門前亜里さん、ありがとう

 ありがとう。いろいろ文章を考えてみても、最後にはありがとうに集約されて、それは7人のハコムスで歌った『ありがとう』と同じ気持ちであり、あのとき会場が門前さんに対して感謝の気持ちでひとつにまとまっていたように、僕の胸にもありがとうしかありませんでした。本当にありがとう。




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 ハコイリ♡ムスメ(通称ハコムス)は2014年7月に結成された女優志望のメンバー8人からなるアイドルグループ。そのハコムスの最年長メンバーである門前亜里さんが7月19日の定期公演をもってハコムスを卒業しました。これほどファンすべてから愛されている人物はいるだろうかと思えるほど、ファンからもメンバーからもスタッフからも愛されていて、この人がいなければ今のハコムスはありえなかったと言えるほど、ハコムスにとって誰よりも大切な人である門前さん。門前さんが卒業することを発表してから2ヶ月、いろいろな出来事があっても、あっという間に7月19日となりました。たくさん思い出は作れたけれど、寂しさは増すばかりで、でも19日を迎えて、昼の一周年記念公演があまりにも楽しかったのでそこまで暗くならずに公演を迎えることができました。卒業公演は題して『ハコイリ♡ムスメの定期便7月号 ~7月のここにある絆~』。


01. 微笑みと春のワンピース (ハコイリ♡ムスメ)
02. 夏に急かされて (ハコイリ♡ムスメ)
03. レモネード・キッス (ハコイリ♡ムスメ)
04. ホワイトラビットからのメッセージ (渡辺満里奈)
05. ありがとう!おともだち。 (Berryz工房)
06. Be My Diamond! (ribbon)
07. パジャマでドライブ (Qlair)
08. いちご水のグラス (斉藤由貴)
09. はじまり (チェキッ娘)
EN1. ありがとう (チェキッ娘)
EN2. なかよし (上田愛美)


門前亜里が涙の卒業! “ハコイリ♡ムスメは私の一生の宝物” | GirlsNews
公演の詳細はGirlsNewsのほうが詳しいです。


 1曲目は初のオリジナル曲『微笑みと春のワンピース』。最初から門前亜里さんは目に涙を浮かべていました。ただでさえ透明な瞳がさらに透きとおって慈愛に満ちた眼差しになっていきます。今この瞬間の涙と、門前さんが初めてこの曲を聴いたときの涙が重なります。僕も大好きな曲。


 公演の始まりはオリジナル曲が続きます。この日の一周年記念公演で初披露された2曲もやはり最高です。ハコムスのオリジナル曲は間違いがないぐらい最高です。『レモネード・キッス』は曲始まりのキスがとても愛らしいし、『夏に急かされて』は激しいダンスが夏を加速させます。新曲も門前さんはこの日たった一日しか歌わないのに、門前さんにもパートがちゃんと割り振られ、振付もフォーメーションも8人仕様になっていて、まだ今日の公演が終わるまではハコムスは8人だよという全員の強い気持ちが伝わってきて感動してしまいました。


 皆この日のためにレッスンを励んできました。チラシ配りなど、たくさん告知もしました。門前さんに頼りきりだった7人が、素晴らしい公演にして笑顔で門前さんを送り出そうと、誰もがベストを尽くそうとしていました。会場中の視線が集まるときの菅沼もにかちゃんの甘くとろけるような輝き、ファッションショーのランウェイを闊歩するような内山珠希さんの堂々としたセンターでの佇まい、どこを向いてもこれまでで最高のハコムスがいました。


 オリジナル曲に続いては門前亜里セレクションの3曲。と言いつつ門前さんセンター曲の『ホワイトラビットからのメッセージ』は、門前さんがリクエストせずに、これは遠慮してるのかなと他のメンバーが思いやって選んだとのこと。門前さん、人気はダントツですごいのだけど、その彼女は常に脇役で控えめにいようとしているところがアイドルらしからぬ部分であり、僕の好きなところでもあります。そんな門前さんを慮る他のメンバーも優しいね。


