夏のハコムス宮城旅行記

 大好きな女の子達を追いかけて遠くの場所まで旅をするって最高に素敵なことですよね。ハコムスの宮城遠征、本当に楽しい夏の旅行でした。


 ハコムス初の東北。出演したのは宮城県大崎市で開かれるおおさきジャンボ肉まつり。お肉のイベントです。癒しと安らぎ、そしてときめきを届けるアイドルグループであるハコイリ♡ムスメは、実はお肉大好きなグループでもあり、過去には駒沢での肉フェスでライブもしています。また、唐揚げで大喧嘩するなど、グループコンセプトのお淑やかさとは裏腹に、そのお肉に対する執念は並々ならぬものがあります。中でもいちばんの肉好きなのは、今夏ハコムスのセンターでもある内山珠希さんで、この肉まつりについて話すときの興奮度合いが本当にやばかった。珠希さんのうれしそうな顔を見たら、うちらも宮城まで行かなくちゃだめでしょ、とハコムス盲目オタクの僕は東北に向かうことを決意。今年の夏、初めての旅行です。


 思い返せば去年の夏、ハコムスの新人公演千秋楽を見て、みんなの涙に気持ちを昂らせたまま、その夜に夜行列車で僕は香川に向かいました。香川では、素晴らしい景色をたくさん見て、美味しいものをたくさん食べて、本当に楽しかった。そしてそのとき、一緒に香川を旅行した5人のうち3人(自分(@yuribossa)、ロールケーキにいさん(@haniwa2k)、みずたまさん(@_mi_zu_ta_ma))が今ハコムスにハマっています。今年のTIFなんて、ずっと3人で行動してました。その3人が今年はハコムスを追いかけて宮城まで旅してきました。ハコムスは僕らをどこまでも運んでいきます。日帰りという少々急ぎ足な旅行でしたが、それでも宮城を堪能してきましたよ。


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 去年の香川旅行はみんなバラバラに香川に向かい、当日高松駅に現地集合という個人行動の極みを呈していましたが、今年もご多分に漏れず朝の仙台駅に現地集合。夜行バスもいれば、僕のような始発新幹線の者も。8時には仙台駅の新幹線改札口で3人合流。そのまま朝の8時から開店している牛タン屋でモーニング牛タンを決めるパターンも考えましたが、メインの肉まつりも考慮してスルー。代わりに宮城出身で劇団ハーベスト広瀬咲楽さんも大絶賛のずんだシェイクを頂きました。テレビでも紹介? されていて大人気だそうです。メディアに踊らされすぎかなーと苦笑いしつつも、これが思ってた以上にずんだ感溢れていて美味しかった。さすがずんだの街、仙台。


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 仙台はあいにくの雨模様。これまでハコムスの野外ライブは毎回天候に恵まれていたので、いったいどうしてしまったんだという感じ。でも仙台は雨でも大崎に行けば晴れてるでしょと、楽観論で考えるしかありません。会場最寄りの田尻駅までの電車は1時間に1本とはいかなくてもかなりの僻地らしく、検討した結果、大崎の肉まつり会場まではレンタカーです。3人とロールケーキにいさんの仙台の友人I氏の計4人でレンタカーに乗り込んでいざ出発。運転はロールケーキにいさんですが、普段は乗らないらしく、しかも夜行バスからの運転ということでハラハラドキドキです。果たして無事肉まつりに辿り着けるのか。


