Go!Go!ぱわふる学園と過ごした夏

 w2w×Go!Go!ぱわふる学園というアイドルグループについて書きます。w2wは自己紹介では「だぶつー」と呼んでますが、だいたいのファンは「わんにゃんわん」と呼んでます。w2wは3人で、そこに2人追加されてGo!Go!ぱわふる学園は5人組のアイドルグループです。コンセプトが「モデル80%、アイドル20%」で、モデル4人アイドル1人という意味なのか、活動の意識がモデル重視なのか、そこらへんはよくわかりません。
 w2w×Go!Go!ぱわふる学園を初めて見たのは5月でした。ライブではなくインターネット放送の公開収録で、理由は以前行った知り合いの感想がよかったことと、少し前から夏目あおいさんに興味があり、じゃあ特に予定もないし行ってみようかなぐらいの気持ちでした。行ってみて、まず会場が見つからない。いろいろ歩き回った挙句やっと小さな看板を見つけ、そこはビルの一室で外からはカーテンで中が見えず、本当にそこで収録が行われるのか心許ない感じでした。時間になり、代金(30分の収録と30分の交流会で2000円)を払って中に入ると、人が集まるにはとんでもなく狭い部屋で、目の前にはさも当たり前のようにぱわふる学園のメンバーがいて、予想はしていたけど予想以上の近さにびっくりしました。つーか普通にお客と談笑してるし。これが本物の地下かと。メンバーのことをあまり詳しく調べもせずに行ったんですが、その日の前日がちょうどリーダー大西颯季さんの誕生日で、収録のほうは誕生日を祝う流れとなりました。30分の収録が終わって交流会とやらになり、果たして何をするのかわからずほんの気まぐれでお客十数人の現場に来てしまってビビってたんですが、出てきたのはケーキ。ホールのケーキ。大西さんがロウソクを吹き消して再びお祝いです。お皿が配られ、いつの間にか僕の手にはケーキが盛られたお皿が。まあ食べましたけど。地下のアイドルイベントでは普通なんだろうなと思いつつも、なんというか、こういう親密なイベントは段階を経て経験するものではないかと思っていた自分に、いきなりの初現場でケーキを食べる事態となったのはかなりの衝撃でした。あまりに近いのでメンバーをじろじろ見るのも憚られ、でも見ることしかできず、そうなるとたった1時間でもいろいろメンバーの性格が見えるようになってきて、最後には結構面白くなってきました。学校の休み時間やファミレスで喋っているような、目の前に大人の男がいる空気を感じさせない渡辺恵伶奈さんの話し方や、自分の部屋にいるような崩した座り方をしている川嶋由莉さん、夏目あおいさんの自分の気持ちに素直すぎる空を突き破るような挙手の仕方など、見ていてそこに確実に女の子がいるんだなと実感を持って迫ってきました。近い近いと書きましたが、近いというより距離を置くことができないといったほうが合ってると思います。僕は境界というか距離感を重要だと思っていて、アイドルとファンがそれぞれの立場をわきまえて、その中で距離感の機微を楽しめたらなと思ってます。それがぱわふる学園ではそんなことお構いなし、なんの躊躇いもなくこちらに踏み込んできました。ただそれが乱暴な近づき方じゃなくて、節度ある感じだったのがよかったです。終わった後の放心状態が酷く、その後ライブに行く予定だったのを放り投げて、日曜の夕方の静かな住宅街を歩いて帰ったのを覚えてます。
 そんなこんなでライブに行ってみようと思いました。そして初めてのぱわふる学園から約2週間後にやっとライブを見ることが叶いました。場所は横浜。夕方の小田急線から知らない風景を眺めながら、初めてのぱわふる学園ライブに想いを馳せました。遠かった。遠かったし、会場がまた辺鄙なところで、本当にここで合っているのか不安でしたが、他のファンの方もいたのでなんとなく待ちながら時間になったら会場の中へ。ライブハウスというよりライブバーみたいなところで、テーブルに通され飲み物頼んで、着席でのライブ鑑賞でした。曲の予習をせずに行ってしまったんですが、1曲目僅かばかりの高さしかないステージでパフォーマンスしてるぱわふる学園を見ていたら、あれ?なんかいいかも?、もしかしてもしかしてこれは僕の大好きな感じでは?というふうに自分の中に気持ちの変化が起こり、最終的には一発で好きになってる自分がいました。静かに聴けたのがよかったと今は思ってます。物販でCDが売られていたので何の迷いもなく買って、夏目あおいさんと2ショットチェキを撮りました。
