神宮バースデーライブでの寺田蘭世さんとこれから

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 乃木坂46真夏の全国ツアー2016仙台公演が終わって、私は神宮球場でのバースデーライブに行ってきました。乃木坂46の持つ全曲を披露するために3日間からなるバースデーライブ、幸運にも初日のチケットを譲って頂けたのでワクワクしながら神宮球場へ。乃木坂の現場はいつも人が多いなと感じるのですが、この日はそれにも増して人の多さを感じました。台風も近付いていて、天気予報もギリギリ雨が降るか降らないかの瀬戸際。一応雨具は持っていきましたがどうか降らないでほしい、そんな願いを込めながら開演。OP映像、乃木坂のメンバーがそれぞれマイクを取っていく中で最後に残されたマイクはそれまでの全国ツアーを体調不良で欠席していたリーダー桜井玲香さんのマイク。どうなることかと息を呑んで見守る中(結果は予想できていましたが)、最後に桜井玲香さんが登場、マイクを取って復活宣言をしました。それだけで感動です。来てよかった。


 私が見ていた席は1塁側スタンド席。スタンドの前の方でもなく後ろの方でもなく真ん中辺り。隣の大学生っぽい男子3人組は意外と近いと言ってましたが、いやいや近くありませんよ遠いですよ(泣)。前日にハコムスを最前で見た身からすると宇宙の彼方のような遠さです。双眼鏡を持ってきていてよかった…泣。


 公演が始まっても、わかっていたことですが遠いです…泣。センターステージはなんとか見えますが、メインステージは遠いなあ…。でもメンバーは皆会場の大きさに負けないように大きくパフォーマンスしていました。身体の大きさではない、届ける気持ちの大きさでもって歌い踊っていました(精神論的で書いててキモい…)。大きな会場でのパフォーマンスの見せ方とか絶対練習しているはずなので、そういうのをわかって見ていればもっと楽しいのでしょう。


 見ていながらこの場面かっこよかったなーとか綺麗だったなーとか感想はたくさんあるのですが、ここでは寺田蘭世さんのみに絞ります。びっくりしたのはギガ200のライブのときでした。私にとっていちばんどうでもいい演目、衛藤美彩さんの綺麗なおへその曲線美を眺めながらにやにやするだけの時間だとそれまで割り切ってました。しかしメインステージで踊る白いモコモコした可愛い生き物を双眼鏡で眺めていたときに、あっ!! と目を疑ったのです。寺田? 蘭世さん? あれ? 寺田蘭世さんがいる!? とじっくり見てみたら真っ白純白の寺田蘭世さんがいました。ギガ200が一瞬で尊い時間に変わりました。寺田わんわん蘭世可愛すぎでしょ…泣。可愛すぎの気持ちだけであわわしていたら終わってしまいましたね…(3日目は決め台詞の「ヨロピクピクー!!」も寺田蘭世さんがやってくれたらしく聞きたかった…泣)。


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乃木坂46、新ユニット「ギガ200」結成!子犬の“ギガ”衣装でデビュー曲披露 ソフトバンク「ギガ学割」イベント1 #Nogizaka46 #Japanese Idol


 話変わって、寺田蘭世さんは高所恐怖症らしく、センターの高いステージに行くと途端に動きが小さくなるのが小動物っぽくて可愛いかったです。高いところにいくと目に見えて足が上がってなくてダンスがぎこちない。遠くからでもおどおどして怖そうにパフォーマンスしているのがわかりました。こういう点を可愛いと言ってしまうのは推しに甘いなと思うのですが…。常日頃からセンターに立ちたいと言っている寺田蘭世さんですが、この夏のセンター齋藤飛鳥さんはセンターステージの最も高い場所で雨に打たれながら『裸足でSummer』を歌ったのですよ。すごいことです。誰にでもできることではない。センターに立ちたいなら寺田蘭世さんはその弱さを克服しないといけませんし、こういう説教めいたものは書きたくないと思いつつついつい…(自己嫌悪)。


 神宮球場ほど大きい会場だと、遠くの推しよりも近くの誰かになってしまうわけで、ずっと寺田蘭世さんばかり追いかけていたわけでもありません。いやでもしょうがないですよね。センターステージに来たときはだいたい見ていたはずで、センターステージで歌った『傾斜する』では寺田蘭世さんは白石麻衣さんの隣だったと記憶しています。『傾斜する』の最後のポーズを決めるときの寺田蘭世さんの動きの鋭さが凛々しかった。あと『傾斜する』は水滴を集めたような透きとおった衣装がとても綺麗で、初日に見た衣装の中でいちばん好きでした。