 『ホワイトラビットからのメッセージ』は6月以降で聴くのが3回目でしたが、何回聴いても良いものは良いです。センターでそっと語りかけるような門前さんの優しい歌声が、誰に対しても優しい門前さんらしくて、本当に素晴らしかった。ハコムスが歌わなかったら出会っていなかったこの曲を、門前さんが歌うことでより大切に思えてきます。涙まじりの門前さんの心の揺れ動きがそのまま歌声に乗るような、ぎりぎりで震える歌声に僕の胸も締め付けられました。


 『ホワイトラビットからのメッセージ』は遠い人からのメッセージを歌った曲で、僕は手紙を書くのが大好きなので、この曲の遠くの人を想う気持ちが大好きです。ですが、僕も手紙を誰に対しても書くというわけではなくて、書きたくなる人とそうならない人がいて、門前さんは久方ぶりに僕の前に現れた手紙を書きたくなる人でした。正直ちょっと迷惑かなと思うぐらい手紙を書いていたと思う。長いのは怠いから、なるべく短い手紙にしようと努力するのだけど、それでも長文になってしまって申し訳ないといつも思っていました。


 ハコムスと門前さんに出会って手紙を書き始めてから、それまで貯まる一方だった、部屋のレターセットや便箋が少しずつ旅立っていき、それと共に雑貨屋とか文房具屋で便箋を見るのが一層楽しくなってきました。でも門前さんが卒業を発表してから、何を書いたらいいのか、何を伝えたいのか、自分でもわからなくなってきて、結局去る人に対する言葉を持ち合わせていない自分は冷たい人間だなと自己嫌悪するほどになりました。


 卒業発表以降、僕の手紙は言葉が少なくなっていきましたが、一方で門前さんの手紙はたくさんの優しい言葉で溢れていました。『微笑みと春のワンピース』のMV製作のクラウドファンディングで僕は手紙をもらう権利を手に入れて、それで門前さんから手紙をいただきました。その手紙には本当に感動して、ますます門前さんを好きな気持ちが倍増です。卒業していくというのに、これからのハコムスから目を離さないでねと綴る門前さんの気持ちを考えると泣けてくるよ。丁寧に書かれた文章を読んでいると門前さんの声が聞こえてくるようで、ある意味お金を払って手紙を買っているというのに、恐縮な気持ちと胸いっぱいの感謝しかなくて、本当にありがとうございました。


 手紙大好きなので脱線しすぎましたね…。で、こういう自分語りを会社の往き帰りに電車の中でiPhoneのメモ帳に書いていたりすると、集中しすぎて乗り過ごしちゃいそうになって、降りるときに思考が中断されるのが心惜しかったりするわけです。


 門前セレクション、続いては『ありがとう!おともだち。』。大好き。歌っているときのみんなの笑顔が大好き。直前に公開されたインタビューでも触れていたように、去年の夏は全然仲がよくなかった7人(+1人)が、こういう友達についての曲を歌うと、感慨深いものがあります。そういう事実を知ると、原曲を歌っているBerryz工房を少し彷彿とさせるような気にもなってきます。喧嘩したってバラバラにならなかったのは、やはり門前さんの包容力あってこそなのでしょうね。


 実はちょっと前に開かれた『微笑みと春のワンピース』のMV完成披露試写会で、僕は先程の手紙と共に出資特典としてイベントで歌う曲のリクエストをしたのですが、そのときにリクエストしたのが『ありがとう!おともだち。』で、こういう偶然は本当にうれしい。僕が好きな曲を門前さんも好きというシンクロニシティに僕は大変弱いのです。曲の最後に、集合写真を撮るシーンがあって、そのときの笑顔も大好き。とにかくこの曲はみんなの笑顔が大好きなんです。門前さんの笑顔も晴れやかだったな。