 高速道路で北上し、会場に向かっている最中も、もう現地に到着しているハコムスオタがいて、その現地レポが戦場さながらの泥沼画像しか送ってこないのでこちらも戦々恐々。本当に開催されるのか。公式サイトもページによってはcoming soonのままで不安ばかりが募ります。我々が赴こうとしているのは未開の地かというほどの泥だらけのレポ画像に恐れをなし、汚れても大丈夫なサンダルを買おうと道中のコンビニやスーパーに寄り道して、なんとかロールケーキにいさんはサンダルを確保。僕はスニーカーでがんばります。仙台を離れたら雨も止んできて、でも絶対に晴れることは無いであろうどんよりとした空模様に押し潰されそうになりながらも田舎の道を走り続けます。高速を降りてからは田んぼが広がる道を進み続け、本当に田舎ですねと感動しているうちに、ちょっと近代的な建物が見えてきたなと思ったら、それが大崎市田尻総合体育館。ジャンボ肉まつりの会場はその体育館の隣のグラウンドです。トラブルも無く到着できて一安心。駐車場に車を止めて会場を遠目から見ると、なんだか地面は緑色だし、あれれ? RPGで歩いただけでHPが減る毒沼のような現地レポの画像はほんの一部では? と期待を抱いたのですが、世の中そんなに甘くなかった。ビターどころかカカオ120%のチョコレートよりも苦く厳しい現実が待ち構えてました。肉まつり入場ゲート前に広がっていたのは雨をたくん含んでぬかるんだ地面。肉まつりに入場するにも試練が…。一歩一歩が慎重にならざるを得ません。やっとこゲートをくぐり肉まつりに入場して、どこに向かおうとしても地面がぬかるんでる…。地元民がBBQをやっている場所はなんとかそれでも地面が固いのですが、いたるところ泥沼で非常に険しいお祭り会場です。とりあえず屋台で何か買おうとしても、屋台のある通りですら泥道。とんだサバイバルです。そんなこんなで屋台を巡っても、あまりお腹が空いていなかったのでお肉は少ししか食べませんでした。ごめんなさい…。ロールケーキにいさんの友人I氏は到着早々ビールで始めていて、とても楽しそうにしているのでそれだけはホッとしています。初対面だし、まったく知らないアイドル現場に連れてこられ、しかも悪天候でどうなることやらと思ってたのですが、案外楽しんでいたので、そのおおらかさに救われました。ぶらぶらしてたらご当地キャラクターのおっち君と遭遇して一瞬テンションが上がるも、足元を見ると現実に気付かされ、なんだかこちらまで落武者になったような気分にさせられます。


 雨はパラパラ降ったり止んだり。でも傘を差すほどではありません。ハコムスが終わるまではお天気もってくれーと祈りながら、ライブ時間も近付いてきたので肉まつり会場奥のほうに作られたステージに向かう私達。そこで目の前に突きつけられたのは、アイドルを推すってことがこれほどまでに過酷なのかと挫けたくなるような景色でした。それまで自分達が歩いていた肉まつり地面がレベル30だとすると、ライブステージ前の客席付近は泥沼レベル90を超えてました。土と水が1対1かという具合で、アメリカ横断ウルトラクイズのグアムでの不正解で飛び込まされる泥沼が一面に広がっていました。踏み込む足がググッと地面に沈み込みます。それでもハコムスが待ってるなら進まなければならないし、この戦線は突破しなければならないのです。という感じで足を掬われぬよう踏み締めながら前進、門前亜里さんがいた頃からの定位置である下手最前を確保。ステージと客席の間のスペースも見渡す限り泥沼で、まるでアイドルとファンの住む世界を完全に隔てているような絶望を感じさせる空隙がそこにありました。我々は泥の中をもがきながら生きているんだと、暗に示されているようで陰鬱になりつつも、しかしハコムスが登場したら世界は美しく変わります。泥だらけの客席から目を背けるようにステージを見上げれば、そこにはハコムス。世界は一瞬で天国です。ハコムスはこの日も真っ白の夏衣装で、だけどちょっと肌寒そう。尚、夏衣装を彩る素敵な花飾りが付いた帽子はやはり嵩張るのか持ってきていなかった模様です。

  1. レモネード・キッス
  2. 告白
  3. 夏に急かされて
  4. なかよし


 始まりこそ『レモネード・キッス』で優しくハコムスの世界を作り上げましたが、その後は盛り上がる曲の連続。雲を吹き飛ばすほどの勢い、とまでは行かなかったものの、やはり野外のハコムス、最高です。本当に、泣きたくなるほど野外のハコムスは最高。天に届けとばかり、グンと空に手を伸ばす我妻桃実さん(ぽにょ)のダイナミックな動きに僕も空を見上げたくなります。この日はぽにょが元気いっぱいで楽しそうで、それが本当に良かった。ステージに立っているときは、それはアイドルとしての演技なのだろうけれど、だけれども計算の見えないぽにょの笑顔が好きです。太陽がどんな人にも平等に光を照らすのと同様に、ぽにょの笑顔も邪な心が無く、屈託のない笑顔がすべての人に降り注ぎます。ぽにょについては、ここ最近ロールケーキにいさんがぽにょの筋肉が良いと力説していて、自分も注目して見ているのですが、確かにぽにょの筋肉の躍動感は見ていてグッと拳を握りたくなるような良さがあります。筋肉フェチではないので、どの筋肉がどう良いというのはうまく言えないけれど、そのぽにょの動きには、音こそ無いもののエモーショナルな響きがあります。でもやっぱりぽにょの魅力は笑顔だなあ。ほっぺたぽにょぽにょしたくなります(僕がやったら逮捕)。