 その初めてのライブで1曲目に聴いた曲が「report!」です。ありきたりといえばありきたりな学校での恋を歌った曲ですが、特にサビらしい盛り上がりがなく淡々と歌っていくメロディーがとても日常を感じさせて、そんな曲をライブで歌われると一層儚さがあって僕は大好きです。間奏でメンバーが輪になって踊る部分があるんですが、そのときの夏目あおいさんの他のメンバーを見つめる目が素敵で、ずっと回っててもいいんじゃないかと僕は思ってます。ぱわふる学園の曲は全部好きなんですが、特に挙げるとしたら「report!」とw2w名義ですが「わんちゃんウェディング」が好きです。「わんちゃんウェディング」はAメロ歌ってない余白の静けさがとても気に入ってます。歌ってない瞬間の神聖さはウェディングドレスと同じくらい真っ白です。盛り上がるのもいいけど「わんちゃんウェディング」は静かに聴きたい曲です(でも夏目あおいさんがファンの合唱というか輪唱を気に入っているのならそれでもいいかなと自分は思い始めてきました)。
 曲も好きですが、なんといってもメンバーのみんなが好きなので現場に行っています。ぱわふる学園のメンバーは全員好きです。好きだから物販行きます。一応書いておくと物販で2000円分買うとチェキ券がもらえて、それでクジを引いて撮るメンバーを決めます。ちょっと敷居が高いですね。チェキも指名じゃないんですね。お客少ないですからね。それでもやっぱり偏りが出ちゃうわけで、僕の場合はおそらく師井優衣さんが撮ってる回数がいちばん多いと思います。師井さんはいちばんモデルらしいメンバーです。物販で売ってる写真もモデルらしい師井さんを捉えています。モデルらしさとは関係ないですが、師井さん結構見つめてきます。ペットをあやすように、師井さんの視線は身体が近づいてるわけではないのにすごく近くにいるような、そんな錯覚をさせます。師井さんのそんな見つめ方は、嫌いどころか大好きで、ライブしてるときの笑顔がとても素敵です。というかまた話変わるんですがブログ読むと師井さん部活動に超熱心なんでして、そんなところに僕は一人超盛り上がってるわけです。師井さんは吹奏楽部に所属していて、今人生の大部分は吹奏楽に捧げているのではないか、そう思いたくなる感じで、僕は部活動のことを書いているブログが大好きです。
 師井さんは服のコーデとか自分のスタイルをしっかり持ってて、それは素晴らしいと思うし、同じように自分の世界を持っているのが川嶋由莉さんです。好きな対象があってそれについて熱くなってる姿に見れるのが楽しいです。自分も川嶋さんも双方ともまず距離作ってから近づくタイプなので今もあまり話せてないんですが、時折気を遣ってくれてるんだなと感じるときがあって、そういうのに触れるととてもうれしいです。以前まだぱわふる学園に行き始めた頃に川嶋さんと初めてチェキを撮ったときがあって、ぱわふる学園はチェキに宛名を書いてくれるんですが、名前をマネージャー経由で聞いてきてくれてその心遣いにやられました。何故かっていうと、それまで何度か写真を買って写真に宛名とサインはしてもらってて、あぁこの人前も来て写真に名前書いたけど忘れちゃってどうしよ、直接尋ねるのも今更失礼だし、で思い付いたのがマネージャー経由で聞く手法だと僕は思ったのでその心遣いが大好きです。
 師井さんも川嶋さんもぶっちゃけクラスの中心にいるような存在ではないんですが、渡辺恵伶奈さんはいつも中心にいるような人物です。渡辺さんとはまだまだ手探りな感じで、これだけ行っててもまだすれ違ってる気がして、それはもちろん僕の弱さからくるものだとはわかっているんですが、彼女に関しては未だによくわかりません。渡辺さんはノリがいいんだけど、それに僕がついていけてない感じです。机に突っ伏してる僕の後ろで昨日のドラマについて騒いでる教室の休み時間の空気をイベントにそのまんま持ち込んでくるパワーに、それがぱわふる学園がぱわふるなところなのかなと思ったりもします。