リンク先にその衣装の写真があります。
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 神宮初日でいちばん印象に残った寺田蘭世さんは、本編最後の『君の名は希望』を歌っていたときのことでした。メインステージでメンバーが階段の上から降りてきながら歌うシーン。寺田蘭世さんはカメラに抜かれてスクリーンに大写しになりました。スクリーンに映されながら寺田蘭世さんが歌う低いパート、元は永島聖羅さんが歌っていたパートが、夏の風に乗ってスタンドまで届いてきます。スクリーンに映る大きな寺田蘭世さんを見ながら聴く歌に、思いのほかグッときてしまいました。思い込みかもしれませんが、その瞬間は、やっとここまできたんだという道のりの長さを感じ、新参なのに感慨深いものがあった。神宮の直前のブログで寺田蘭世さんは書いています。

去年の神宮、今でも覚えてます悔しかった。
加入してからずっと
悔しい事ばかりです
でも、その悔しい気持ちのお陰でもっともっともっと って
自分でも良くわからないくらいに静かに食らいついてきました。



去年の神宮の別れ際、もっと好きになるの動画を見直したとき
私はモニターには一度も抜かれていませんでした。

でも、皆の間から
ほんの少しだけ見きれていた私の目は自分でも自分では無いみたいに何かを訴えてました。
何かを狙っているみたいに
鋭かったです。


目は口ほどに物を言う


口下手で皆に私の考えや心の声が上手くは届かなくて
よく、誤解されることのある私ですが
なら、目で訴えようって
去年の今頃は
アンダー3列目から
絶対に抜かしてやるんだと
前を見つめていました。

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 寺田蘭世さんの瞳が好きです。真っ直ぐで意志が強く、清冽な響きがある眼差しが好きです。『君の名は希望』でもその瞳の美しさは遠くの私の席まで届いてきました。神宮球場の大きさを体感しつつ、そこに寺田蘭世さんが立っているのを感じました。その余韻の中で花火が上がり、バースデーライブ初日本編は幕を閉じました。『君の名は希望』は乃木坂46を代表する曲です。ダンスバージョンのMVが好きでリリース当時繰り返し見ていた思い出がありますが、曲自体は歌詞に安直に共感したくない気持ちが勝ってどちらかというと距離を置いていました。しかし神宮で見た『君の名は希望』には有無を言わさないような圧倒的に巨大で強いものがあった。乃木坂46の凄さを最も感じた瞬間でした。ありきたりですが、この瞬間に出会えて、乃木坂46に出会えてよかったなと思いました。


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 バースデーライブ終了後のブログで寺田蘭世さんは1年前の神宮を振り返っています。そのブログも大好きなのですが、それ以上に私は1年前のブログの一文が寺田蘭世さんのブログの中でも一二を争うぐらい大好きです。

私から一番後ろのお客様は
見えますが一番後ろのお客様から
私はどう見えてたのかな

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 こういう気持ちが私は大好きです。とてもアイドルらしい、模範解答のような美しさがあります。実際に見えているのかどうなのかわかりません。本人曰く視力は「なかなかいいほう」だそうです。しかし言葉としてこう書けるその勢いがすごい。そういう心意気に私はアイドルとしての寺田蘭世さんを尊敬し感動してしまいます。


 そこからの1年後、この夏の寺田蘭世さんがいます。春は不本意でしたね。そして夏、私は仙台3公演と神宮初日しか見ていませんが(しかと言うのは贅沢かもしれませんが)、そこにはしっかりと彼女らしい可愛さと強い凛々しさを湛えた寺田蘭世さんがいました。夏まで待った甲斐がありました…泣。


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 この夏の感謝を寺田蘭世さんに伝えたい。寺田蘭世さんと言葉を交わしたのは『ハルジオンが咲く頃』の全国握手会ただ1回のみです。そのときも初めての乃木坂の握手会で右も左もわからないままブログが好きだと伝えるのが精一杯で、あっという間に終わってしまいました。アイドルの大規模な握手会はそのときが初めてではないのですが(ハロプロで経験済み、AKB系は初めて)、乃木坂の全国握手会は雰囲気とかいろいろなせいで、握手するためだけの場ということを強烈に感じてしまって、実は握手会はもういいかなと思い始めていました。アイドルオタク長く続けてきて今更何を言っているんだ、どんだけナイーブなんだよと思われますが、人気アイドルと会える幸福感で楽しく握手できるのかなーと予想していたら想像以上に握手会の痛々しさばかり感じてしまって、正直戸惑ってしまいました。


