川島小鳥写真展『明星』@PARCOミュージアム

 大好きな川島小鳥の写真展に行ってきました。お金を払って入口でもらえるチケットは数種類あって、僕はプリンを食べてる男の子の写真のチケットをもらいました。1度払ってチケットをもらうと、期間内2度目以降は無料で入れるのですが、このチケットの写真のためにまた払ってもいいような気にもなります。前半は狭い路地を散策するように写真が無造作に展示されていて、自分が見たい距離感よりも無理矢理近づいて見せられているようで、なんだか窮屈な印象。ただ、後半は広い空間で大きな写真を見るという展示で、前半の狭苦しさが後半の想像以上の開放感に繋がっていたのかと頷きました。後半にある、広い空間を埋め尽くす写真の流れがとても心地良いです。どの写真も優しさに溢れていて、見ていてすごくリラックスしてきます。写真と向き合う、というよりも、写真のある空間に佇む、といった趣きで、その場全体として柔らかい雰囲気を形作っていました。その居心地の良さに惹かれて、僕は2回訪れました。何回訪れても飽きなくて、心が落ち着きます。


 川島小鳥の写真を眺めていると、対象を見つめる視線が優しいことにとても憧れます。僕なんてシャッターを覗き込むと欲望が先鋭化してしまいがちで、おそらく撮られてるほうからしたら怖いんだろうなと想像して反省することがよくあります。もっと優しく、理解できなくても理解しようとする努力をして向き合いたいですね。こういう写真を撮りたいなと思わせてくれる写真展でした。木村伊兵衛写真賞おめでとうございます!!
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