 同じような明るい存在として夏目あおいさんがいます。彼女の元気っぷりにはどうしても目が行ってしまいます。底抜けに明るくて、いつも目をキラキラさせて、あぁヒマワリみたいな人だと、名前の通り夏の人だと一目見て感じました。メンバーと遊んだことも忘れちゃうとかなんでも忘れっぽい性格なのかなと思いきや、ちゃんと覚えてることもあったり、でも嫌なことや悲しいことはすぐに忘れそうな、そんな雰囲気があります。夏目さんを見ていると過去との時間の繋がりが弱い、すっぱりと昔の時間を切って今と未来のみを見て生きている姿勢が潔いと感じます。そしてそれは、晴れた夏の青空と白い入道雲のコントラスト、激しい雷雨のあとのそれを忘れさせる赤い夕焼けなどを彷彿とさせ、とても夏らしいです。本当に夏らしいです。夏目さんは「Rの法則」に出演していて、前に聞いたら後藤翼ジェニーさんと仲が良いと話してくれて、2人とも僕は好きなので2人の会話を覗いてみたいなとちょっと思ってます。夏目さんとジェニーってすごい組み合わせですよ。
 そして、ぱわふる学園をぱわふる学園らしくまとめているのが大西颯季さんです。彼女がいなければ始まりません。レゲエ大好き夏は海のギャルでいちばんやる気あってブログもいちばん更新して年下をまとめて、知れば知るほどすごいなと思います。ブログを読むとぱわふる学園の活動だけでなく、生きる姿勢みたいなのがすごく前向きで、それが青春なのかなと思って眩しく見えます。あと結構女の子らしいところを見せてくれて、ちょっとそのギャップもたまらないです。彼女はブログが本当に良いです。意識高いところも見せつつ、アイドルとはまた別の普通の女の子らしさ溢れる文章が読んでて大好きです。あと、こちらの一方的思い込みかもしれないですが、大西さんは夏が大好きそうなので夏大好きな人は大好きだし、彼女を見ているとオノマトペ大臣の「サマースペシャル」を思い出して、夏目あおいさんとはまた違った空気の夏ガールな感じが大好きです。
 正直なところぱわふる学園のライブは、かなりの頻度で自己紹介失敗するしグダグダになっちゃうときもあって、小さな小さな現場ですが、そこにいるのは普通の人間だからそれでもドラマがあります。7月に吉祥寺SEATA赤坂BLITZと2日連続でライブする日があって、その吉祥寺でのライブがとてつもなくグダグダだったんです。もう見ていられないぐらい。本人達もそれにはわかってたらしく、翌日の赤坂BLITZでは今まででいちばんというくらいビシッと自己紹介を決めてくれました。やればできるじゃないですか。いつものんびりな感じなのに、そのたった1日で挽回してきた気合いにとてもグッときました。
 ぱわふる学園はお客がたくさん集まれば盛り上がるし、そうでなければそれなりという本当に単純明快な現場で、盛り上がってライブ後の物販やブログでうれしそうにしている彼女達をみるのは幸せです。だけどそれだけじゃない、特に明確な目標があってそれに向かってがんばってるのとは違う、淡々としたアイドル活動の日々に僕は女の子の日常を感じていて、その日常感が僕は好きです。ブログで普通に部活動やバイトのことを書いたりして、そういう生活の一部分としてアイドルがあるという感覚にちょっとした感動があります。今まで非日常の存在として捉えていたアイドルとは違った光を放つ存在としてぱわふる学園と出会いました。