 3曲目『Be My Diamond!』も久しぶりに聴けてうれしかったです。一列になって優雅に踊る彼女達に大空を飛ぶ鳥の自由と希望を見出して、ハコムスの無限の可能性と重なります。この曲は撮影可能曲で、ちょうど真ん中辺りの席に座っていた自分は、間奏明けで門前さんがセンターで白鳥のような美しい舞いを踊るところを狙ってカメラを構えていて、いざその瞬間になったら門前さんがセンターにいない(泣)。えっ……。ハコムス8人になってフォーメーションがシンメトリーになって、僕の大好きなシーンが無くなっていました。あそこでセンターで踊る門前さんが大好きだったのに…。


 そして、ここからが怒涛の門前亜里劇場でした。ハコムスといえばお芝居と歌を融合させた劇団ハコムス。曲の世界をより深く鮮やかに描く劇団ハコムスがハコムスの何よりの強みです。その劇団ハコムスの看板女優が門前亜里さんです。幾度となく握手会などで劇団ハコムス良かったよ素晴らしかったよと伝えていて、このハコムスでしか見れない情景が大好きでした。それが卒業公演において、まさか門前さんの劇団ハコムスが全部観れるとは思わなかったので、もう本当に感謝です。


 最初は『パジャマでドライブ』。もう一度これが聴けるとは思わなかったよ…。「朝もやの国道…」で静かに始まる世界、遠くを見つめる3人。この曲は3人で作り上げるもので、門前さんと小松もかさん、菅沼もにかちゃんのバランスが絶妙で、どこにも偏りがない水平線を望むような歌の世界に僕は漂っていきました。劇団ハコムスになってさらに、限界がないかのように門前さんの瞳が透きとおっていきます。


 曲が終わると幕の転換のために他のメンバーが出てきてMCをするのですが、我妻桃実さん(ぽにょ)のトークの切れ味がこれまた鋭い。嫌味にならないぎりぎりのラインで切り込んできます。MCの流れで内山珠希さんがお得意のふざけた謝罪をすれば、何故か神岡実希さんまで謝罪させられる始末で、お別れの公演なのに笑いの絶えない雰囲気に、笑顔で門前さんを送り出そうという皆の優しさが窺えます。からあげ動画以降、神岡さんのキレキャラが板についてきましたが、こうやって笑いに変えられるのもやっぱり仲が良いからで、それまでいろいろあったであろう衝突の末の団結力にグッとくるわけです。


 MCの合間に用意されたのはキーボード。マイクスタンドにペダルまであります。まさか……。


 『微笑みと春のワンピース』のクラウドファンディング特典のMVメイキング映像で、門前さんがピアノを弾いている場面が少しだけ収録されており、門前さんのピアノいいなあと思ってましたが、この最後の日にまさか弾き語りが聴けるとは思ってもみませんでした。しかも大好きな『いちご水のグラス』。お芝居のほうも過去2回と比べて、より静かに、沈黙がすべてを語るぐらいの静寂に満ちていました。そりゃそうだよ。門前さんと鉄戸さんだったら言葉などなくても気持ちは伝わるはずだもの。


 鉄戸さんの消え入りそうな「行ってらっしゃい」で終わったお芝居。暗闇の中で譜面を広げる門前さんが鍵盤の上に指を置き、始まったのが『いちご水のグラス』。綺麗なピアノでした。綺麗な歌でした。


 涙で溢れそうな肺から押し出すようにこぼれ出た門前さんの歌声が静寂に響き渡ります。合わせる鉄戸さんの歌声も門前さんと同じぐらい繊細で、優しく囁くように届いてきます。公演の何日か前、2人だけで事務所で練習していたと言っていましたが、まさしくこれのことだったのですね。離れていく門前さんを求める鉄戸さんの歌声が切ない。メンバーの中で誰よりも親密な関係を築いている2人だからこそ生まれる、共に相手の心を思いやる息遣いが聞こえてきて、とても美しい時間でした。しかも最後、鉄戸さんの歌声に門前さんのピアノがそっと手を取り合うような儚い終わり方に、ため息しか出ませんでした。ただでさえ胸いっぱいなのに、こんな素晴らしい2人を見せられたら胸が張り裂けそう。門前さんの瞳だって、泉のように涙が溢れています。