 4曲は少ないなあと思ったけど、最後の『なかよし』はかなりエモくなってしまって、涙が込み上げてきたのはここだけの内緒。『なかよし』の歌詞にある「晴れたり曇ったり雨が降っていたって、変わらずにずっとなかよしでいよう」が、今この状況とシンクロします。みんな大好き。『なかよし』にはたくさんの思い出があって、そのどれもが忘れ難いものなのだけど、こうやって歌っているところを見ると、過去に囚われている自分がいることに気付かされます。当然だけど、ハコムスはみんな今を生きている。曲と絡み合った僕のちっぽけな思い出なんかよりも、今この瞬間歌えることこそが素晴らしいのだと晴れやかにステージで歌うハコムスを見ると、自分も前を向いて生きてかなくちゃなと思うわけです。そう思わせてくれることがアイドルなのでしょう。『なかよし』にまたひとつ、素敵な記憶が書き記されたよ。


 満足した気持ちでライブ終了。宮城まで来てよかった。そんなわけだから、直後の特典会で財布の紐が緩くなるのも仕方のないことです。物販の手伝いを率先してやっていた阿部かれんさんのツインテールがとても可愛く、近くで見ていても現実感の無さがすごかったので、それを残すためにはやっぱりチェキを撮ってしまいますよね。この日はチェキをいっぱい撮っちゃったよ。ぽにょが通りかかった小さな男の子に手を振っても、男の子は恥ずかしがってそっぽ向いちゃったのは微笑ましかった。太陽は出ていなくとも、野外でのびのびとしているハコムスを見るのはとても幸せなことです。特典会の合間でじゃれあっているハコムスを眺めていると、僕はかけがえのない夏休みを過ごしているんだなという思いが強くなります。彼女達を眺めているだけでも天国なのに、握手会に参加しようものなら、キラキラが眩しすぎて正視出来ない…。テンション高く話しかけてくれた神岡実希さんにこちらも声が上ずり、夏が弾けるとはこのこと。神岡さんのいたずらっぽい笑みが記憶に残っています。握手会の並びの最後は鉄戸美桜さんで、こちらこそ感謝したいのに逆に厚く感謝されて、しかもその鉄戸さんの声がふわふわと綿菓子のようで、僕までふわふわです。そのまま浮いて真夏の入道雲になりたい。締めに鉄戸さんから優しく話されると、まるで鉄戸さんが旅館の女将みたいで、良い旅であったなあと深く癒されるあたり、やはりハコムスは最高なのです。大満足でジャンボ肉まつり終了。楽しかったー。宮城さいこー。ハコムスありがとー。


 帰途もロールケーキにいさんの運転で仙台まで。眠気に負けず運転するにいさんの後ろでは、みずたまさんがハコムスの夢を見ているかのような熟睡。楽しかったのだから眠くなるのもしょうがない。仙台に着いたら勾当台公園では24時間テレビのイベントをやっていて、そういえば去年の香川旅行ではロールケーキにいさんが24時間テレビにインタビューされたねとか話しているうちに次の目的地に到着。お肉の次は甘味です。入店したのは甘味処彦いち。僕はずんだもちを頂きました。あまりアピールしてないですが、僕はずんだあんが超大好き神単推しで、仙台で本場のずんだが食べれて本当に感激でした。美味しいよー。でも他の人が食べてたずんだあんのあんみつも美味しそうだったなあ。そちらはずんだのこしあんでとても上品そうでした。ハコムスに続いて甘いものと、皆幸せに浸っています。