 それまでの自分は、上を目指そうとしないアイドル、少数のファンを囲いこんで小さな経済を作り、その中でなんとなくうまくいっているようなぬるま湯に浸っているアイドルにあまり良い感情を持っていませんでした。ですが現在、そんな状況そのものにあるアイドルを好きになってしまいました。そしてわかったのが、どうにも出口がないということです。現状を打破するにはあまりにも地層が厚いです。どうにもならないんなら、せめて楽しく活動できる場であってほしい、そう願っています。そんなこと考えてるとあまり盛り上がったり楽しんだりしてるように見えない自分は行かないほうがいいのかなと思ったりして、いろいろと複雑な気持ちになりますが。難しい。もうね、楽しそうにステージ立ってくれてたらそれでいいんです。血の滲むような努力とかいいですよ。昨今のアイドルブームにおける全力の精神、必死さのアピール、それらに僕は辟易しています。CD何枚売らないと○○だとか、チケット何枚さばかないと○○だとか、オリコン○位とか、そうやって煽る手法にもうついていけなくなりました。もっと肩の力を抜いて、ただただ可愛い女の子を見ていたい。ぱわふる学園にはそんな僕の欲求を満たしてくれる場所のような気がします。あまり詳しくは書かないけど、少なからず僕は卑怯で利己的ですよ。僕は全肯定とはいかないまでも今の現場の空気が好きなんですが、本人達は今の状況をどう思ってるんでしょう。
 とかアイドルの必死さアピールに拒否反応示しつつも連続でライブやってくれるとなんだか気持ちが高揚してくるわけです。8月のお盆の時期にぱわふる学園初の3日連続のライブがありました。予定では2日間だったんですが、その2日目に急遽3日目ライブ決定し怒濤の3daysですよ。やばい。ぱわふる学園本気です。全部行きましたよ。その2日後もライブでそのまた翌日もライブで、結局1週間に5回ぱわふる学園のライブを見ました。燃え尽きましたね。1日目の渋谷Gladでは(僕が行き始めてからは)初のライブ4曲。「わんちゃんねこちゃんどっちが好き」を踊れなくて棒立ちになる師井さん。次見返しましょう。2日目はここがホームだと言わんばかりの盛り上がりを見せてくれた渋谷DESEOでのえびすまつり。物販にたくさんお客が集まってくれてびっくりしました。3日目は大塚Deepaでの私服ライブ。念願の「わんちゃんデート」聴けました。可愛かった。日々内容を工夫して、ちゃんと飽きさせないように考えてるあたり感心します。3日連続のその2日後、汐留AXでのライブは開放感ありました。ライブハウスの照明で見るぱわふる学園に慣れた自分には、汐留AXの微かに感じる日の光の中でのライブは本当によかったです。野外でぱわふる学園のライブを見たいと心の底から思いました(9月1日としまえんでライブです!)。汐留の翌日は恵比寿LIVEGATEで、大西さんが欠席でしたが4人でがんばってましたよ。大西さんいなくてどうなるか心配でしたけどまったくの杞憂でした。その是非はともかく、出待ちしてずっと手を振り合って、信号待ちで振り返る彼女達とそれでも手を振り続けて、夏が終わったと感じました。ずっと暗いところに篭っていたけど、それでも夏はあって、夏が終わった気分です。
 本当に今年の夏はぱわふる学園でした。もう好き好き大好き超大好き、ただ好きって気持ちがうまく伝わってない気がするのがもどかしいけど、認められたいわけでもないし、普通に顔が見られるだけでホッとします。パフォーマンスがどうとかブームに乗っかった評論的な言葉は全部打ち捨てて、彼女達と一緒にいるのが楽しいんです。ちょっとした視線の揺れ、顔を振り向けるときの髪の動き、高く可愛げに上げる脚、すべてが素敵に見えるんです。全部好きです。ただこの熱狂は一時的なものだと自覚してるし、いつまでこの熱さが続くかわからないけど、夏が終わってもまだ好きという気持ちは残っています。みんな眩しいほど素敵すぎるし、最高の時間を過ごせている今がずっと続けばいいなと思ってます。あんまりこういうこと書くと燃え尽きたなと思われそうですが、しかし現に夏は燃え尽きたので書くと、心から楽しかったという気持ちでいっぱいで本当にありがとうございました。最高の夏でした。


追記
 8月26日赤坂でのライブも最高に楽しかったです。本当に良かった。最近はライブする度に盛り上がりが倍になってる気がします。結構自分疲れてて、みんなの顔を見ながら泣きそうになりました。9月1日としまえんでのライブが楽しみです。


追記の追記
 重いねー(笑)