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欅坂46のワンマンライブを見て圧倒された2016年クリスマス

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わたしは、欅坂46が自分の人生の誇りです。

www.keyakizaka46.com




 欅坂46の初ワンマンライブに行ってきました!! 2日間計3公演、私は24日の夜公演と25日の夜公演、初回と千秋楽を幸運にも見ることができました。結論から言うと、今の欅坂46の持てる力を出し切ったような最高のライブでした。すごかった。圧倒的だった。年の瀬に2016年のアイドルシーンの集大成を見せられたようだった。欅坂さんありがとう。


 欅坂46はまだ結成して1年ちょっと、CDもやっと3枚リリースしたばかりの(しかし1年で3枚は早い)、まだまだ新しいアイドルグループです。だけどまあ、乃木坂46のコンセプトを継ぐグループとして大々的にデビューしたので、初動からして人気が半端ない。ファーストワンマンが有明コロシアムなんて羨ましすぎるよ。当然先達の教訓を活かしているので、活動に隙は無いし(ナチス風衣装の件は対応を間違ったけど)、デビュー即紅白ですし、順風満帆な勢いに乗って満を持しての初ワンマンライブでした。


 初めて有明コロシアムに入ったのですが、思っていた以上に小さい会場でした。テニスコートだから当たり前か。私もテニス経験者ですが初めての有明コロシアムで、フラッシングメドウズやローランギャロスに行きたい言うよりも、まずは有明コロシアムでテニスを見なければと思った次第。傾斜のある会場のすり鉢の底が実際はもちろんテニスコートでして、そこがアリーナ席となっていました。アリーナ狭かった。24日はアリーナ席で見ることができて、演者との距離でいったら1階前方のほうが近いのですが、アリーナ席でしか見られない景色もあったのは確かで、後述しますがそれは貴重な体験でした。


 欅坂の色である緑色に染まった会場にOVERTUREが流れ、始まった1曲目、やはり挨拶は『サイレントマジョリティー』ではと予想してましたが『大人は信じてくれない』でした。奥まった高いステージでのパフォーマンスだったので、真横の1階席から見ていた25日は見づらかった(泣)。そこから2曲目の『語るなら未来を』へ繋がるダンスがあるのですが、そのダンスパートの先鋒が佐藤詩織さんのソロダンスでした。ひとりスポットライトを浴びて浮かび上がる、しなやかでありつつも折れない強さを感じさせる全身の動き。力強い一筆書きのような佐藤詩織さんの舞いは、ここに至るまでの道のりを自信として受け入れている者にしか出せない美しさがありました。


 ライブのよいところは自由に見る対象を選べることにあります。誰かの思惑が混じったカメラとは違い、見たいところが見られる。欅坂の3枚目シングル『二人セゾン』が発表されたとき、私には気になった人がいました。佐藤詩織さんです。佐藤詩織さんについては、それまでは毎月楽しみにしている公式サイトのグリーティングカードで絵が上手いということだけが彼女の印象でした。『二人セゾン』のフロントメンバーとなり、MVや番組収録などで踊っている姿を見るようになって、その立ち振る舞いに興味が湧いてきました。クラシックバレエを習っていたそうで、バレエの振りをフィーチャーした『二人セゾン』では、その流麗な動きが曲にとても似合っていました。しかし、音楽番組のライブ映像を見るといちばん前で踊っているのに思ったよりも映らないんですよね。後ろで踊っている今泉佑唯さんのほうが目立ってる。やっぱり人気メンバーがカメラに好かれるのか。悲しい。そういうもどかしさがあったので、ライブではとにかく佐藤詩織さんのパフォーマンスを注目しようと心に決めて臨みました。


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 ソロダンス含め、実際にこの目で見る佐藤詩織さんはやはり美しかった。バレエ大好きアイドルオタクだから、姿勢とかちょっとした所作にバレエ経験者こその匂いを感じると途端に好感を抱くわけです。ハコムスの鉄戸美桜さんはバレエ経験者でありつつもバレエっぽい振付に飽き飽きしていると風の噂で聞きましたが、私はバレエを感じさせる振付大好きですよ。また、「バレエ=美しい」みたいなのは安易だと思いつつも、その等号に間違いはないということも私は信じています。しかしよくよく考えてみると、バレエの振りが好きというよりも、バレエを習っていた者が会得している身体の動かし方の品の良さ、そこに惹かれているようです。そういう人はどんなダンスであっても美しい。伊藤万理華さん然り、渡辺みり愛さん然り。そしてその素養がない人でも、バレエっぽい振付を踊ることで、その境地に少し近づけるような、そんな魔法があると思うのです。人を美しく見せるという点でバレエを感じさせる動きは相応しいと私は思います。