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 この後は青葉城址に行って伊達政宗と2ショット撮ろうという流れだったのですが、日も暮れてきたのでやむなくキャンセル。そのまま夜ご飯に突入です。ハコムスを見る以外は食べてばかりですが、旅行とはそういうものですよね。仙台といえばもちろん牛タンですが、いやお寿司も捨てがたいぞというわけで、牛タンとお寿司で喧々諤々議論した結果、吹っ切れてる最近の神岡実希さんは最高ということになり、仙台在住I氏お薦めの寿司屋に向かいました。仙台駅から近い、寿司屋というより寿司居酒屋の趣もあるうまい鮨勘というお店で、お寿司よりも味噌汁に感激する我々。去年香川で飲んだ味噌汁がめちゃくちゃうまかったので、旅行先で味噌汁を飲むとつい香川を思い出してしまうのです。いや、お寿司も美味しかったですが。秋刀魚がネタ切れで食べられなかったのだけが残念。あと寿司屋に行っといてなんですが、肉まつり旅行のはずが「#肉とたまき」を出来なかったのも心残り。「#肉とたまき」というのはハコムス栞を写真に映りこませる「#はこむすといっしょ」の1バリエーションで、お肉と内山珠希さんの栞の2ショットのことを特別に「#肉とたまき」としてインスタグラムに上げることです。しかしこのハッシュタグは、この3人しかやっていません。もっと流行らせたい。お寿司で満腹になると心も穏やかになり、肉まつりの感想もぽつりぽつりと出てきます。阿部ちゃんの興奮してくると早口になるところ可愛いよねとか、小松もかさんのダンスは派手さは無いのに何故かっこいいんだろうねとか。


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 お寿司を食べて仙台を満喫して、さあ帰ろうと新幹線の指定席を取ろうとしたところ、どれも指定席は満席。えっ…。日曜日の夜だからか、はたまた仙台駅に溢れる赤西仁のコンサート帰りの女性達の影響か、帰京できるのかちょっと不穏な空気になってきました。しかしみどりの窓口で聞いてみると、自由席なら空いているとのことで、その新幹線の出発は数分後。ならばそれに乗っていきましょうと、急いでホームに駆け上がる前に向かったのはずんだ茶寮。帰りももちろんずんだシェイクを飲みます。シェイク売り場前には行列もできていましたがなんとかずんだシェイクを購入し、新幹線に滑り込みました。I氏とはここでお別れ。会う前はどんな人だろうかと緊張したけど、いい人でよかった。幸運にも新幹線の自由席は空いていて、3人並んで座れたので一安心です。シートでリラックスして飲む、本日2杯目のずんだシェイクが体に沁みます。帰りは思ったよりも時間の進みが早く、あっという間に東京に到着。日が変わる前には帰宅できました。


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 この夏はハコムスにとって大きな成長の季節だなと改めて感じます。なにせ今のハコムスはオリジナル曲を3曲持っているのです。結成した当初は、過去の名曲アイドルソングのカバーでハコムスのグループコンセプトを明確にし、活動が軌道に乗ってきたところで満を持して発表した『微笑みと春のワンピース』。『微笑みと春のワンピース』には、ずっとカバーばかりしてきたハコムスへのご褒美というか、ハコムスにしかないアイデンティティを授けるような意味が感じられました。しかし、続いて発表された今夏の『レモネード・キッス』と『夏に急かされて』。この夏の2曲からは、ハコムスは勝負に出るぞという決意が強く伝わってきます。そうです、ハコムスは飛び出したんです。今までのカバーという繭で温かく育てられていたハコムスは、この夏やっと羽化したんですよ。大きく羽ばたこうとする躍動が伝わってきます。そうやってもっと大きく飛び立っていこうとするハコムスの姿は凛々しく、今のハコムスはどのライブもひとつとして同じものはありません。それはとても素晴らしいことです。


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 お肉のことよりも泥の記述が多い感想でどうなのかなと思いつつも、いちばんはハコムスが素晴らしかったなということです。野外で見る『なかよし』のジャンプは、悲しみも憂いもすべてを吹き飛ばす晴れやかさがありました。何かを思い出しそうで、でも今目にしているものこそが尊いのです。その瞬間に出会えたこと、思いを共有できたことがうれしい。遠くまで会いに行くことで、より身近に感じられたというか、いつもとは違う環境で出会うハコムスは、より親近感を抱かせるものがありました。皆さんの笑顔は本当に太陽のようです。ありがとう。楽しい楽しい夏休みの旅行でした。