夏がまた来る

 アイドルは儚く美しく、だからこそ出会った瞬間が季節と強く結びつき、記憶にいつまでも残ります。


 ハコイリ♡ムスメ(通称ハコムス)は去年の7月に結成された、まだ新しいアイドルグループです。古き良きアイドルソングをカバーし、見ている者に癒やしとときめきを届けてくれます。彼女達は季節感を大切に、その季節の光や風や、揺れる乙女心を丁寧に掬い上げて、舞台で咲かせます。アイドルは、年頃の女の子が歌い踊る、少女のほんの短いひと時の儚い奇跡なのであって、永遠なものではありません。そこでは季節という要素がとても重要になってきます。そしてハコムスは、どの季節であっても美しく景色を見せてくれます。春満開の笑顔、夏の入道雲より眩しい指先、秋の落ち葉が刻むリズム、冬の静かな寝息。いつだって僕らを優しく包み込みます。


 去年の夏から走り出したハコムスは、ここでやっと季節を一周しました。まさしく彼女達が歌う『レモンドロップ』の歌詞のように、「夏がまた来る」のです。どの季節のハコムスが好きかというと全部好きっていう身も蓋も無い答えになってしまいますが、ここから早足で1年を巡ってみます。


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 泣きすぎでしょ……。


 まずは夏。ハコムス始まりの季節です。夏は静かな曲と盛り上がる曲の対比が真夏の太陽が作り出すコントラストよりも強く、白昼夢を観ているような錯覚を起こさせます。『海へ行こう』や『夏色キッス☆』、『レモンドロップ』などの盛り上がる系の曲は人気が高く、それらも好きですが、僕は『最初のキモチ』や『避暑地の森の天使たち』のような爽やかな空気を届けてくれる曲達に惹かれます。


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 秋は夏の喧騒が去り、ホッと一息つける穏やかな曲が多いです。秋曲では『Be My Diamond!』と『なぜ?』が大好きです。『Be My Diamond!』での横一列の編隊飛行からの門前亜里さんセンターにいつだって心奪われます。『なぜ?』では、小松もかさんの表情が透き通る鋭さで、その眼差しだけで曲の世界に引き込まれます。


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 冬は秋と歌われる曲の雰囲気は似ていて、だけど冬はより静かに、胸に降り積もる雪のように静謐に響いてきます。中でも『スノーブーツのWish』と『ホワイトラビットからのメッセージ』が大好きです。『スノーブーツのWish』は雪と戯れるハコムスが楽しそうで幸せにさせてくれます。『ホワイトラビットからのメッセージ』は門前亜里さんセンターの曲で、手紙について歌った曲なので、僕は大好きです。手紙ソングを門前さんが歌ってくれることに、たまらなく幸せを感じます。これも初めて歌った頃は歌声も不安定で、そのドキドキさせる揺らぎすら愛おしさの対象だったのですが、最近のライブで聴いたら歌がとてもしっかりしていて、やっぱり成長しているんですね。


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 最後は春。春はなんといっても初めてのオリジナル曲『微笑みと春のワンピース』です。素敵な曲で、こんなハコムスにぴったりの曲が提供されたことが本当にうれしい。MVを観てもらうとわかると思いますが、これまでに夏からカバーしてきた曲のエッセンスをギュッと詰め込まれた、ハコムスらしい曲です。一輪の揺れる花のような菅沼もにかさんのソロ。ライブでは寄り添って寝る神岡実希さんと我妻桃実さん(ぽにょ)の寝顔の愛らしさ。小松もかさんと内山珠希さんのハモり。阿部かれんさんと神岡実希さんの落ちサビでの祈りたくなるような尊さ。幸せな瞬間が最初から最後まで止めどなく溢れている曲です。本当大好き。


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 どの季節もハコムスは素晴らしい情景を見せてくれます。選曲はもちろんですが、それぞれの曲に合わせて表情を作り、情感豊かに歌うハコムスの皆さんがいてこその世界であって、やはりハコムスだからこそのステージなのです。女優でもある彼女達にしか作り上げることの出来ないものがここにはあります。


 そしてまた夏が来ました。涙できらめいた去年の夏より一回り大きくなったハコムスがいます。7月19日、門前亜里さんは卒業してしまうけれど、この1年の成長を8人での最後の日に見せてくれるはずです。楽しみにしてるよ。素晴らしい公演になるはずなので、ちょっとでも興味を持った方は是非…!!?


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