『博士と彼女のセオリー』

 さすがイギリス、ロマンチックすぎる。物理学者スティーヴン・ホーキングとその元妻ジェーンのラブストーリー。スティーヴンというよりジェーンの物語なのだけど(そもそもこれはジェーンの伝記が原作)、ジェーンは強く美しいし、逆境に負けないスティーヴンがとにかくかっこよすぎる。科学者はかっこいいという、子供の頃信じていた当然の真理が改めて思い出されます。そして自然に泣かせてくるから質が悪い。数学者や科学者の伝記的なものは結構読んだり見たりしたけど、ここまでロマンチックなのは初めて。その華やかさと物理学の鋭さ、2人の愛が美しく紡ぎ合わされて素晴らしい映画となっていました。アカデミー主演男優賞を受賞したエディ・レッドメインALSに冒されていくスティーヴンを細部まで演じきっていてもちろんすごいのだけど、その妻ジェーンを演じたフェリシティ・ジョーンズも素晴らしかったです。スティーヴンを想うジェーンの心の揺れが繊細にスクリーンに映されてました。最後別れたのもスティーヴンの愛だよね。余命2年と宣告されたのに、振り返ってみれば長かった。スティーヴン・ホーキングは過去に戻ることは不可能と主張しているけど、映画の最後、これまでの人生が巻き戻しされるシーンはグッときてしまったよ。最高でした。



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