 それでライブの佐藤詩織さんですが、指先まで自身の感情が行き届いている細やかさが見ていてとても心地良かった。特に『二人セゾン』では目立つポジションにいたのでじっくり見ることができて、曲が描く季節感を丁寧に踊りとして表現していて、本当に綺麗でした。音楽が鳴り、ビートとメロディーに包まれても、身体を動かしているのは紛れも無く私自身なのだと感じさせるところが佐藤詩織さんにあって、それはステージに立つ者としてとてもかっこいいことだと思います。


 欅坂というとまずはダンスの印象が強くて、この子の歌がいいとか、欅坂からはまだそういう感想が出てきません。やはり群舞のインパクトが強い。誰かが率いる欅坂というよりも、全員で欅坂という感じで、それはそれでいいのではないかと私は思っています。そしてそれはやはりTAKAHIRO先生が関わっていることがものすごく大きい。TAKAHIRO仕込みの欅坂のダンスは力強いナルシシズムに満ちていて、それは若いときにしか持ち得ない傲慢なまでの未来への自信と親和性が高く、欅坂の姿をより大きく見せてくれるのですが、一方で加速するばかりの今の欅坂の勢いは、本当に私達はこれでいいのか大丈夫なのかと本人達に不安を抱かせるわけで、苦しいのはわかるけれど、私はそのぎりぎりで揺れ動く心情が生み出すパフォーマンスに心を鷲掴みにされます。脆さと紙一重の強さ、けやかけで見せてくれるようなたどたどしい姿も欅坂ですし、ライブで見せてくれるような凜とした姿も欅坂です。そのバランスがすごく今っぽい。逆に空気を読みすぎている気もしますが。


 ライブに話を戻すと、欅坂の裏方では振付のTAKAHIRO先生の名前が上がりがちですが、できる裏方はTAKAHIRO先生だけじゃない。このライブのスタッフは皆いい仕事しまくってた。欅坂さん恵まれてるわ。特にこのライブは照明が素晴らしかった。どの曲でもその曲に合わせた世界を作り上げるために丁寧な光の演出が施されていました。『制服と太陽』の旅立ちを予感させる夕焼け模様、『キミガイナイ』の憂鬱な雨を彷彿とさせる青白い光。『キミガイナイ』の最後、幾筋もの光がメンバー直下に降り注ぐシーンがとんでもなくかっこよくて、あれをアリーナ真正面から見られたのは幸運な体験でした。照明で感動するなんて滅多にないことです。


 舞台演出も凝っていて、メインステージでのプロジェクションマッピングは曲にぴったりと合っていました。プロジェクションマッピングにありがちなドヤ感もなく、そうすることが最良の選択であることを窺わせる演出なのがよかった(後で考えてみるとあれはプロジェクションマッピングではなかったのでは)。長濱ねるねるをポップアップで飛び上がらせて登場だけは、可愛い可愛い長濱ねるねるねるをジャンプさせたかっただけだろうという裏の声を感じましたが、飛び出す長濱ねるねるねるねるはやはり宇宙最強可愛かったので全然問題ないです。長濱ねるねるねるねるねるが私的2016ベストアイドルソングである『また会ってください』を歌うところで、長崎っぽい異国情緒ある街灯をわざわざ置いて、その街灯に彼女の肩を預けさせた演出なんて、考えた人に握手を求めたいぐらい最高のシーンでしたよ(そのときの憂いたねるねると目が合ったのよ……)。


 季節柄というかクリスマス当日でもあるので、サンタ衣装の欅坂はちょこまかと動く原田葵さんが特段可愛く、またラインダンスも見事だったり、ひらがなけやきの『誰よりも高く跳べ!』は盛り上がるし最高であったりと、楽しいことはたくさんありましたが、しかし白眉は最終盤のシングル3曲でしょう。『二人セゾン』『世界には愛しかない』『サイレントマジョリティー』、私が欅坂を好きになれたのは何よりもシングル表題曲がどれも好みだったからです。『サイレントマジョリティー』に関しては最初拒否反応を示してしまいましたが、今ではさすが欅坂、『サイレントマジョリティー』こそが代表曲だと思うようになっています。焦らしに焦らしたシングル曲が最後に披露され、ここで私は完全に打ちのめされ、ただ見入るのみの肉の塊となってしまいました。圧倒されずによくみんなペンライト振れますね。


