真野ちゃん

 真野恵里菜ちゃんがすごいのは、今のところ「マノピアノ」と「ラッキーオーラ」のたった2曲で真野恵里菜という音楽の表現方法というか1ジャンルを作ってしまったこと。どこにも分類されない真野ちゃんの歌。決して上手とはいえない真野ちゃんが歌えば、ロックだろうがテクノポップだろうがそれはもう真野恵里菜という音楽になる。音楽をジャンル分けすることが陳腐で無意味であることをしらしめる孤高のオリジナリティ。世の中に何万といるジャンルフォロワーに爪の垢を煎じて飲ませてあげたい(というかおれが飲みたい)。ここにはアイドルソングとかハロプロとかを通り越して、真野ちゃんが真野ちゃん単独で音楽に挑んでいる潔さがある。歌わされているにも関わらずそれを完璧に自分のものにし、万人に届けるその才能、操り糸がまったく見えないところがすごい。たぶん本人が歌うことに一生懸命だから、周りの思惑が入り込む隙が無いのだろう。それにしてもなんだ! 真野ちゃんの歌を聞くに堪えないとこぼす人はなにもわかってない。ここには歌うことの喜びがいっぱい詰まっている。みんな合唱コンクールにいい思い出はないのか(おれはない!)。男子と女子でケンカしただろ。そして女子の誰かが泣いて仲直りして、みたいなオーソドックス青春ライフは経験しなかったのか? 最後にはみんな歌って泣いただろ? そんな、放課後の音楽室や夕暮れ時の河原、深夜のカラオケボックスにきらめきあう歌への希望が真野ちゃんの歌からも感じられるじゃないか。それが感じとれずにただ表面的なテクニックで云々されるのは少々もったいない。歌の向こう側の真野ちゃんの心を感じられなきゃダメなんだ。だからライブで聴くときは集中して聴くべきで、そうしたら真野ちゃんの素晴らしさがわかると思う。と、真野恵里菜ちゃんの歌を生で一度も聴いたことのない自分が書いてみました。まとめると、真野ちゃん超かわいいよ!