 そんなこんなで握手会は避けようと考えていたのですが、ちょうど9月に個別握手会が開催されることを知り、9月は自分の誕生日もあるから自分への誕生祝いにとかなんとか言い訳しながら手は勝手に『裸足でSummer』の個別握手会に申し込んでいました。初めての個別握手会です。いやいや言いながら申し込んでいるの、完全に沼に嵌っている感じですね…。もちろん寺田蘭世さんとも握手します。寺田蘭世さんも9月生まれです。9月生まれ同士お祝いし合えたらなと早くも浮かれています…。


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 この夏は寺田蘭世さんと乃木坂46のおかげで楽しい夏を過ごせました。ありがたいことです。しかし物語厨としましては、まだ物語が足りないと感じています。用意してくれる物語だけではなく、もっと自分だけの物語が欲しい。人間とは強欲なものです。そんな私に秋がやってきます。寺田蘭世さんも大好きな季節の秋です。寺田蘭世さんの誕生日9月23日にはアンダーライブが倉敷で開催されます。即ち生誕ライブです。もちろん私も行きます。その2日後は個別握手会です。どうなるかな。いい秋の始まりとなるかな。ライブと握手会の連続で厳しい日程だけど乗り切ってほしいです。


 書いていてちょっと感動的に消費しすぎだなと自分で辟易するところもありますが、こういうかたちでしか乃木坂46と向き合えない自分を許してください(誰に向かって?)。重いなというのは十分自覚しています。しかし乃木坂の場合は超人気アイドルなので、距離の遠さから本人に直接この重さが届きにくいのが救いかなと思っています。オタクの思い入れなんて気にせずにステージに立ってもらいたい(気にしているかもしれないというのが自惚れた驕りですね)。


 脱線しました。言いたいのは寺田蘭世さんありがとう、それだけです。蘭世の勢い止まらんぜの勢いで素敵な秋になることを祈っています。



少しずつではありますが
目に見えて成長を見ていただける機会があるって有り難いし素晴らしい事です
人間に完成はありません
だからこそ悩むけど
私なりに考えて成長していきたいです!

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寺田蘭世さんのブログから文庫本を作る

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 寺田蘭世さんのブログが好きです。好きすぎてどうしようもないので本としてまとめました。寺田蘭世さんの文庫本です。寺田蘭世さんのブログからお気に入りの文章を編集して1冊の文庫本を作りました。実は結構前に作っていたので、文庫本になっているいちばん新しいのが7月の更新となっています。


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 寺田蘭世さんの文章のどこが好きかというと、自分の気持ちを丁寧に言葉として表現しているところが好きです。言葉を尽くした先の文章という筆跡を感じます。そして特にいいなあと思うのは、シンプルな言葉で綴られているところです。自分の気持ちの複雑な部分や、考えに考えた末の言葉だとしても、とてもわかりやすく書かれています。私のように無駄に言葉をこねくり回していない。読んでいてスウーッと軽やかに文章が入ってきて、それが心地良いのです。


 いつかのブログにおいて本人はブログを更新するのに躊躇してしまうと書いていて、それは言葉の重さをわかっているからだと思いますが、その迷いを乗り越えて日の目を見たブログには清々しさが感じられます。選抜から漏れたりしたときは落ち込んでいる更新になっていますが、それでも不思議な潔さに満ちています。私が楽観的なのかもしれませんが、どんなときでも悲壮感はありません。そんな前向きな彼女のブログを読んでいると、いかにもアイドルブログの感想の決まり文句ですが、私は元気が出ます。向こうも毎日いろいろなことを感じて生きているんだなと、異なる場所で異なる生活を送っていても側にいる感じにホッとします。


 あと、ブログ画像がずっとオリジナルサイズなのがよいです。通常、乃木坂46のブログは期限が過ぎたらオリジナル画像は削除されてしまうのですが、何故か寺田蘭世さんのブログ画像はオリジナルが残ります。みんな寺田蘭世さんに倣ってほしい…。