 やっと生で見られたフルサイズの『二人セゾン』。最高だった…。毎日聴いて、毎日MVを見ていた曲が目の前で繰り広げていることだけで感動を覚えます。季節の移り変わりが手品のようにスクリーンで切り替わりつつ鮮やかに彩られ、バレエを取り入れた優雅なダンスを大勢で踊る美しさ、貴族のパーティーを見ているようです。最初にふたつの輪からメンバーが交錯して左右に分かれていくときには、歯車が噛み合ったような快感があります。1番サビの直前、センターの平手友梨奈さんが前に出てくるときに仕えるように米谷奈々未さんも前に出てくるのですが、サビになると控えめに最後列に下がってしまうのがなんとも悲しいというか、米さん頑張れと応援したくなります。この曲に限らないですが、欅坂の振付の特徴のひとつに回転があります。裾の長い衣装を回転によってふんわり膨らませて美しい円を描く様は、日々の心の機微が反射した水紋のようでもあり、調和の先に永劫の円を進み続ける惑星の軌道であったり、その完成された舞いは見ていると心がスッと落ち着いて安らいできます。いろんな曲で回転する欅坂の皆さんをたくさん見てきたので、回転が綺麗に決まったときは彼女達は今集中して満ち足りているのだなと思って、今では占いみたいな感じで欅坂の調子のバロメーターのように見ています。25日はステージを見下ろす席だったので、欅坂の回転する姿が一際美しく、歴史を飾る一篇の絵画のようでもありました。


 『二人セゾン』から間髪入れずに始まった『世界には愛しかない』。最高だった…。北海道にいるかのようだった…。有明コロシアムの狭いアリーナにわざわざ周回通路を作ったのはこの曲のためであったかと思わざるをえないほど、周回通路を上手く使ったパフォーマンスでした。有明コロシアムを所狭しと走り回る欅坂の皆を見ていると、大草原を走り抜けるMVを追体験しているかのようでありつつもまさしく現実で、その動きが光となり愛となり、「世界には愛しかない」という言葉を信じられるわけです。秋元康の歌詞は基本的に苦手なんですが、『世界には愛しかない』に関しては大好きで、この曲には若かった頃に読んだ舞城王太郎を感じさせるものがあります。具体的には『好き好き大好き超愛してる。』の冒頭、「愛は祈りだ。僕は祈る。」に通じるものがある。この全肯定の愛。これはアイドルにしかできない。そしてアイドルだからこそ信じられるものがある。そのような祈りに似た歌に触れると、どうしようもなく込み上げてくるものがあって、だからこそアイドルを追いかけるのをやめられないのかなと思います。


 自分でも不思議なんです。欅坂の歌詞はどれも大人になる直前の世代に向けられていて、おっさんの私は全然お呼びではない。むしろ歌詞の中で立ち向かうべき相手として描かれています。しかしそれでも響くものがある。彼女達が歌うことで、何を今更青臭いことをと吐き捨ててしまいそうな歌でも、何故か聴き逃せないものがある。あの年代の、遠くから見ると光り輝いているようで、実はもがき苦しんでいることを窺わせる世界、私はそういう青春と無縁の人生を、少なくとも光るところは無かったので送ってこなかったわけですが、そういう光には必ず影が生まれることを音楽と人で表現しているところに、欅坂のただ明るいだけではない輝きがあると思います(まあだいたいアイドルはそういうものです)。アンコールのMCで菅井友香さんが涙を零しながら言っていたように、デビューしたばかりにしては背負うものが大きく、不安を抱かないほうがおかしいというもの。メンバーも多くがブログなどで不安や葛藤を語っています。しかし、ステージに立ってライトを浴びるとその佇まいは凛々しく、魔法がかかったかのように眩しく見えるときがある。その瞬間、歌はまっすぐ届いてきて、得てしてそういうときの歌は鋭く刺さってくるのです。欅坂はそのような響いてくる瞬間が多いので、だから目が離せない魅力があります。


