劇団ハーベスト第8回公演『MIRACLE8』

あらすじ:妄想癖のある激羽部大学子ども教育学部二年生、成美。
得意の妄想を活かして物書きになろうとしているが、単位が足りず進級が危ぶまれる。
そこに附属幼稚園での演劇会で最優秀賞を取ったら8単位ももらえる噂が成美の耳に入る。自分の妄想を活かして参加することを決め、仲間を集めていく。
脚本担当になった成美だが、妄想だけでは脚本が書けないことに気付き始め、おまけに周りの仲間は曲者のワガママばかり。成美の書いている脚本にあぁだこうだ言いたい放題。
はたして成美とその仲間たちは無事演劇会を成功させることが出来るのか?


公演情報 | 劇団ハーベスト オフィシャルサイト


 劇団ハーベスト初めてのアクションでした。みんな動く動く。突きも蹴りも、躍動する身体が迫力に満ちていてすごかったです。


 今回の主役は松永ミチルさんでした。とってもがんばってた。ここまでひとりの人物が主役としてフォーカスされた物語は初めてだったのではないでしょうか。松永さん大活躍、獅子奮迅の働きです。本当にすごかった。苦悩しすぎて途中口調が変わったところとか、髪ぐっしゃぐしゃのボロボロの場面とか、最高なシーンの連続でした。


 今回は2チームに分かれての公演。両方に出演するのは松永ミチルさんと山本萌花さんと客演の2人で、松永さんの友人役の久保田紗友さんと宮武佳央さんがそれぞれ公演リーダーとなっていました。その公演リーダー2人が最後の劇中劇でヒーローとなって登場するときの凛々しさがやばかったです。そして超可愛い。なんなんだよ2人とも。登場した瞬間のパッと空間が明るくなる美少女オーラがすごかった。自分は最後列で観てたのだけど、もっと間近で観てたらウィンクで死んでたと思う。くぼさゆはポニーテールで、宮武さんはツインテールで、可愛さの頂点を極めていました。この2人が純粋な可愛さを見せつけてくるのに対して、山本さんの役はウザ可愛い。気持ち悪いぐらいぶりっ子してくる山本さんの言動に本当にイラッときます(褒め言葉)。


 劇中、「やればできるは呪いの呪文」と言いつつも、やればできるの精神でここまできたのが劇団ハーベストなわけで、自分達に対して一歩引いて冷静になって上で、でもやるしかないじゃないのと最後まで突っ走ったのがかっこよかった。その象徴が今回の松永ミチルさんで、おそらく松永さんが劇中で見せた苦悩こそが、ハーベストのみんなが日々直面しているものなのでしょう。


 座長の松永さん以外に良かったなと思ったのは望月瑠菜さん。うまく言えないんだけど、立ち方とか特に声がすごく良かった。やっぱり外部のお仕事をするようになって成長したのか、望月さんのひとりの女優としての核みたいなのが強くしっかりしてきた感がありました。


 前回のたかさら座長にしろ、今回の松永さんにしろ、ちゃんと責任ある立場を任されたらそれに応えて、さらにそこから大きく飛躍するようなすごさがハーベストにはあります。その姿はとても眩しく青春で、たとえひとときでもこの夏で同じ時間を共有できたことがうれしくなります。次は望月さんや川畑光瑠さんあたりに座長を任せて、どんなことになるか見てみたいです。


 劇団ハーベストは毎回泣いたり笑ったり、こちらの胸に残る作品を作り続けていて、それは結構奇跡に近いことであって、そういう作品を体験できることは幸せだなと思います。今回も劇団としての芯を確認するような、かっこよくて面白くて笑えて、これから壁にぶち当たりそうになっても勇気をもらえるような舞台を観れて、本当に良い夏ハーベストでした。ありがとう。