 文庫本は片手間でパパッと作ったので、本物の文庫本のようにはなりませんでした。1冊しか作らないので、安く済ませるためにフォトブックのサービスで注文し、データもjpegで作りました。なので文庫サイズですが紙も違うし、文字の印刷もかなり粗いです。寺田蘭世さんのブログを縦組みにして文庫用に編集していたら気付いたことがあって、スマホや携帯で読みやすい位置で改行されているのです。言葉の選び方だけではない読みやすさがあったのだなと今更ながらハッとしました。


 いつかもっと本物らしい文庫本を作ろうと考えています。寺田蘭世さんがブログを更新すれば、作っているそばから古くなってしまうことには笑うしかないですが、それでも本として手元にある、本棚に収まっているところを見るのは安心できるものがあります。言葉が残っている確かな実感があります。そして寺田蘭世さんのブログは本というかたちで残されることに相応しい愛おしさに溢れています。という感じでみんなも好きな人の文章を本にまとめたらいいと思うよ!!(それによる苦情は一切受け付けません!!)


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西野七瀬さんのハートに私のハートが撃ち抜かれた夏の終わり、神宮、夜

 乃木坂46バースデーライブ初日、台風が近付いている中で雨は振ったり止んだりで、しかしそこまで強く降ってきてはいなかったのでつつがなくライブ本編終了。初日は1st『ぐるぐるカーテン』から5th『君の名は希望』までの全曲を披露してくれました。一緒に見た知り合いと、明日は『ガールズルール』で始まるのかいいなーとか話したりしていたらアンコールスタート。聴き覚えのあるこのイントロは…、『ガールズルール』じゃないですか!!!!!!! まさかここで『ガールズルール』が来るとは予想していなかったので、自分もそして周りの客も大興奮。そりゃガッツポーズしちゃいますよ。と同時に雨も強くなってきました。しかし雨なんて関係ない。リリースされた当時は何故こんな安直な沸き曲を乃木坂に与えるんだとがっかりした記憶もありますが、時が経てばガールズルール is サマーアンセム。野外で、雨で、ガールズルール、盛り上がるしかないでしょう。最高…!!


 結局アンコールは、

と、やけくそかってぐらい夏の盛り上がる曲で畳み掛けてくる締め方で、最高です大満足です。最後、何か足りないでしょと『裸足でSummer』を曲紹介して、センターステージのそのまたいちばん高いところでひとりで踊る齋藤飛鳥さんが神々しかった…。


 で本題なのですが、私は1塁側スタンド席の前の方でも後ろの方でもなく、ちょうど真ん中の通路のちょっと後ろで見ていたのですが、なんとアンコールでスタンド席にメンバーを乗せたトロッコがやってきてくれたのです!! まさかスタンド席にメンバーが来てくれるとは!! しかも私のいる席のすぐ目の前の通路を通っていくらしい!! 『ガールズルール』で高まっているところにメンバーも来てくれるということで、私は興奮と緊張でなんかよくわかんない状況に…。


 1塁側にまず来てくれたのが白石麻衣さんと生田絵梨花さんで、手の届きそうなほどの近さで目の前を2人が通っていきます。近いでしょ、近すぎでしょ…。白石麻衣さんのオーラには圧倒されますね…。すごいわ…、やっぱりアイドルだわ…。ため息が出て思考停止に陥るぐらい圧倒されるものが2人にはありました。これはやばいぞ。


 2人が通りすぎた後に我に返って、いやせっかくこんなに近くに来てくれているのだからひと目だけでもレスを頂きたいなと邪な望みが湧き上がってきました。所詮レス厨なので…。でも無理でしょ、周りみんなパニック寸前ですよ、我も我もとレスくれ乞食に囲まれてそんなに容易く頂けるはずがないと、レスが欲しいなという気持ちはあったものの周囲の興奮っぷりに冷静にならざるを得ないものがあったのも確かです。私がもし白石麻衣さんの立場だったら怖くて完全に引いているような狂気に包まれた空気感がありました。


 白石麻衣さんと生田絵梨花さんが通りすぎていって、『ガールズルール』も終わったと思ったら『夏のFree&Easy』が始まって、盛り上がることしか考えてないような流れに当然盛り上がって、やっとなんとか心が落ち着いてきた頃に3塁側からやっと1塁側に回ってきた西野七瀬さんと齋藤飛鳥さんが私達のところに辿り着こうとしていました。白石生田で既に心がオーバーフロー気味なので、やってくる2人の輝きを受け止めきれるのか不安になりつつもトロッコはゆっくりと近付いてきます。