 門前劇場、終幕は『はじまり』でした。桜が花開く少し前、偽りの卒業を演じた門前さんが、今度こそ本当に卒業するときがやってきました。とうとう来たか、という思いです。


 その前に門前さんから挨拶がありました。レッスンに行くのも嫌だった去年の夏から、みんな仲良くなった今まで、感謝を込めた言葉が涙ながらに語られ、場に沁み渡ります。とても正直な言葉でした。絞り出すように発せられる言葉は震えていても、その姿はとても凛々しく、辞めることを決断した門前さんは強く見えました。ありがとう。


 とても真摯な門前さんの挨拶からの『はじまり』でした。8人での最初で最後の劇団ハコムス。もうね、最初のシーンから神岡実希さんボロ泣きなんですよ。ずるいですよ。気持ちは熱くとも淡々とそれぞれの別れが描かれていきます。菅沼もにかちゃんと内山珠希さんのシーンでマイクが入らないトラブルがあって、そこで咄嗟に珠希さんがマイク無しで台詞を喋り始めたところはめっちゃかっこよかったよ。あと、片想いの男の子がもにかちゃんに告白したことを知ったときのぽにょの表情にはいつもハッとさせられます。


 そして最後、門前亜里さんと鉄戸美桜さんの2人が現れ、物語は、8人のハコムスは終わりへと走り出します。『いちご水のグラス』と同じく、このときも2人は素晴らしいものを見せてくれました。抑えてもしょうがないと思ったのか、鉄戸さんの狂おしいほどの寂しさが会場にこだましていました。緊張をどんどん高めて、センターで門前さんが自分の未来を見つめながら放った「はじまり」。瞬間、流れるイントロ。これ以上ない『はじまり』でした。切ない。


 不思議なことに、いちばん前で見ているのに、門前さんをとても遠くに感じました。サビで後ろを向く門前さんにハコムスから離れたあとの未来が見えて、とても寂しい気持ちになったことを覚えています。寂しすぎて、こっち向いてよと祈ってしまいました。間奏では1人ずつ門前さんと抱き合うのですが、これまでの出会ってからのすべての想いが皆込められているようでした。見ていて苦しくなるほどに、皆が皆、門前さんとの別れを惜しんでいました。もちろん僕だって、会場の誰もがそうです。そして大サビの門前さんは今までにないほど震えていて、門前さんの心の揺れがそのまま空気の震動となり、僕の心を揺さぶってきます。さよならを告げるべきなのに、最後、ステージ後方に下がる門前さんに手を伸ばしたくなる衝動に襲われるほど。素晴らしい劇団ハコムスでした。


 思い返しても、泣いていないときは無かったんじゃないかと思うほど、門前さんはずっと涙に濡れていました。門前さんに目を向けると常に涙を湛えていて、世界中の涙を集めたような瞳、森の奥の湖よりも澄んだ瞳が、会場を静かに見渡す様はとても神聖でした。だけど門前さん泣きすぎでしんみりしそうなところを、他のメンバーがいろいろ笑わせてきて悲しみを中和させてくれます。ハコムスみんなで門前さんを笑顔で送り出そうという気配りに僕も泣き笑いの気持ちです。


 余韻に浸る間もなくアンコール。アンコールで再び出てきたハコムスがさあ歌うのか思いきや、突然門前さんが椅子に座らされ、始まったのはメンバーの発声練習。この瞬間のゾクゾクっときた感覚が忘れられない。『ありがとう』のアカペラで涙腺崩壊してしまいました…。こういう内緒で披露とか弱いのよ。しかもスクリーンではこれまでハコムスの写真や動画がスライドショーで流されて、もう泣くしかないじゃないですか。最高の8人だね。ぽにょと神岡さんの低音パートがいい味を出していて、それを座りながら聴いている門前さんが涙ぽろぽろで、見ているこちらも涙ぽろぽろで、梅雨は明けたはずじゃなかったのかな。