 そして最後が『サイレントマジョリティー』です。最高だった…。いや本当に最高だった…。最後の何分間か最高だとしか記憶にない。初めてのワンマンライブの最後に見せてくれた欅坂ファーストシングルの表題曲は、もったいぶって出し惜しみした期待を数百倍の迫力で跳ね返すような、強いというありきたりの形容では捉えきれないほどの強度を持ったパフォーマンスでぶつかってきて、それは本当に心地良い気持ちで天国に昇るような体験でした。初日、アリーナ席で見てかっこよすぎてぶっとんだから。彼女達の気負わざるを得ない気負い、背負っているものの大きさをバネにして、誰よりも高く飛ぼうとしている勢いを、さらに遠くまで飛ばすべくスタッフが支えていて、それに応えてメンバーも最高のパフォーマンスに昇華していました。この曲でも照明が最高な仕事っぷりでした。探照灯のような無数の強いライトがめまぐるしく会場を照らし出し、それはまるで戦場のようで、彼女達はまさに戦っているようでした。そんな姿をアリーナ席の真正面から見たときに、これは真正面で向き合って受け止めなければならないと、現実から逃げるなという圧倒的な圧の説得力がありました。自らが世界の中心であるかのように毅然と前に進む平手友梨奈さんは女神のような雰囲気をまとい、眩いライトに負けない瞳の強さで欅坂の意志を会場中に伝えていました。とにかく強くかっこよかった。


 初期のけやかけの頼りなさげで不安な印象もあった欅坂が『サイレントマジョリティー』を発表したとき、もっと詳しく書くと『サイレントマジョリティー』のMVがYouTubeで公開されたとき、それまでのイメージとは真逆の強さに溢れた欅坂を見せられて、それはとても驚きでした。もちろんそういう演出で見せていたことが影響しているのですが、にしても本人達にその素質がなければどうにもなりません。『サイレントマジョリティー』以降も新曲を発表する度に、欅坂は強いという思いを強くさせてくれました。アイドルといえば可愛いというイメージを飛び越えて、まずは強いということが欅坂にはあった。しかし強度を強めていくほどに対極の可憐さも際立ってきて、稀にハッと気付かせてくれる欅坂の可愛さに惹かれることが多くなりました。『サイレントマジョリティー』の最後、張り詰めた空気の中で决め顔の平手友梨奈さんが、緊張を解いて穏やかな表情になる瞬間がたまらなく愛おしい。巨大で不安定でわけのわからない存在になりそうなぎりぎりのところで、ひとりの人間に立ち返る心の動きがそのまま身体の動きとなって微笑みとなる。たとえそれさえ演出だとしても、私はその笑顔が大好きです。


 他にも千秋楽アンコールMCで菅井友香さんの涙につられ、同じく泣いていた守屋茜さんの涙で輝いた横顔が美しかった。常に冷静そうな佇まいだった渡邉理佐さんは見ていてとても頼もしかった。いつも泣く一歩手前という印象があった石森虹花さんの笑顔が見れて本当にうれしかった。ライブ前日にスマイル学園の動画をたくさん見てしまい無駄にエモくなってからライブで見た今泉佑唯さんは、よくここまで来れたなあと感慨深いものがありまくりだった。そして平手友梨奈さんです。2016年の欅坂46を引っ張っていたのは平手友梨奈さんでした。彼女がいて、彼女がすべてを受け止めていたからこその今の欅坂があると思います。尊敬しかない。アンコール、『W-KEYAKIZAKAの歌』(E.YAZAWAっぽい…)で、ひとりステージ前方に飛び出してきた平手さんの自由に動き回る様子がとても晴れ晴れとしていて、そんな平手さんを見ているとどうか幸せになってほしいと祈るしかなくなってきます。平手さんに限らないですが、アイドルのような誰かの気持ちを背負う存在は自分を見失わないでほしい。平手さんは平手さんでしかないし、自分を大切にしてもらいたいなと願っています。


 2016年の最後にいいライブを見させてもらいました。ほんとよかった。満足感でいっぱいです。お金をかけてそれがしっかりとライブの良さに反映されているまっとうなライブに仕上げていました。お金のあるグループがそれ相応の仕事をするとやっぱり敵いませんね(乃木坂も見習ってほしい…)。あと、欅坂もフォーメーションで前列後列の差はあれど、乃木坂のような選抜というシステムが無いのが精神衛生上とてもよろしい。同じグループなのに全員が同じステージに立てないのはやっぱりおかしいよ。いやー、しかしほんとよかった。いいグループですね、欅坂は。2017年も楽しみです。どうか自分を見失わずにこれからも突き進んでいってほしい。感謝。




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今回のライブを終えて、
正解なんてまだなにも分からないけど
今までやってきたことは無駄では無かったのかなと
少しだけ感じることができました。



練習時間を作ってくださるスタッフさん、
疲れている時も一生懸命ダンスに向き合ってくれるメンバーの皆には
本当に感謝しかありません。


ダンスダンスいうのはアイドルとしてあまり良くないのかもしれませんが
自分が欅坂に貢献できることがこれしかまだ見つかりません。


これからもどうか暖かく見守っていただけると有難いです。

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寺田蘭世さんありがとう

本当にブランコの歌詞みたいに
私は人に多くを語らないし
言葉でどうこう言う人間で無いので皆さんにもどう思われてるか分からない

1人で勝手に壊れそうになると思いますが
皆さんがいればきっと大丈夫!