 そしてやってきた西野七瀬さん。西野さんが目の前に来たとき、西野さんはちょうど私とは反対側、グラウンドの方向を向いていました。その西野さんがこちらに振り向く。嘘みたいな本当の話なんですが、その振り向く様がスローモーションなんですよ。映画かよ。こちらに顔を見せてくれた西野さん。可愛い…。これは守ってあげたくなるわ…。よく言われているように笑顔の中にも儚さを漂わせていて、狂騒の坩堝で咲く一輪の花のようです。私の席はトロッコから近いのですが少しだけ低い場所だったので、西野さんの視線は私の頭の上を通りすぎていきます。正面から少しずつ遠ざかっていく西野さん。浮かれていた私は今しかないと勇気を振り絞って、遠ざかっていく西野さんに向けてハートを作ったんですよ。両手でハートです。普段のアイドル現場ではハートなんて絶対作らないのに。オタクのハートケチャを笑う側だったのに。


 しかし去っていく西野七瀬さん。ちょっとハートを作るのが遅かったかなと思い始めて、周りの猛烈なレス頂戴アピールの中でひっそりとしたハートではやっぱり無理だよなと諦めかけたそのとき、西野さんがこちらを向いて西野さんと目が合ったのです。マジか…。目、合っちゃったよ…。呆然としていたら、西野さんがマイクを持ちながら器用に人差し指と中指でハートを作ってくれたのです。マジか…。こんなことってあるのか…。本当にレスって頂けるんだという感動、他の人がもらっているのを見てもまさか自分も頂けるとは夢にも思っていなかったのでびっくりしてしまいました。しかもハートを健気に作る西野さん可愛すぎるでしょ…。呆然として空っぽになった心に西野さんの視線とハートが奔流のように流れ込んできて、私はあっという間に西野さんを好きになっていました。


 西野七瀬さんの後ろに続いていた齋藤飛鳥さんについてはほとんど覚えていません。


 このような優しさに触れて西野七瀬さんを好きにならないわけがない。これは恋に落ちるわという気持ちがよーくわかりました。西野さんのファンには若い男が多く、なおかつガチ恋が多いのも納得できました。ライブのレスでさえこれなんだから握手会なんてどうしたって恋に落ちるはずです。怖い…。乃木坂46の人気が大きくなって、大きな会場でライブをするようになっても、お客さんの近くにメンバーを寄越す意図もよーくわかりました。テレビや雑誌で見る人を間近で見れるすごさ。ライブでのそれは握手会などのイベントとも違った祝祭に似た非日常感があって、そこでの距離感の落差が生み出す奇跡は本当にすごいなと思いました。しかしこうやって遠くの席まで来てくれるのは人気メンバーであることが多いので、人気メンバーがさらに人気になっていくのはずるいなあという気持ちもあります。


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 たかだかアイドルの一瞬のレスとわかっていても、一瞬の出来事だからかもしれませんが、あの瞬間、人でいっぱいの神宮球場の中で私と西野七瀬さんだけの時間があったことに運命を感じざるを得ないものがありました。オタク運命好きすぎですからね。レス一発で落とすなんてオタクチョロいとして片付けるにはあまりにも深い尊さがあった。西野七瀬さんすごい、というか好き。西野七瀬さん好きです。好きの気持ちが巡り巡ってアンコールから遡り、ソロで歌った『ひとりよがり』を思い出しました。降りしきる雨がスポットライトで反射してダイヤモンドダストのような光群に包まれて歌っていた西野さんがとても美しかった。仙台の公演では、MCの時間に隣のメンバーの肩に頭を預ける西野さんに愛おしさしかなかった。もっともっと遡って、『無口なライオン』での西野さんに夏と少女でしか生み出せない美しい悲しさを見た。そしてチアガール、マカオ。たくさんの西野さんを思い出して(それほどでもないか…)、今に戻ってあの瞬間の西野さんと出会えたことに再び幸せを感じた。感謝です。


 西野七瀬さんのハートの記憶を反芻しながら帰った自分の部屋で、私は西野さんのポスターを貼りました。夏は終わりました。




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