 曲が終わって泣きながら驚く門前さんに対して、内緒のはずなのに小松もかさんが何度もネタばれしそうになって別の意味で泣いたというこぼれ話は、小松さんらしくて笑えました。絶妙なタイミングで笑いを届けてくれる小松さんに感謝だよ。


 最後の曲の前に7人からそれぞれ門前さんへの手紙が読まれました。ぽにょはいつも健気で泣かない印象が強かったのですが、1番手のぽにょが手紙を読み始めた途端、涙声になったのにはびっくりしたよ。みんな、一生懸命自分の言葉で書き上げた手紙を読み上げて、どの手紙にも感動しました。付き合いの長かった神岡さん珠希さん小松さんの手紙には特にグッときまくりだったよ…。


 本当に本当の最後はもちろん『なかよし』。4月の公演で初めて聴いたとき、これほどハコムスに相応しい曲はありえるだろうかとびっくりした曲です。もちろんカバーの選曲はスタッフがハコムスの雰囲気にぴったりの曲を選んでいることは理解しています。しかしこの『なかよし』は時を超えてハコムスが歌うために授けられた曲であるようにしか思えない、それほどハコムスにぴったりの曲です。チェキッ娘については不勉強なのでなんとも言えませんが、『なかよし』を歌うためにハコムスが生まれた気さえします。曲中に何回も叫ぶ「せーのっ!!」という掛け声があって、そのときの皆の心がひとつになる瞬間が大好きです。この掛け声を聞くとバスツアーの大縄跳びを思い出して、あのバスツアーの帰りの夕焼けが目に浮かびます。


 公演最後の3曲はすべてチェキッ娘の曲でした。どの曲もまるでこの日のために作られたかのようで、ハコムスが歌っている姿がとても似合っていました。あまりにもストレートな歌詞にダサくなりそうなところを、ハコムスが歌うと歌詞そのものの意味がそのままストレートに伝わってきて、だからこその感動があります。曲が好きだからカバーする、というのとは違う次元のカバーがここにはあるように思います。ハコムスにしろアイドルネッサンスにしろ、彼女達のカバーは今自分達が歌うことに意味がある曲を丁寧に見極めていることに素晴らしさがあって、原曲の持つ良さを現在に甦らせ、さらに彼女達が歌うことで今だからこその強さが付与される、そんな魅力に溢れています。

誰かが素朴に口に出したら聞く耳を持たないような、きわめてありふれた言葉で構成された安っぽい真実が、アイドル歌謡のフィルターを通すことで、安っぽい真実のまま、ちょうど、太陽の光が水面から水中にまっすぐに射しこむようにして、聴き手の心を新鮮に動かす、というような現象が、起きているように思えた。


普通:初めて買ったハロプロのCDは? - むすめのうみ - シヴイズム

 『なかよし』を聴いて思い出したのは、このブログでした。何回読んでも色褪せない素晴らしさがこの文章にはあります。




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 素晴らしい公演でした。こんなにも優しく幸せに満ちた卒業公演があっただろうか。笑顔で送り出そうとする皆の心遣いに何度も助けられました。


 公演終わりに特典会用の物販に並んだら普段は売り切れない特典券が売り切れていて途方に暮れたわけだけど、ありがたいことに友人に特典券を譲ってもらえて、門前さんと最後の2ショットチェキを撮ることが出来ました。でもまあ、本当の最後になると何も言葉が出てこないわけですよ。言えるのはありがとうだけで、いちばん伝えたいのは感謝の気持ちだけで。本当にそれだけでいいんです。これまで、たくさん握手して、たくさんチェキを撮って、その度にありがとうを言うことを忘れたと帰り道後悔していたのだけど、最後、ちゃんと言えてたかな。