明日からも頑張ります
また、新たな気持ちで生きていきたいです!


自分は自分だ
悔い無く生きる。

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 寺田蘭世さんありがとう。本当にありがとう。今私は幸せです。寺田蘭世さんと同じ時間を共有できたこと、寺田蘭世さんの想いを知ることができたこと、あの二日間のすべてがよい思い出です。現実と夢の境界がまどろんで、見えるものは寺田蘭世さんの瞳ばかりで、本当に時が輝いているような時間でした。ありきたりなどこにでもある言葉でしか届けられないけれど、寺田蘭世さんと出会えてよかったなと思います。しかし、ここはまだ夢への通過点なのです。


 2016年、私は乃木坂46にハマりました。自分でも今更と思います。周りからも何故今になってと言われます。しかし何事もタイミングなのです。それまでただなんとなく見ていた乃木坂の番組も全然違って見えるようになってきました。一応デビュー時から知っていたものの、やっとここへきてメンバーの顔と名前がすべて一致しました。その乃木坂にのめり込み始めた頃、偶然見たサンクエトワールの動画で、私は寺田蘭世さんと出会いました。第一印象は何故この子は眠そうなんだろう。重たそうな瞼が印象に残っています。歌っている動画で感じたおっとりした子かなという予想はブログを読んで変わりました。ブログではひたむきで熱い気持ちが抑えようとしても零れ落ちるように綴られていました。謙虚なのか恥ずかしがりなのか、それとも表現が下手なのか、表面的には感じ取れないがしかし地底熱のように秘めたる熱いものを持っている寺田蘭世さんに惹かれました。私も自分を表現するのが苦手なので、そういう点で共感を覚えたのかもしれません。


 詳細は省きますが、春夏秋と巡ってきて、訪れた冬、武道館のアンダー単独公演がやってきました。16枚目シングルのアンダーセンターは寺田蘭世さん。もちろんアンダー公演のセンターも寺田蘭世さんです。不安であると同時に、寺田蘭世さんならやってくれるだろうという自信もありました。蘭世さん自身、常に根拠のない自信を持っている気配を漂わせているのですが、私もそんな寺田蘭世さんを見ていると、理由をうまく言えないけれど寺田蘭世さんならやってくれると信じていました。


 12月7日、武道館アンダー単独公演1曲目は『ブランコ』でした。16枚目シングルのアンダー曲、寺田蘭世さんセンターの曲です。武道館のステージの中心に寺田蘭世さんが立っていました。単純にすごいなと、圧倒される思いで見ていました。デビュー時からの目標である選抜センター、目指す先を見つめる寺田蘭世さんの視線が鋭く、すべてを貫くようでした。2階の真横から見ていた私は正面の姿は見れず、大きなスクリーンにアップで映される寺田蘭世さんを見て、そのかっこよさに泣きそうになりました。可愛いじゃない。かっこいい。寺田蘭世さんの表面的な魅力はその強い瞳にあると思っているのですが、その大きくて力強い瞳が武道館でも輝いていました。


 武道館のアンダー単独公演は2日間行われて、私は2日間とも見ました。7日は2階から、9日は1階ステージサイドから。ステージサイドはもう本当の端の端だったので、まったくステージを直接見られずに、隣に設置されていたモニターをずっと眺めていました。ただ、寺田蘭世さんはセンターなのでモニターにもよく映ってくれて、それだけは幸いでした。モニター蘭世最前最高。またステージサイドは、ライブパフォーマンスは満足に見れないけれど端にメンバーが来てくれると本当に近い距離で見れるので、レスらしきものを頂けたりと、そういう点では楽しかったです。樋口日奈さんは見捨てられた席の者にまで本当に優しい。


 これまでアンダーライブは東北ツアーと中国ツアーの2回を見ましたが、こんなにまでセンターはセンターとして特別なスポットライトを浴びるのかと改めて驚いたぐらいに、武道館の寺田蘭世さんはセンターとして大切なポジションを背負っているようでした。ステージサイド、すぐ右隣は暗闇の席で、数えるのも諦めたほど頻繁にモニターに映る寺田蘭世さんの顔を見ながら、寺田蘭世さんはすごいところに立っているんだなと思わざるを得ませんでした。


