだけど、劇中のファッションと音楽がとにかく素敵。素敵というのは、僕がベル・アンド・セバスチャンとスチュアート・マードックが大好きだから素敵と思う、というだけなのですが、心の青い部分を揺さぶってくるメロディーに僕は大変弱いのです。実は初めて生で見た洋楽のライブがベルセバで、だからというかベルセバは洋楽バンドの中でも一際思い入れがあります。そのときのライブはめちゃくちゃ眠くて、最後方から見ながら、ときどきうとうと眠ってしまったことを覚えています。それから数年後、この映画でもベルセバっぽい音楽が終始鳴っていて、今回も前半はかなり眠かった。心地良すぎるのか、僕はベルセバっぽい音楽を大音量で聴くと眠くなる傾向があるのがやっとわかりました。でもこの映画、ストーリーがあるようで無いような、いや確固とした物語、女の子(と呼ぶには大人の女性だけど)が成長するストーリーが存在するのですが、集中してすべてを追いかけないと映画がわからないというものではなく、もうスクリーンの雰囲気と音に身をゆったりと委ねていればよい感じなのが、多少うとうとしても許されるような気がしました。恋というよりも友情の結びつきが強く出た、甘酸っぱい青春映画。甘酸っぱいなんてありふれた言葉、この映画のために存在するような、そのくらい青くて、でも明るいだけではない苦みもあって、甘酸っぱいですよ。最高でした。


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