 少し話がずれますが、門前さんが卒業を発表してから、僕は安藤裕子の『ぼくらが旅に出る理由』を何度も繰り返し聴いていて、これは誰かの別れに際したときはいつも聴いているのですが、そうやってどうしようもない別れに対して気持ちを紛らわしていました。この曲はもともと大好きで、それを門前さんに重ねて聴くことで、卒業という出来事さえも消費しているんだなという気持ちになりつつもなんとかこの別れを納得しようとする自分がいました。旅立つ門前さんに贈るとしたらこの曲だなと思っていたのですが、7人で歌う『ありがとう』を聴いたら、これ以上相応しい曲はないなと感動して、こんな素晴らしい曲を用意してくれたことに感謝したくなりました。『ありがとう』には門前さんを愛しているすべての人の気持ちが込められていて、聴いていてなんだか晴れやかな気持ちにさえなります。『ありがとう』、いい曲ですね。


 門前さんとの思い出がいろいろあるかなと振り返ってみても、こういうことを言われてうれしかったとか、そういうことよりも、ただその存在に癒やされていたような気がします。門前さんの存在自体に愛があった。いえ、ブログいつもありがとうとか、お手紙ありがとうとか、それはそれでとてもうれしいのだけど、その辺りの距離感にいつも自分は戸惑ってしまって、なんだかいつもしどろもどろになってしまうのです。あぁ、でも握手会は本当に苦手なので、門前さんから話題を振ってくれたときはいつも楽しかったな。


 あと、Twitterで僕が撮った写真を使ってくれたり気に入ってもらえるのは本当にありがたいしうれしかったです。握手会で会話を通して気持ちを確認できるのはそれはそれでいいのだけど、Twitterなどで別に門前さんに向けて書いたものではない文章をふぁぼられたりすると、離れているけど気持ちを共有できていることをうれしくなったりします。


 このブログなどを通して門前さん好き好きアピールをしていると門前さんてどんな人か聞かれることがよくあり、優しい人だよといつも答えていて、優しさ以外に何も無いのかと呆れられるのですが、それでも優しい人だと答えたい自分がいます。ハコムスのメンバーとなる前はインターネットを通しては知っていても、初めてハコムスでその姿を見たときは、そこはかとなく漂うお年頃の少女が持つ気高さと壊れやすさに畏れを抱いていたのですが、ハコムスで知れば知るほどその優しさに癒やされて、いつも救われていました。今はそれほど怖くはないです。門前さんがそういう部分を見せないよう大人になっただけかもしれませんが。門前さんの全部を知ることは出来ないし、知ってはいけないことだと思いますが、ハコムスで見せる門前さんの母性のような柔和な優しさは紛れも無く本物で、それに触れることが出来て幸福でした。そしてその包容力は、確かにハコムスの現場の空気を和やかに落ち着けるものにしていました。門前さんがいたから今のハコムスがあります。


 門前さんが卒業したらどうなるのだろう、という不安もちょっと前まではありましたが、他の7人の公演に向けての意気込みや、この日の公演を観て、そういう不安も無くなりました。7人それぞれ、未来を見据えて、自分のやるべきことがわかっている感じでしたね。特にここ最近の鉄戸美桜さんの決意にはとても心強いものがあり、これからのハコムスが楽しみです。でも鉄戸さん無理しないでね。門前さんは門前さんで、鉄戸さんは鉄戸さんなのだから。

門前がやめると聞いた時に

やめるまでに門前がメンバーに残すものを二人で話し合ったんです。

ちゃんと、しっかりメンバーの中に門前の願いは届いてこれからも生き続けると思います。

ほんとにお疲れさまでした★


卒業しました|二丁ハロ オフィシャルブログ「ゲイでもアイドルになれる!」Powered by Ameba


 門前さんも言っていたように、寂しいけれど、悲しくはありません。だってさ、7人で『ありがとう』を歌ったときに門前さんの想いが受け継がれてたもの。


 門前亜里さん、ハコムス卒業おめでとうございます。素晴らしい仲間に恵まれましたね。門前さんの想いは、7人のハコムスに確かに引き継がれていると思います。心配せず、門前さんは門前さんの道を歩んでいってください。大丈夫。ハコムスの未来は明るいです。


 そして、ありがとう。とっっっても楽しい1年でした。門前さんがいたから本当に楽しい時間を過ごせました。門前さんの笑顔が大好きです。本当にありがとう。







純白のワンピースがとてもお似合いだ……。




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