 2階から見ていると寺田蘭世さんはたくさんの人に支えられているのがわかります。寺田蘭世さんだけではない。アンダーのどのメンバーも、それぞれ支え合っています。『ハルジオンが咲く頃』で佐々木琴子さんが歌っているのを見守る鈴木絢音さんや渡辺みり愛さんの優しい眼差し、ライブでいっぱいいっぱいな寺田蘭世さんを助けるように、周囲を見渡し着実に歩を進めるようなMCを展開する中田花奈さんや樋口日奈さん。どんなときも誰かが誰かを支えています。ライブが終わった後、お決まりのように誰かが言う、いろんな人の支えがあって成功したという常套句が、今まさに目の前でその通りの支え合いの上に成り立っていることを直接に受け取って、それは素晴らしいことだなと思いました。そういうチームワークは乃木坂のアンダーに限ったことではなくて、どんなグループ、どんな集団であっても、素晴らしい成果を出すところはそうであるものだけれど、しかしアイドルはそういう関係性をとても美しく見せてくれる最良の場だなと感じてしまうのです。


 ステージでパフォーマンスする寺田蘭世さんはかっこよくもあり可愛くもあり、その両極を軽やかに行き交う姿が美しく、見ていて飽きることがありません。身体は小さくても、ボリュームのある漆黒の髪が人目を引き、小さく華奢だからこその超新星のような凝縮された輝く人のオーラを放っています。かっこいい曲では凛とした眼差しで、可愛らしい曲でははにかむような笑顔で、寺田蘭世さんはいつ何時カメラに抜かれても素敵な表情を見せてくれていました。寺田蘭世さんは顔のアップがよく映えます。私はよく寺田蘭世さんをかっこいいと言いますが、一般的には可愛いという形容のほうが似合う人です。大きな瞳、お人形のようなスタイル、ロリータチックなブランドのモデルをするなど、確かに寺田蘭世さんは可愛い。しかし、寺田蘭世さんは可愛いけど甘くないのがその魅力です。その人間性には激烈なまでの厳しさがあります。それが彼女をより孤高の存在へと高めています。


 ライブ全般に目を向けると、とにかく楽しいしかないライブでした。乃木坂はこんなにいい曲があったんだと改めて思わせてくれる最高のセットリストだったと思います。乃木坂のシングル表題曲を全員センターで歌う企画も、それぞれのメンバーの良さが表現されていて、どれもとても良かった。スタートが寺田蘭世さんセンターの『ぐるぐるカーテン』で、YouTubeでこのMVを初めて見たときのことを思い出したり、こういう秘密の花園的な世界観に寺田蘭世さんの存在は波を立てることなく溶け込んでいて、その時間は幻想的でありました。特に好きだったのは相楽伊織さんの『制服のマネキン』と鈴木絢音さんの『夏のFree&Easy』。相楽伊織さんの清冽な佇まいとそのダンスが曲にとても合っていて、あの年頃にしか出せない説得力があった。また、2016年大躍進した鈴木絢音さんの『夏のFree&Easy』は、盛り上がる夏の曲調に引っ張られる中で自分を保とうとする鈴木絢音さんの歌の素朴さ、まだ都会に染まっていなさそうな鈴木絢音さんのいなたさと曲のアンバランスな関係が逆にテンションを高めて夏にしか起こり得ない奇跡を爆発させていたように思います。


 7日のクリスマスアレンジメドレーは季節感を無視しつつも白銀の春のような『春のメロディー』に心奪われたし、9日の乃木團ロックアレンジメドレーでは初めて生の齋藤飛鳥さんの生ドラムを見られて感激でした。両日で違うアレンジを披露した『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』は、MVのおかげでどうしてもアンダーの状況と重ねてしまいがちだけど、現状に甘んじない意志が強く伝わってきました。


 終幕への流れは、乃木坂の楽曲の良さが存分に出た素晴らしい時間でした。大好きな曲ばかりだった。特に9日の『春のメロディー』は、私はこの曲が乃木坂の中でもいちばん好きなことを再確認させてくれて、本当にこの場で聴けて幸せでした。ゆったりとしたメロディーに心を揺さぶられながら、ステージサイドから踊るメンバーの後ろ姿を見るのは、なんとも不思議な感覚で、このときのことがいつまでも記憶に残りそうな気がします。中田花奈さんがどんなにこの頃を悔やんだ気持ちで思っていても、私は『春のメロディー』が大好きです。本当に素晴らしい時間だった。このままずっと歌い続けてほしいと願うぐらいでしたが、フィナーレの『シークレットグラフィティー』で皆がお辞儀をするときの、寺田蘭世さんの所作に殊更丁寧さを感じ、満ち足りた気持ちでライブを終えました。


 そして武道館アンダー単独公演を寺田蘭世さんの公演として強く印象づけたのがアンコールでのMCでした。2日間に渡って、アンコールのMCで寺田蘭世さんは熱い言葉を吐きました。激しすぎる愛によって生まれた言葉は自傷しかねない鋭さがあり、しかし、これこそが寺田蘭世さんだなという強さに溢れた言葉で、今この場でその言葉を聞けたこと、前を見据える寺田蘭世を見れたことが何よりもうれしかったです。ファンはアイドルを信じることしかできないけれど、この瞬間、私は寺田蘭世さんを信じることができた。信じることで幸せになれた。宗教だと思われてもいいし、これはおそらく宗教だろうけれど、寺田蘭世さんを信じることで、もう少しちゃんと生きていこうと決意することができた。そこにはもう感謝しかないのです。


 "最弱"だとか"クズ"だとか、寺田蘭世さんは自身を卑下しがちで、人間の持つ醜さを認めつつも、それをなんとか跳ね返そうと闘っています。ぎりぎりで闘っている。自分の言葉と共に内に入り込み、誰の言葉も届かなくなった狂気すれすれの寺田蘭世さん。心の深淵を覗き込むような踏み間違えることのできない場所に佇みながら皆に言葉を届ける寺田蘭世さんは、あの瞬間とても透きとおって見えました。そしてその姿はとても少女らしかった。アイドル然とした物言いが求められる場所で、何も囚われず自由で、アイドルとしてよりも人間として気高くあろうとする姿は、私には触れることができない絶対的な少女らしさで輝いていた。素直にかっこいいと思いました。そうやって言葉を紡ぎながら武道館の中心に立つ寺田蘭世さんは星のようでした。『サヨナラの意味』の初回盤特典映像のアンダードキュメンタリーには、最後のシーンで寺田蘭世さんのオーディション時の映像が収められています。そこで寺田蘭世さんは言っています。

アイドルは星みたいな存在だと思っていて、一生懸命輝いて、その光をファンの皆さんが見て癒やされたりとか、そういう素敵なアイドルになりたいです


 本当に寺田蘭世さんは星です。輝いていて、近くにいるようで遠くにいるようでもある。寺田蘭世さんを好きになると、安易に誰かのことをわかった気になるのは本人への侮辱だなと思うぐらいに、人間のわからなさがわかってきます。私は寺田蘭世さんのことが本当にわからない。そのわからなさや手の届かない不可侵な部分の魅力に惹かれています。そしてわからないなりに信じている。寺田蘭世さんにかけている。私は、強い瞳は未来を切り開けると信じてます。乃木坂のセンターに立つという寺田蘭世さんの誓いは、知らない人には大言壮語に聞こえるかもしれませんが、こうやって寺田蘭世さんがいる世界を過ごしてきた今の私にはとても説得力があり、それは手の届く夢だと信じることができます。


 寺田蘭世さんありがとう。楽しい楽しい武道館ライブでした。2016年は寺田蘭世さんと出会えて本当によい1年となりました。昔から推してきたファンにしたら、ちょうど上り坂になったタイミングで好きになるなんてずるいと思われても、まあ私みたいな新規ファンが増えたから今があるのではないかと言い訳してみます。寺田蘭世さんに限らず鈴木絢音さんや渡辺みり愛さんなど、今乃木坂2期生の勢いがあります。3期生が入り、ややもすれば忘れられた2期生となる可能性も無きにしもあらずな状況ですが、しかし今、2期生は埋もれない輝きを放とうとしています。そしてそれは2017年の乃木坂をさらに明るく照らすものであるはずです。武道館で寺田蘭世さんも言っていたように、ここはまだ夢への通過点です。まだ目指す場所はずっと上です。寺田蘭世さんには見えているはず。私は信じてます。2016年ありがとうございました。蘭世の勢いとまらんぜー!!


 最後に。寺田蘭世さんを見ていると事ある毎に思い出す言葉があります。『銀漢の賦』という小説の一文で、

花の美しさは形にありますが、人の美しさは覚悟と心映えではないでしょうか。


寺田蘭世さんは美しい。




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ハコムス楽曲マイベストテン

 ハコイリ♡ムスメが12月25日にハコヒットテンという、ファンの投票による人気上位曲を歌う公演を開催します。そのためにツイッターではただいま絶賛投票受付中です。それまではライブやリリイベ会場でもらえる用紙に書いて投票だったのですが、ここにきてツイッターでも投票できるというので一気に敷居が下がりました。



map.pigoo.jp
DISCOGRAPHY | ハコイリムスメ(ハコムス)公式サイト


 というわけで、このタイミングに乗じて私も好きなハコムス曲をまとめてみようと思います。ハコムスの歌う曲に嫌いな曲はひとつもないので迷いに迷って10曲選んでみました(しかし歌いすぎて飽きてる曲はある…)。選曲は思い入れよりもライブでこの曲を歌ってくれると来てよかったなと思える曲を中心に。

  1. 斉藤由貴『いちご水のグラス』
  2. 斉藤由貴『ストローハットの夏想い』
  3. CoCo『夏の友達』
  4. ハコイリ♡ムスメ『微笑みと春のワンピース』
  5. 三浦理恵子『約束のポニーテール』
  6. 斉藤由貴『少女時代』
  7. アイドリング!!!『レモンドロップ』
  8. 上田愛美『なかよし』
  9. Qlair『スノーブーツのwish』
  10. Qlair『泣かないでエンジェル』


 無理、10曲に絞れないわ……。というか、1位完全に思い入れでは…。以下、1曲ずつコメント。


Qlair『泣かないでエンジェル』
 2015夏曲なんですが、そのときはあまり記憶になくて、この秋のリリイベで何回か聴いて好きになってきたという感じ。


Qlair『スノーブーツのwish』
 『ホワイトラビットからのメッセージ』と迷ったけどこちら。これを聴くと冬の訪れを感じます。雪降る街の静けさを感じさせる歌も、間奏の雪合戦も好き。


上田愛美『なかよし』
 青臭くて純朴すぎる歌詞でもアイドルが歌うと何故か胸を打つことを、この曲がライブで歌われる度に思う。
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アイドリング!!!『レモンドロップ』
 また夏が来るんですよ!! 初夏のキラキラが眩しすぎる。新人公演で歌って、最後1列になって前に進んでくるシーンが最高だった。しかし、門前さんとの2度目の夏は来なかったー(泣)


斉藤由貴『少女時代』
 あまり歌詞に重きを置かない聴き方をする私ですが、この曲は2番歌い出しの「あぁ、金色に輝いた少女達」が好きです。秋の陽と紅葉に照らされたハコムスの姿が見える。


三浦理恵子『約束のポニーテール』
 サビの背をちょっと屈める振付が好き。ポニーテールの阿部かれんさんがこの曲を歌うと最強の美少女感がすごい。阿部ちゃんの曲。


ハコイリ♡ムスメ『微笑みと春のワンピース』
 これだけは思い入れかな。やっぱりハコムス初めてのオリジナル曲ですし、オリジナル曲の中でもいちばん好き。メンバーの入れ替わりと共に大サビのソロを歌い継いでいくのがハコムスの歴史と重なる。あと、メンバーがこの曲を初めて知らされたときの動画が今見てもエモい。
www.youtube.com
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CoCo『夏の友達』
 こういうキラキラに私は弱いのです。最高。あまり歌われないので、歌ってくれたときのうれしさがハコムス曲の中でいちばん大きいかもしれない。


斉藤由貴『ストローハットの夏想い』
 私もこの曲が大好きだし、鉄戸さんもこの曲が好き。両想い最高では。夏だけど華やかではなく、静かな午後を思わせる穏やかさが私は大好きです。


斉藤由貴『いちご水のグラス』
 どうしても1曲だけとしたらこれでしょうか。思い出しただけで胸いっぱいになる。私の好きな『いちご水のグラス』は門前亜里さんと鉄戸美桜さんの2人による『いちご水のグラス』なので、記憶の中のメロディーに耳を傾けるだけです。門前さんの卒業公演で門前さんがピアノを弾きながらのこの曲が本当に素晴らしかった。新しい2人でこの曲が聴ける機会がいつか来るのだろうか。




 10曲選ぶの難しかった…。好きな曲が多すぎる。なのでハコヒットテンで何歌われても納得しそうな気がする。ハコムスはオリジナル曲もカバー曲も曲の雰囲気が統一されているからいいですよね。いつまでもこの世界観を守り続けてほしいな。